表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

大人気バーチャル美少女配信者を殴り、「生きててごめんなさい」と言わせてお金を貰う仕事が楽しい。ドル箱のオタク共、ありがとうな。お前のスパチャ、全部俺のものだから。

作者: 黒髪

「奈落の底から今日もリア充共を呪ってます。はぁーい、どうも、皆さん、こんばんのろうぅー。自分より可愛い女の子は全員消えろと思っている、奈落ちゃんですぅー」


 スマホの画面に映るのは、一人の二次元少女の姿。

 色白で黒紫色のエプロン。笑うと可愛らしい八重歯が見える。

 肩まで伸びる銀髪が特徴的で、頭には二つの角がある。

 彼女の設定は、奈落の底から生まれし悪魔なのだと。


 スマホの右側にある、チャット欄が勢いよく動き始める。

 それもそのはず。

 奈落ちゃんは、現在人気沸騰中のバーチャル動画配信者の一人なのだ。


『奈落ちゃん、こんばんのろうぅー』

『てら……マジで今日もリア充共をぶっ殺すですー』

『ぶひひひ……彼女持ちの奴らは奈落ちゃんの良さが分からない。マジで人生損してると思うわぁー』

『おい、ゴミキモオタ共、奈落ちゃんは彼氏持ちだぞwww』

『【悲報】有名配信者さん無事に逮捕』


「えっっーとねぇー、今日はお便りを読みたいと思います。お便りの主は、『生まれ変わるなら奈落ちゃんの卵子になりたい』さんからですー。うーん、流石にちょっとキモい……」


『きもい……もっと言って』

『射精しました。ありがとうございます』

『もっと言ってくださいぶひー。もっとぶひらせろ』


「僕は公立高校に通う普通の男子高校生です。以前から気になっていた女の子に告白しました。すると、相手から「ごめん……生理的に無理」だと言われました。もう吐瀉物を見たかのような目でした。失敗したなーと思う気持ちがある反面、生理的に無理だと言われて、興奮してる自分がいます。僕はドMでしょうか? 奈落ちゃん教えてください!!」


『告白頑張ったんだな!! おじさんは応援するぞ』

『お前が抜け駆けするから、振られるんだよ、ばぁーか』

『告白するって時点でダメ。俺、普通に女子生徒から毎月のように告られるよ? 本当ブサメンってかわいそうだなぁー』


 奈落ちゃんの放送は、老若男女問わず誰もが見る。

 と言っても、人生を捨てたというのが条件付きだが。

 チャット欄を一目見るだけで分かる地獄絵図。


『スパチャ読めよ!! こっちは20万も払ってんだぞぉ!』

『20万払うとか普通だろ。俺は今月100万払ったし』

『あのぉー、僕の学校バイト禁止なのですが……奈落ちゃんのために親の財布から金をくすめてスパチャしてます』


「もうぉー。みんな喧嘩しないのぉー。ダメでしょー? 喧嘩はダメって一番最初の放送で約束したでしょー?」


 幼稚園の先生みたいな口調で怒る奈落ちゃんの声を聞き。


『奈落まま……』

『ばぶぅー。今日もママのおかげで生きていける』

『ママの同人誌って発売まだですかー?』


 紆余曲折ありながらもLIVE放送が無事に終了。

 今日の放送だけで、キモオタ信者が寄付した金額——。


 なんと、1000万円!?


 一流企業に就職した人が十年間働いてやっと手に入るとか、昔読んだギャンブル漫画に書いてたっけ。


 そう思いながら、俺は完全防音室のドアを開く。


 扉の向こう側は相変わらず真っ暗だった。

 そんな中、パソコン画面の光を浴びる人の影がある。

 病的なまでに痩せ細った体躯の少女は小さな声で言った。


「キモオタって、どいつもこいつもブヒブヒ言ってさー。毎日数時間単位で配信してるのに、ずぅーと見てるし。こいつらって、そんなに暇なわけ? お金を稼ぐわけでもないのに、ただぼぉーとスマホを見て時間を過ごしてるのよ。本当、生きてる価値がないと思わない? あっははは」


「お前の商売相手は、アイツらだぞ。それ分かってんのか?」


 少女——鳥城彩花(トリシロアヤカ)はクスッと笑う。


「何を言ってるの? アイツらはただのドル箱よ。適当に卑猥な言葉とか、甘えた声を出すだけでブヒブヒ言ってくれるから楽なのよねー。ただの商売道具に過ぎないわ」


 鳥城彩花は、奈落ちゃんの正体である。

 年齢は二十代前半と若く、現在は一流大学に通う女子大生。

 二年連続でミスキャンパスに選ばれ、男女共の憧れの対象だ。


 えっ? で、お前は誰だって?


