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ランファン美術館へようこそ

 昔ほど窮屈ではなくなった世の中、でも選択肢がありすぎるから逆に窮屈に感じたりもする。それに、社会では学校じゃ教えてくれないことが多すぎて何をしたら良いのかわからなくなっちゃう。そんな迷える人生の旅人たちに、より良い人生へのヒントを与えてくれる、そんな美術館のお話をしよう。どんな旅人が来るのか私には分からないけどね。 この世の中、迷っていない人なんて居ないのだから。

 さて、そんな私がいるのはランファン美術館。外から見ると図書館のようにも、骨董屋さんにも見えるが、中身は美術館。このランファン美術館には色んな絵が飾ってある。美術館だから絵画が置いてあるのは当たり前じゃないかって?大丈夫、ご安心を。この美術館では他の美術館では見付からないものが見つかるのだから。

 ところでストーリーセラーのお前は一体誰なんだ、という声が聞こえてきそうだがまあ細かいことは良いではないか。ここでの主役は迷える旅人たちなのだから。

 ではこの辺りで私の助手を紹介しよう。彼女は迷える旅人たちをこの美術館まで案内してきてくれる、いわばナビゲーターだ。彼女は彼女でもあり、彼でもある。固定された性別というのは時として揉め事の火種になってしまうこともある。この美術館でも現代社会の多様性に合わせているのだ。基本的には彼女なのだがね。彼女の名前はルーチェ。普段は白いワンピースに赤いチェックの可愛いらしい上着を着ている。髪の毛は黒のセミロングで、薄い桃色の眼鏡をかけている。彼女がどうして私の助手になったのかはまた別の機会に。ともあれ、私と彼女の2人でこの美術館をしている。あと、沢山の絵画たちも。

「館長~、自己紹介してくださるのは嬉しいのですが、ルーチェはそろそろ旅人たちを探しに参らなければいけないのですが…。」

「おっと、すまない。年をとると話が長くなるのはセオリーでな。」

「もう、お願いしますよ?まだまだ世の中には迷子の人たちが多いんですから。それに、手遅れになっても嫌ですし。」

「すまん、すまん。それじゃあ今日も宜しく頼むぞ。道に迷った迷子ちゃんが泣き出す前にな。」

「はーい。では館長、行ってまいります。」

そう言って、案内人のルーチェは軽やかに扉をくぐっていった。

 話が長くなってしまったが、そろそろ人生の迷子ちゃんたちを探しに行かなければいけないのでな。ルーチェは人一倍優しい子で、人助けのことになると時々口うるさいのだ。

ではそこの迷子の諸君。ルーチェの案内が来るのを待っていておくれ。

つづく


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