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27 七日目 ムバクーヘンの街 2

<お詫び>


つたない文章をお読みいただき、有難うございます。

〇日目とサブタイトルが付いているのに、日をまたいだ内容が多々あるのが気になりました。

勝手ながら、前作の内容7日の分をこちらに転記させていただきました。

最後の方に、付け足した文章があります。

楽しんでいただけたら、嬉しいです。

翌日、予定を一日延ばし街に滞在する事に決まったので、母さんとミアは、街へ繰り出し買い物を楽しむと言って出かけた。

ボク達は、報奨金の清算をする為にギルドへ向かう


「しかし…私まで分けていただいていいのですか?盗賊も捕まえてないし」

「墓所作る事に貢献したじゃないですか、それに慣れない見張りまで」

「それはそうですが、なんか申し訳ないな…」困り顔のミスドさん


ギルドで、ボクの分を抜いて大銀貨90枚請求する。

カウンターのお姉さんの笑顔が、少し引きつり気味だったが、気のせいだと自分を励ます。

人数が多く金額も大きいので、奥の個室に通された。


ドアロスはすでにラグ達からお金を集めていて、それをミスドに渡した。

ボクも討伐組に大銀貨10枚ずつ配る。

皆の顔が嬉しそうに輝いたので満足だ。


ドアロスとハーネルからそれぞれ大銀貨2枚ずつ受け取った。

それを父さんに渡そうとしたけど断られた。

セルジュが今朝、傭兵組と相談してパーティーの報奨金を父さんに渡した後だった。

ボクが渡そうと思ってたのに残念だ。


子供達と傭兵組は、お小遣いを少し抜いてギルドに残りのお金を預けるため、カウンターへと急いだ。

ギルドを出た後、皆で港へ行く事にした。


「うわ~広い!」

「おお~でかいな!」

「あの先どうなっているんだ?」

「風の匂いが違うね~?」

「少しベタってしてるな」

「でも、気持ちいい」


初めて海を見るボク達を傭兵組と親達が微笑ましく眺めている。

ボクは、前世で知っているけど不思議とテンションが上がってた。

港には、色々な魚介を売る出店や香ばしい匂いを漂わせる露店が立ち並んでいた。


「父さん、ボク達お昼も自分で食べるから自由に見て回っていい?」


ボクの提案に皆も頷いた。


「坊主ども無駄遣いするなよ!」

「気を付けるんだよ。」

「暗くなる前に宿に戻るんだよ」


親の了解を得てボク達は、走り出した。


海を見渡すと港は、弧を描く形だ。

右に目を向けたら砂浜が広がっていた。


「あそこの砂浜まで競争だ!」

「ノア走ってるじゃん」

「ズルイー」


思いっ切り走って息が上がり、そのまま砂の上にへたり込んでしまう。

人影がまばらなので、小型のシャー達も遊ばせる事にした。

流木があった、拾おうと思って立ち上がり歩くと、キュキュと音がする。


「何これ?歩くと音がする!」

「おぉー本当だ」

「虫でもいるのか?」

「違うよ鳴き砂って言うんだよ。砂同士がこすれ合って音がするんだ」

「へ~よく知ってるな」

「誰に聞いたの?」

「そんな砂があるんだ~」


あ…しまった。


「何かの本に書いてあったんだよ」本って便利だな…。


話をこれ以上掘り下げたくないので、手にした流木を投げる。

すかさずシャー達が追うが、咥えて帰ってくると思ったら様子が変だ。

周辺を探っているように見える。


((どうしたの?何かあるの?))

((主、ここに何か埋まっているようです))


「あそこに何か埋まっているってシャーが言ってる。見に行こう」


ボクが走ると皆も付いて来た。


「シャー何かって?」

「確かに気配があるのですが、掴みどころが無いのです」


ウルフ達が至る所で、砂を前足で引っ掻いているが姿が見えない。

ボクも試しにシャーの足元の砂をすくってみる。

あれ…違和感を感じる。

砂だけど砂じゃない流動的な個体を感じる。


「待って、何かいる。鑑定」


<サンドスライム>

   砂の中に生息する亜種。

   流動的で自在に形を変える事が出来る。

   攻撃性は、無く無害

   栄養補給は、雑食。土を好む


 鑑定結果を共有すると


「ノア、これはチャンスだ!」

「うん、でもこのままじゃ…従魔にしたら触れるかな?」

「試してみろよ」


ボクは、頷き試した……あっさり完了した。

今迄は、ただの砂にしか見えなかったのに、従魔にしたら薄ボンヤリと輪郭が見えるようになった。

大きさは底辺80cmのタレパ〇ダの顔かな?