 あー仕方ないなぁー。答えてやるよ。


 奈落ちゃんのプロデュース兼、彼氏みたいな感じ?


 学歴は高校中退。理由はクラスメイトを孕ませたから。

 根っからの悪い奴だ。誰もが近寄らないようなさ。


 あー今思い出しても最高だったぜ。俺をイジメるヤンキー女を、可愛がってやるのわさー。普段は声がデカいくせに、ヤってるときは涙を流して喘ぐんだぜ。本当にそそるよな。


 って、こんな話は誰も聞きたくないって。分かったよ。


「それで、お前はどうして俺の服を勝手に着てるんだ?」


 昨日洗濯カゴに入れたはずの、無地のTシャツ。


 汗臭いはずなのに、彩花は俺の服を勝手に拝借し、我が物顔

で着てやがる。臭いものが好きなら、俺の排泄物でも食わせてやるか。喜んで食うはずだぜ。この女ならな。


「だってだって……」

「だっては一回でいい。お仕置きが欲しいのか?」

「お……お仕置きっ!?」


 手をパタパタと振りながらも、彩花の口はぐへへとだらしなくよだれを垂らしている。餌の前で立ちつくす犬だな。


「それよりも、さっさと今月分を渡せよ」


「ううっ……そ、その前に頭を撫でて欲しい」


「嫌だと言ったら?」


「今月分は渡しません」


 そう言って、彩花は手元に持つ封筒を後ろに隠した。

 調子に乗ってんな、この女。俺の言うことだけを聞いてればいいものを。妙なところで知恵をつけやがって。


「おい、お前さー。勘違いしてるだろ? さっさと金を渡せ」


「今日という今日は渡しません。頭撫でてくれるまで」


 やっぱり調子に乗ってやがる。


 こんな女は、痛い目を見ないとダメだな。


 ——バチン——


 部屋の中を鈍い音が響いた。


 女を殴るのに躊躇う必要はない。


 金が成る木を、揺らすのと同じことさ。温泉が湧きますと言われたら、誰だって地面を掘るだろ? 


 暴力に身を任せ、泣きじゃくる女から金を巻き上げるだけ。


 キモオタ共が必死に働き、奈落ちゃんへ貢いだお金。


 それは全て、俺のお金になるってわけだ。


 本当楽な仕事だよ。


 世の中は搾取する側と搾取される側がいるんだ。


 で、キモオタ共は、敗北者ってわけだよ。最高に面白い話さ。自分たちが大好きな教祖様が、実は——高校中退で、暴力が大好きな俺に調教されてるって知ったら、どんな顔するのかなー。


 マジで考えただけで笑みが溢れちまうよ、傑作だな。


「……ごめんなさい……も、もうやめてっ!」


 女の扱いは楽だ。一度殴れば勝手に懐く。

 懐かないなら、もう一発殴ってやればいい。


 えっ? それでも懐かないなら?


