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数日後、各種手続きを終え幽霊屋敷の権利が商会の手に渡った。
この日の為に予定を調整していたボク達クレッセントと激昂は、知らせを受け意気揚々と(旧)バカカーン男爵邸跡地の前に立ちはだかり、それぞれが思い思いの感想を口にした。
「やぁー改めて向き合うと、なかなか不気味な趣がある場所だな」
「そうだねー」
「今まで気にもしなかったから、全く気付かなかったぜ」
「リー繰り返し同じこと言ってるぞ」
「あー背景みたいな?」
「うん、ここだけ時間が止まっていて変わらずこのままだったからね」
「ノア良く気付いたな、目敏いな」
「ニールから話が無ければ、ボクも気付かなかったよ」
「で、この物騒な空間に真っ向立ち向かう3人、準備できたか?」
サザンの号令に、ノアとスミスそしてオルムが頷いた。
「いつでもOKです」
「あー後衛の皆さんは、光魔法を込めた無音爆弾配りますね」
「ラグこんなに沢山用意したの?ありがとう大変だったでしょ?」
「トリルと一緒に俺達も何か出来る事無いかって考えて、そんで思いついたんだ。罠と爆弾は、俺の十八番だからな」
ワハハと大声で豪語するラグに通行人が、チラチラ驚きの目を向けたので、スミスが慌てて止めに入った。
「ラグ頼むから不穏な発言は、控えて」
「このまま投げつければいいのか?」
「ですね、諸悪の根源バカカーン兄弟は、3人にお任せして、俺たちは、引き寄せられた雑魚をこれで潰せばいいと思います」
街全体は、結界で守られているので外部からの干渉などほぼ無くここに在る悪意は、兄弟に引き寄せられ街の中から湧出たものと、馬鹿兄弟のものみだ。
「さて、じゃ~力押しでゴリゴリ片付けますか!」
「オウ!」
お付き合いくださりありがとう。
楽しんでいただければ幸いです。