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わからず屋のお母さん①

 私とお母さんは、二人暮らし。いわゆる母子家庭だ。

だからか知らないけど、お母さんは私に対して異様に口うるさい。いやでも、お母さんが口うるさいのは母子家庭に限った事じゃなくてどこのお家でもそうなのかも。

勉強し終わって休憩に携帯を触っていると、タイミング悪く見かけたお母さんから

「勉強しなさい」、ご飯を食べ終わって、少し携帯を触っていると、また「勉強しなさい」、

極めつけにお風呂から出て、寝る前にメールのチェックをしていると「早く寝なさい」、

お母さんは携帯に何か恨みでもあるのだろうかという程に、とっても口うるさい。私はお母さんのそんな所が嫌いだ。お母さんに唯一対抗できるお兄ちゃんは、残念ながら一人暮らし。

時々家に帰ってくるとき以外は頼れないのが少し残念。明日は月曜日で学校に行かないといけないけど、友達に会えるからプラマイゼロだ。少なくともお母さんよりは口うるさくないから。

「おはよー」

「おはよう、和花」

通学路の途中で毎朝待ち合わせしている莉子にいつものように愚痴を言う。莉子は話を聞いてくれるから好きだ。お母さんのように口うるさくもないし。

「和花は名前のわりに和かに過ごしてないよね」

「もう、やめてよ莉子。私にとっては笑い事じゃないんだよ?」

「あはは、和花は面白いね」

「もー、いいもん。」そう言って私は立ちこぎをして莉子をおいてけぼりにする。

でも、大抵学校の近くにあるやたら待ち時間の長い信号に捕まってしまい、結局莉子をおいてけぼりにした事は時々しかない。後ろから莉子が「待ってよー」と言いながら走って来て、はあはあと息をしながら私の横に並ぶ。

「ごめんごめん、つい。」莉子は笑いながら謝ってきた。

「むう、こっちは本気なんだからね!」

 自転車置き場に自転車を停めて、莉子と二人で教室に向かう。普段と何も代わり映えすることもなく、自分の席に座って、授業が始まるまで近くの友達と雑談をする。勉強はあんまり好きじゃないけど、授業に集中していると時間は早く過ぎるし、別のことを考えなくていいからそれほど悪くない。それに寝ていると心地が良い。

 今日の授業も終盤で、うつらうつらしていると前から宿題らしきプリントが回されてきた。先生の言葉に慌てて耳を傾ける。

「い...かー、お前ら。こ…来週…に提出だぞ。忘れ…留年だからな」

寝ぼけて回らない頭で頑張って聞き取ると、忘れたらまずいということだけは分かった。

こんなプリント一枚くらいどうってこと無いないだろうと思ってた…。


               つづく


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