「でかいよね?」

「スライムにしてはね」

「でも…自由自在だろ?」

「まだいるかな?」

「シャーまだいそう?」

「はい、この辺りに何匹か生息しています」


シャーは、アッシュ シルバー レッド ブルーの方に顔を向ける。

皆の足元を一つ一つ探り当て、次々と従魔にした。


「ノア、従魔にしたのはいいけど、連れ帰れるの?」

「それな?この大きさは、問題になる気がするな」


あっ!ここでフラグ回収?…悩んだが、サンドスライムを諦めて開放するのも惜しい。


「ん~僕の秘密を打ち明けたいと、思います」

「何急に真面目になってるんだよー」

「変だぞノア」

「ヤダ!怖い」


「本当は、誰にも知られたくなかったんだ」

「わかった」

「そこまで言うなら」

「うん」


「ディメーションルーム」


空間にぽっかり穴が出来たのを見て、訳が分からない様子だ。


「ノアこれ何だ?」

「白いな」

「中に何か置いてあるよ」


「驚かせてごめん。これは、自在に移動する部屋と言うか、倉庫と言うか、いつでもどこでも何でも収納できる空間なんだ」

「おお便利」

「何で今まで使わなかったんだ?」

「ごめん。スライムに入って貰ってからでいい?人に見られたくないんだ。家族にも話していないから…」


そう断ってから、スライム達を仕舞った。


「この能力は、使える人が少なくて悪い奴らに知られたら、悪用するため能力のある人を攫ったりする事もあるって本に書いてあったから…ボク」

「そうだよね」

「そう言う事もあるか」

「だな!」


真剣な眼差しで聞いてくれてる…ごめん少し大袈裟に話してる。

後ろめたさを感じながらも秘密を一つ共有出来て、少し安堵していた。


「サンドスライムの餌、砂を好むって…ここの砂も運べばいいんじゃね」


ラグの言葉に皆が賛成して、人目に付かない場所まで移動した。

ルームの中にバケツや器があったので、それを使い急いで掘り返して結構な量の砂を詰め込んだ。


ボクが困った時、いつもさり気ないラグの言葉に救われている。

ありがとうラグ。


「いい汗かいたな!」

「砂まみれだね」

「砂運ぶのって、意外に重労働」

「ありがとう。本当に助かったよ!お腹空いたね、何か買いに行こうよ。お礼にボクが奢ります」


グッタリへたり込んでいたのにそう言ったとたん、すくっと立ち上がり颯爽と歩き出したのには、呆れ返った。


水際に休憩したり食事が出来るウォーターフロントが設備されていた。

皆が食べたがった物をシェア出来る様に、二人前ずつ買って空いている席に着く。


「ノア大盤振る舞いだな」

「ありがとう」

「いただきます!」

「どうぞ、お召し上がり下しゃい」

「しゃい?」

「あはははは、噛んでる」


エビの様な物や焼き貝、イカに似た物まである。

どれも魔物ではあるが、世界が違っても生態ってさほど変わらないんだなと感心する。

食感も味も同じだが、味付けが基本塩に柑橘とハーブなのが少し残念。

醤油の香ばしい匂いが懐かしい…

あんなにあった料理も食べ尽くし、海を眺めボーッとする。


「食べ過ぎたみたい…」

「8人前あったもんな」

「苦しい…」

「俺、絶対残ると思ってた」

「一番食べていたくせに」

「少し休んでよ」

「あ…そうだ」

「ノアのそうだは、要注意だ!」

「うんうん」

「え?酷い…ボク達の事じゃないよ。シャー」


近くに人が居ないことを確認して、シャーに近づき屈み込む。


「はい、主」

「補給10日だったでしょ。王都に着くまで大丈夫だと思ってたけど予定が遅れているから、早いけど今晩寝る前でいい?」

「大丈夫です」

「野営の時より宿に泊まっている時の方が、良いかなって思ったんだ」

「そうだな、安全を確保できるしな」

「大人も傭兵組もいるから、大丈夫とは思うけどね」

「確かに、魔力切れで野営は怖いな」

「午後からどうする?」

「俺、姉ちゃんと妹にお土産買わないとな、報奨金貰ったから小遣い無いって言い訳が出来なくなっちゃったよ…」

「あ…嫌な事思い出させやがって…」


ラグにトリルが文句を言った。


「王都に行ってからでもよくない?」

「ノアとスミスは良いな~土産いらないし」

「ボクは、家族も友達も一緒だからね」

「ぼくは兄弟いないけど、母さんが一人で留守番しているから買うよ」

「露店や街中をぶらぶら見て回るか」


ラグの言葉で、午後の予定が決まった。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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