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100 やらかし



心身共にスッキリ爽快な目覚めを体験した 休息日の朝。

朝は、苦手なのに こんな日稀だな初めてかも? だが、徐々に下半身から湿った不快感が…

最悪だ、この年でオネショとかありえん!一瞬そう焦って布団をめくり確認をしたら「あ 思春期の象徴 成長の証か」と呟き安堵した。


ディメーションの中で躰を清めた数十分後、とある考える人と同じポーズを取り考え込んだ。

誰がオカズだったのか?なんて、下らない理由なんだけど(アハハ)

うろ覚えの夢の内容を思い出そうと集中するが、これが おっぱいしか思い出せないんだよな(最低だなボク)

その時は、一瞬自責の念に駆られ目覚めた時と真逆 どんよりと気落ちしたが「誰だったのかなぁ」なんて 未練がましく呟いた自分に驚き呆れてしまう。

でも、自分がこんなに おっぱい好きだと気付かなかったよ。



そしてその日は、一日中大変だった。

初覚醒のせいなのか、やたらと反応して腰が引ける場面が幾度もあり、本当に恥ずかしかった。

今まで 性の対象として意識した事が無かった女性のおっぱいにまで、無意識に目が行ってしまい 彼女達に対し申し訳ない気持ちと罪悪感でいっぱいになったよ。

(そういう視線に晒される女性の気持ちも、よく理解しているからね)


反応するたび 斜め掛け鞄を前にずらし、さり気なく隠したけど不自然極まりないので、膝まですっぽり隠れるマントを買いました。

これなら ポーカーフェイスに努めれば何とかなりそうだ。

ただ、むっつりスケベっぽくて嫌だな…

こういう男には、なるまいと気を付けていたのに、自制心だけじゃどうしようも無い事に驚いたよ。



マントを買った時に思い出したので、ついでに武器屋にも寄って杖を買いミスドさんの店に顔を出すと「いらっしゃいませ」聞き慣れた声だが、いつもと違い落ち着きのある店員モードのスミスが出迎えた。


ボクに気付いたスミスは「お客様かと思ったら 何だノアか、マントなんか着てどうしたの?」

「何だとは、酷いな。これでも客だよ」マントは、イメチェンだと誤魔化し 杖と木刀を出してミスドさんに相談したい旨を告げた。


あの事をスミスにこっそり相談したかったが、今まで下ネタ的な話をした事無かったしな、何よりも気恥しい みんなどう対処してるんだろ。


少し待つと奥からミスドさんが現れ「こんにちは、ノア君 どういったご用件です?」と聞かれ、魔力を通すと先端に刃が出る仕組みにしたいというボクの希望を伝える。


木刀と付随する鞘を丹念に調べたミスドさんが「大丈夫でしょう。お任せください」と快く引き受けてくれたのでホッとした。


作業にかかる期間や料金の相談を済ませた後、スミスと少し雑談して店を後にした。


「ハァァ やっぱり話せなかった」


今日は、ディメーションに籠って 手に馴染んだ杖の刃を麻痺の短剣と交換する作業でもするか、そう思いそのまま溜まり場へ足を向ける。


夜間はまだ冷え込む事も多いが、日中は春めいていて暖かい。

道行く女性の服装も随分軽やかになって目の毒だ、部屋に籠るのが一番だな。



溜まり場でディメーションを開放、いそいそ庭へ出て行く従魔達と入れ替わりボクが中へ

そして ドライ ゼクス ツヴァイに昼食を催促されるまで、時間が経つのを忘れ没頭していた。

この分だと今日中に何とかなりそうだ。

残った依頼を少しでも早く捌きたいので 今回休息日は、一日だけだった。

もし明日までに間に合わなければ、ボクだけ手ぶらという状態だった。


やっぱり予備でもう一本準備しとくか、これから討伐対象も強くなってゆく事だし 戦いの最中壊れないとも限らないしな。

作業を再開する前にメモに走り書きをし、目に付く場所に置いた。

こうしとかないと、杖が出来て喜んだ途端 うっかり忘れかねないからね。


食後作業を再開「ノア そろそろ帰らないと、夕ご飯家で食べるんでしょ?」ドライの呼び声に気付き顔を上げると、空が赤く染まっていた。

続きは、家に戻ってからにしようと思い 急いでシャー達を呼ぶとゼクスとツヴァイ2匹が、このまま溜まり場で過ごすと言ったので、念の為3食 明日の昼の分までの肉を用意して家に帰った。



セルジュは今夜夕食の席にいない、だからと言ってシシリーの家でもない。

今朝 いつもなら行先を告げるのに今回に限り何も言わないで仕事に出かけた。

出掛ける前に「一週間程 留守にするから」としか言わなかった。


Ⅽランクの仕事ともなると、依頼主の意向で言えない事もあるのかな?なんて、勝手に納得しているけど ん~何か変。


あのさくら作戦から今日で三日、ミアもようやく落ち着きを取り戻したようだ。

ボクに対するトゲトゲしい態度は、いつもより2割増しだが まぁ想定内だ。

いつかきっとボクに感謝するよと、思うだけにしとこうなんて考えていたら、ミアが突然キッと睨んだ。


「何か 凄く 見下されたように感じたんだけど」


心臓が口から飛び出るくらいビックリしたけど「やだな何言ってんだよハハ。勝手な思い過ごしだろ」咄嗟に答えた(相変わらず勘が良いなオソロシイ)



食事の後 両親に断りを入れ早々部屋に戻り作業を再開。

何とか寝る時間までに作り終えた… アッ 予備の杖 あれ?何で、メモしたのに 何で?

窓の外を見ると、とっぷり日は暮れ「もう店締まってるよな」と呟き溜息をついた。


気付けば 初投稿から2年目に突入していました。

そして 今回100話目に


上手く言葉に出来ませんが、お付き合い下さり有難うございます。

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