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10 ギルド修練場 1

「ノア起きて!出かけるよ」


体を強く揺すられ、目が覚めるが呆ける。

すると、ミアが横から嬉々としてしゃしゃり出た。


「セルジュ兄様、そんな起こし方じゃ駄目よ」


ミアがそう言い捨てて、ボクの頭をぺしっと叩いた。


「痛い…酷いよミア」


寝惚け眼で訴えかけたが、ミアはニンマリと笑っている…悪魔だ。


「ノア そろそろギルドに行く時間だよ、準備できているの?」


セルジュに促され、ボクは気怠くソファーから立ち上がった。


「うん、このまま行くから…」


「あなた達、もたもたしないで行くわよ」


母様にまで追い立てられ慌ただしく家を出ると、広場に面したギルドの前には、数十人の子供とその親が集まっていた。


「あ!ノアーこっちこっち」


ラグの姿を見て嬉しくなり、さっきまでの態度から一変して駆け出す。

セルジュも同じ年頃のサザン、オルム、スターリーの3人と合流し、その隣にミアもちゃっかり張り付いている。


ギルドの中から、厳つい髭面のおじさんとローブを羽織った綺麗なお姉さんが現れ、髭面のおっさんが集まった人々に声を掛けた。


「ちゅうも~~~く!これから魔法と剣技の訓練を始める。まずは、同じ年齢のグループに分かれるように」


おじさんが野太い声を張り上げるも、ふざけ合う子供もいて中々纏まらない。


「そこ!ふざけない、ぐずぐずしなーーーい」


綺麗なお姉さんが能面の様な表情でビシッと注意をしたら、恐れをなした子供等が素早く移動し始めた。

綺麗な女の人の冷徹な視線って、怖さ増し増しなんだな…なんて下らないこと考えていた時、ふとある事に気付く。

アレ、これってもしかして…男目線の感情かな?そう考えた根拠は、三分の一しかいない女子集団が羨望の眼差しであの女性を見ていたからだ。

他の男の子達は、ボクと同じくビビっている…何か面白い!新鮮な驚きだ。


組み分けが進み、ボク達5歳児は5人 6歳4人 7歳も4人 8歳6人 9歳が一番多くて14人いた。


「5歳と6歳9人 7歳8歳10人 9歳の14人の、3つのグループに分けよう。まずは魔法の基本、魔力操作を学習する」


おじさんがテキパキ指示を出して、子供達がそれに従い3つに別れた。


「それでは、グループで固まりギルドの中の修練所へ行きましょう」


お姉さんが先頭に立ち、誘導した。

初めて入ったギルドの様子は、石造りでがっしりした建築物で、内装は岩壁がごつごつしていて、結構奥行きがある。

入り口から5m先の右側に、横幅10mのカウンター、その左脇に通路があり通路の左に大きな掲示板があった。


掲示板の正面入り口の左側には、長机や椅子が幾つも配置され、そこに屯していた冒険者数人が、冷やかし気味にこちらを眺めている。

子供達が委縮してしまいそうな雰囲気をわざわざ醸し出しているのは、感じ悪いな。

カウンター左脇の通路を奥まで進むと、広い土床の部屋へ辿り着いた。


「見学の保護者の方は、こちらの方へどうぞ」


部屋の入口左脇に奥まった場所があり、長椅子が設置してあった。


「私の名は、マリリンと言う。宜しく!これから魔力操作を教えます。魔力は多かれ少なかれ誰にでもあり、操作とは魔力を体の中で練り上げ自由自在に巡らせる事です。お臍の辺りが一番魔力が溜まりやすい場所になっているので、目を閉じてお臍に両手を添え精神統一してみましょう」


前置きなくいきなり始まり、皆緊張気味で戸惑いながらも言われた通り臍に手を翳した。

ボクは、まぁ~気軽にいつも通り…結果これが失敗だったんだよな。

目を閉じて集中していると、ボクの肩に手が触れた。


「えっと…君、名前は?」


「ノアです」


驚いて目を開けると、マリリン先生が中腰でボクの瞳を覗き込んでいた。

皆も目を開けて何事かとボクの方を見ている。

当然ミアも…。


「そう…ノア君。きみ魔力の流れが随分スムーズね!本当に初めてなの?」


「え…えっとその…何の事だか分かりません」


声小さい!上手い言い訳が思いつかない!


