エプロンとアイロン
これは、娘の担任が新卒新規採用の先生だった時の話。
給食当番に当たると、学校のエプロンを着て盛り付けや配膳を行う。1週間ずつ当番が回っていき、週末に子どもたちは、自分が使ったエプロンを持ち帰る。
洗濯してアイロンをかけ、月曜日に学校に持っていく。これが通常の流れ。
しかし、何を思ったのか、この先生は「5週間連続で給食当番をする」という謎のルールを作った。
アイロンをかけることって面倒だ。
アイロン台とアイロンを出して水を入れるという準備もある。
更にエプロンの形が、ダボッとしたブラウスの襟のないようなタイプなので、アイロンがかけにくい。
これを5週間連続でしなければならないのかと思うとうんざりした。
これが、年に何回か回ってくるのだ。
この年の社会見学があった日、娘が
「先生のお弁当はお母さんが作ったんだって」
という情報をもって帰ってきた。
あぁ、そうだろうな。きっと家で、ご飯も洗濯もアイロンもお母さんがしてくれるのだろう。
自分がしないから、アイロンをかける大変さがわからないのだろう、と納得。
これにはビックリしたけど、他は一生懸命してくれる先生だった。
修了式の日には、クラス全員に手紙を書いてきてくれたらしい。
次の年から、この謎のルールを止めたことを願うばかりである。