 懐くまで、殴ってあげるだけさ。


 服従した方が楽だよって教えてあげればいい。


「ごめんね。俺だってさ、こんなことしたくないんだよ?」


 今月分の給料は、2000万か。流石は大人気動画配信者様だ。


「ごめんなさい……ごめんなさい……」


 涙を流して謝る姿は、可愛いもんだ。ボロボロと泣きじゃくる姿は、額縁に入れて家宝にしたいもんだ。さっきまでの高飛車ぶりはどうかな


 ただ、今回は反抗があったから、少し厳しめにするか。


「あのさー、お前、生きてる価値ないよ?」


「えっ……? 私……い、生きてる価値ないの?」


「お前は、キモオタの性的対象だ。一生お前は、キモオタたちの性の捌け口なんだ。何度、お前はアイツらの妄想内で犯されただろうなー」


「わ、私は……性のは、捌け口……?」


「そうだ。お前さ、自分が人気だと勘違いしてるだろ? アレ、全部……あわよくば、お前とヤりたいと思ってるクズどもだぞ。毎日数万人集めてるが、全員そうだ」


「うそよ、わ、私のトークが面白いから。私の日常を、みんな待ってる。だ、だから、アレは全て……わ、私の実力っ!」


「実力笑わせんな。アレ、八割型、サクラだぞ?」


「えっ……? ウソだ、そんなはずがない」


「業者に頼んでんだよ。お前の人気はその程度だ」


「うそ……うそよっ! そんなはずは……」


 自尊心を叩き割る。

 そして、弱った女を抱きしめて、優しい言葉をかけてやる。


「はい。生きててごめんなさいって言ってみて」


「生きてて、ご、……ごめんなさい」


「感情が篭ってない。お前、生きてる価値ないんだよ」


「い、生きててご、ごめんなさい」


 ——バチン——


「おいっ!? 本気でやれよ。遊びじゃねぇーんだよ」


「は、はいっ!? が、頑張りますっ!」


「頑張るって言うなら、最初からやれよ。ゴミが」


「はいっ! ご、ごめんなさい……い、生きててご、ごめんなさい……わ、私はウジ虫です。生きてる価値がないゴミです。プロデューサーさんが居ないと、何もできない。ゴミです」


 最高だね。涙を流す女の子は可愛い。

 ギュッと介抱したくなるよ、全く。


「ごめんね、彩花。ちょっと言い過ぎたよ。俺はさ、彩花が一番だと思ってるんだ。一番の人気配信者になれるって」


「ほ、本当……? 本当に思ってくれてるの?」


「あぁー本当だよ。俺は嘘は付かない。絶対に彩花が一番稼げる。現在は、バーチャル配信者だけど。もう少ししたら、顔出し配信もしようね?」


「か、顔出し……は、配信? そ、そんなのこ、怖いよ」


「大丈夫だよ。彩花は可愛いから。俺もプロデュースつづきで、色々と困ってるんだ。彩花は世界で一番だよ」


「うう……世界で一番と思うなら……わ、私を抱いて」


「彩花は欲張りだなぁー。昨日の夜もヤッテあげたでしょ?」


「全然物足りないんだもん。だ、だからもう一回するの」


「分かったよ。でも、もうワガママはしないと約束できる?」


「できる……抱いてくれたら……ワガママ言わない」


 俺は彩花の頭を優しく撫でて。


「ありがとう、彩花。それならベッドに行こっか?」


***



「プロデューサーさんのこと、好きっ!? 大好きっ!?」


 よだれを垂らして、彩花は僕をギュッと抱きしめてくる。

 俗に言うところの、しゅきしゅき大好きホールドって奴。

 どこでこんな技を身につけたのだろうか? エロ過ぎだ。


「俺も彩花のことが好きだよ。だから一緒に幸せになろう」


 ——チュ——


 お姫様に口づけを交わすように、俺は永遠のキスをした。

 絶対にお前を離さないと言う証拠に。

 と言っても、俺は彩花ではなく、若い身体とお金が目当てだがな。


「うんっ!? し、幸せになりゅ。なりましゅ、一緒に幸せぇになりゅの。プロデューサーさんと一緒に、幸せにぃぃぃ!」


***


「彩花……って、もう寝ちゃったか? ゆっくりおやすみ。俺のドル箱。もっともっと俺のために金を稼いでくれ」


 何も知らずにグッスリ眠る彩花の頭を撫でて。


「彩花……俺はお前が大好きだ。俺を本気で落としたいなら、もっともっとお金を稼いで、俺に貢げ。分かったな?」


 返事はないものの、寝たフリしてたのは分かる。


 狸寝入りができるようになったとは……。


 彩花の奴も少しずつ知恵を付けてきたな。


 部屋を出た後、俺は一件の電話を掛ける。

 場所は——某有名AVプロダクション。


「奈落ちゃんのマネージャーです。はい、その……奈落ちゃんの中の人をですね。是非とも、AV出演させたいなと。お金? あーはい。それはもう30億ぐらい出してもらわないと。ちなみに、ミスコン出場者で、はい……分かりました。50億で」


 ニタァと笑みを浮かべて、俺は彩花の元へ戻った。


「お前は一生、俺の奴隷だ。キモオタ共から金を荒稼ぎして、俺に回してくれよ。俺の、俺だけの……ドル箱ちゃん」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