「ふ~ん、まぁいいわ。初めてにしては上手に出来ているわね、その調子で続けて」


訝し気なマリリン先生の表情と、ミアの懐疑的な目。 

動揺を悟られるな!ボクは努めて冷静に振舞おうとしていた。

周りの騒めいた様子に気付いたマリリン先生は、檄を飛ばす。


「あなた達!何しているの?目を閉じてお臍を意識して精神統一」


みんな慌てて神妙な顔つきで再開した。

それから30分程度経過した頃。


「はい、一旦休憩しましょう。何人かは魔力を感じたようね、魔力を感じた人は手を挙げて」


ボクを含めパラパラと19人手を挙げた。

これなら大丈夫、安心したよ目立たない。


「う~ん君と君と…君。あ!君もね」


マリリン先生は、19人の中から選別をして、その中から6人選んだ。


「君達13人は、残念だけど充分じゃないわ。15分休憩したら他の子等と一緒に魔力操作の訓練をもう一度やって頂戴」


「君達は、充分お臍の周りで魔力が練れているようです。休憩後 次の段階に入ります。正直驚いたわ、初めてなのに皆優秀ね!」


えぇっ!たった6人?しかも、5歳児が他にいねぇ~悪目立ちし過ぎだろこれ…。


「ノア凄い、良かったな!」


嬉しそうにラグがボクの肩を軽く小突く、苦笑して答えるしかないボク。


「うん、途中驚いたけどね」「魔力が多いからかな?」


セルジュと友達も輪に加わった、勿論ミアも隣にいる。

興味を持ったスターリーがボクに聞いてきた。


「へ~魔力が多いって、どれくらい?」「150くらい?」


ボクが、そう答えると笑われた。


「何で疑問形なんだよ!」


そういえば、スターリーも6人の中にいたな。


「スターリーさんも6人の中に残っていましたよね?よろしくお願いします。スターリーさんの魔力は、どのくらいなんですか?」


ボクも聞かれたので、遠慮なく質問してみた。


「お前セルジュの弟だろ?三つしか違わないんだから「さん」は、やめてくれよ。あ…スターもやめてね!リーで良いよ、俺もノアって呼んでいいよな。俺の魔力か、ん~5歳のノアが150なんだろ?だったら俺は、165だし大した事無いかな…」


「そんなこと無いよ、僕なんて30だよ…ミアは訓練どうだったの?」


セルジュは一瞬顔を顰めたが、笑顔に戻りミアを気遣う、どんな時でも妹の事を思い遣れるセルジュ、流石だ。


「お腹が温まる感覚があるけど…よく掴めないの。ノアはどうやってるの?」


「え?どうって言われても困るよ…」


「そうだよ教えろよノア、マリリン先生に真っ先に名指しされたんだ、羨ましいな。」


ラグ、そこ?何か違うよ…思わず笑ってしまった。

しかしミアの奴め…ボクは、目立ちたくないから名指しはやめてもらいたい。


「ん~お腹の中で渦を作る感じかなぁ?慣れるまで手でお臍の周りをクルクル優しく回してみたらどうかな…リーさんは、どう思います?」


すかさずリーに話の矛先を向けた。


「いいんじゃないかな?魔法ってイメージが大切だしね」


「優しくクルクルか、OKやってみるよ!ありがとなノア」


ラグが元気よく答える、ミアもクルクル~と呟いていた。


「そろそろ始めるわよ。二手に分かれて、はい集合!」


マリリン先生の声に急き立てられ、みんな慌ててそれぞれの場所に移動した。


「そっちのグループ、さっきと同じくお臍を意識して精神統一、始め!」


凄くザックリした説明、本当に大雑把だなと呆れていたその時。


あ!今になって閃いたよ…マリリン先生の問いの答えを 何で今頃になって。

ボクの頭の中は、四つん這い状態だ。


仕方ない まぁ~終わった事は、置いておこう…。

どうせ家に帰ったらミアが、何かしら文句付けるだろうし、その時にこれを使うか。


「ノアく~ん?君、真面目にやっている」


しまった!余計な事を考えて魔力操作を疎かにしていた。


「アハハ ちょっと難しくて…」


「えっ、本当?さっきは余裕が有りそうだったのに…」


しどろもどろ言い訳を試みるが、ジットリとした疑いの目を向けられ…。

もう一度頑張りますと、神妙な面持ちで答えるしかない アハハ。


「そうね、何度でも挑戦するしかないから頑張りなさい」


気持ちを切り替えてゆっくり息を吐き出し、精神を漲らせ準備を整える。

今度は派手に流さないように、魔力を抑えつつ再開だ。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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