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スモーキング・ライフ

作者: 宮沢しゅう

スモーキング・ライフ


ジジッと煙草を吸う音が誰もいない部屋に響く、それ以外に聞こえてくるのは換気扇と冷蔵庫の生活音だけだ。


「フゥー」


 口から煙草を離し、死んだ魚の様な目をした男から煙が吹かれる。煙は何の抵抗もなく換気扇の中に飲み込まれていった。そんな流される様に換気扇に消える煙は、男の生活を模しているみたいだ。煙の動きを男は興味をなさげに見つめる


 男は何を考えているのだろか、多分何も考えていないのだろう、此奴はそんな人間だ。煙の様に人に流され、否定せずに煙たがれ無い様に端に消える、そんな面白くない人間である

 そして、煙草を恋人にキスをするかのように近付け


「スー」


 煙を肺に入れる

 肺が満たされていき、口の中が少し苦くなる。この苦さも慣れてしまえば、無くてはならない物になる。そんなもんだろ? どんなに醜い者にも、長く接していたら愛着もわいてくるもんだ。


 そして再び煙りを吐く、灰が落ちそうになり、灰皿に落とす。

 ポトリと灰が無くなり煙草が短くなる。短くなって行く煙草は残り少ない時間を示す様に、端から煙りが上る。それもまた、換気扇に消えていく


 もう、吸えなくなるまで短くなった煙草は灰皿に無造作に入れられ、命を消した


 男にとっては吸い終わった煙草には何の興味もなく、価値の無いものだ。 そして、数秒後には今吸った煙草の事も忘れて部屋をでる。


 男の事も煙草の様に忘れ去られてしまうと言うのに

作者は煙草はやめられなくて困っています

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