表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハウスリップ  作者: ひょうたんふくろう
ハウスリップ
59/99

59 ドライブ、そして。


「ガソリン……やっぱ元に戻っているな」


 森を抜けて二日目。朝の一番に車のメータを確認したイズミは、昨日の夕方につけておいた印の所よりもズレている針を見て、ホッと一息をついた。


 予想通りガソリンもまた消耗品扱いになっているらしく、この世界に呼び出されたときと同じ状態のそれまで回復している。満タンでこそないものの、給油は呼び出される少し前にしたばかりだったから、日中ずっと走らせていても大丈夫のはずだ。一日の終わりにこうしてしっかり補給(?)されるのであれば、全くもって問題ない。


 ついでとばかりに、昨日凹んだバンパーもすっかり元通りになっている。手入れや掃除をしなくて楽でいい──と気分を良くしたイズミは、そのままバタンと扉を閉めた。


「どうでした、イズミさん?」


「おう、この分なら問題ない。こいつもやっぱり、半永久的に使えそうだ」


「それはよかったです……では今日も」


「ああ、みんなでドライブとしゃれこむか」


 洗濯ものを干しているミルカと今日の予定を語り合い、そしてイズミは思案する。


 昨日は夕方くらいまで、車で距離を進めることが出来た。さすがに何時間もドライブするのはイズミの肉体的にもテオの精神的にもきつかったため、途中で何度か休憩を入れたものの、それでも歩くよりかは断然効率的だったと言えるだろう。


 幸いなことに、昨日は魔物との遭遇はなく、そして車で走行不可能な所にも見舞われなかった。今日もそうだとは限らないが、どのみち時間だけはたっぷりある。魔物が見えたのなら迂回するか車から降りて戦えばいいし、走行不可能な所は徒歩でやり過ごし、通り過ぎてから改めて車を家ごと呼べばいい。やりようなんていくらでもある。


 それより問題なのは。


「なぁ、ミルカさん……」


「はいはい、なんでしょう?」


「やっぱ、街に近づけば近づくほど、人目は多くなるよな?」


「……ですねえ」


 イズミ達が今一番気にしているのは、他の人間たちの存在だ。それがあるからわざわざ街道から外れた森側を進んでいるわけなのだが、当然街に近づけばそのメリットも無くなってくる。


「街の付近は比較的安全ですからね。狩りや薬草類の採取に赴く人たちはそれなりにいますし、魔物たちも危険な街側まで出張ってくることは比較的少ないです。数は少ないですが、森小屋や共通の野営地など……人のための施設もありますよ」


「となるとやっぱり、何処までコイツで近づけるか……だよなあ」


「うーん……これが通れるほど開けた場所では目立ちますし、かといって森の方で身を潜める場合はこれは使えない……」


「ついでに、家を隠す場所も欲しいんだよな。まさか街の前に堂々と建てるわけにもいかないし。理想を言うなら、街のすぐ近くで誰も近寄らない森みたいなのがあればいいんだが」


「さすがにないですねえ……」


「いっそのこと、開き直ってそのまま進みたい気分だぜ……!」


 結局のところ、悪目立ちしすぎるというのが問題なのである。自動車もこの家も、この世界にはあまりにも異質でどうしたって目を引いてしまう。さすがによその国の意匠です……という言い訳が通じるとは思えず、そうなると無駄な騒ぎを起こす原因にもなりかねない。


「言い方は悪いですが、田舎や辺境の村の人間ならいくらでも誤魔化しは利きますよ。彼らは村の中だけしか世界を知らないので、都や城下町ではこんなの普通だって言えば、驚きながらも納得してくれます」


「……これから行く、奥様の街は?」


「……思いっきり都会の部類に入りますね」


「だよな」


 とはいえ、悩んでいてもやること自体は変わらない。本当に最悪の場合であったとしても、家さえあればなんとでもなるのだから。


「気楽にいくか。それこそ俺達なら、誰も知らない場所で自由気ままに生きることだってできるんだから」


「ええ……その通りですとも」



▲▽▲▽▲▽▲▽



 そうして、朝食後。昨日と同じく車に乗り込んだイズミ達は、何処までも広がるのどかな光景の中、ゆったりとドライブしていた。


 暑くも寒くもないなんとも心地の良い気候。全開にした窓から入ってくる風が気持ちよく、ミルカや奥様の髪をふわりとさらって吹き抜けていく。


「いーい天気だなぁ、おい……」


 片手でハンドルを握り、片手は窓の外に出して。外の景色を存分に楽しみつつ、イズミはのんびりと呟く。


「全くだ……これだけ速いのに揺れずに、尻も痛くならない。魔物に襲われずに旅ができるなんて、この世の誰もが羨むぞ」


 助手席に座ったペトラが遠くを見渡しながら、少しばかり眠そうに応える。最初こそ緊張して臨んでいた彼女も、こうも順調に進んでいるために気が抜けてきたらしい。


「順調すぎて、むしろ魔物なんていないんじゃないかとさえ思えてきたんだが」


「いや、数は少ないがチラホラいたぞ。ただ、私たちが近づく前に逃げているだけだ」


「あ、そう……」


 冷静に考えずとも、エンジン音を轟かせながら鉄の塊が迫ってきていれば、勘の鋭い生物は危機を感じて逃げることだろう。それがこの世界には未だ存在するはずのない、異質過ぎるものであるならばなおさらの話だ。


「よっぽど凶暴で攻撃的な奴でもない限り、動いているこいつに近づこうとはしないはずさ」


「でもって、そんなよっぽどヤバい奴はこんな街道近くに現れるわけがない……と」


「ああ。どこかの洞窟や山の上……あとは危険区域に認定されている場所とか、そういう所だな。いずれ、普通の人間が訪れるような場所じゃない」


 車を走らせて早二時間。旅は順調すぎるほど順調だ。どこまでも高く青い空には雲一つなく、まさにドライブ日和と言っていい。ガソリンの心配も事実上しなくていいとなれば、むしろ他に何を憂えばいいのかと逆に疑問に思うほどである。


「だう! だーう!」


「もう、テオったらこんなにはしゃいじゃって……そんなに自動車、気に入ったのかしら?」


「う! だー!」


「はっはっは! 男の子ならだいたいぶーぶーは好きなもんだよ。俺の世界じゃ、子供のおもちゃとして小さな車の模型が人気だったんだぜ」


「へえ……そんなのがあるんですね」


 奥様の膝の上のテオもまた、ご機嫌でぱたぱたと手足を動かしている。顔にはいつも通りの満面の笑みが広がっていて、二時間もずっと座っているというのに飽きた様子も、ぐずる様子も見せていない。


「ナビが無いのが玉に瑕だが……もう山がずいぶん近くに見えてきている。これなら夕方までには麓の方にいけるんじゃないか?」


「さすがにウソだろ……と言いたいが、本当に行きそうな感じがするな……。正味二日で、行程の半分くらい進む計算か」


 さすがに山が近づいたらここまでの速さは出せないだろうな──と、イズミが答えようとして。


 ──……ぁぁ……ぁぁ!


「……っ!?」


「あ……!?」


 唐突に、それはやってきた。


「なぁ、おい!」


「ああ、聞こえた!」


 風が運んできた、小さく……しかし、間違いなく人の声。


 もっと正確に言うならば、女の悲鳴。この何もない平原でなければ……叫んだのが女性特有の高音でなければ、気づけなかったほどのかすかな声。


 しかし、イズミは気づいてしまった。イズミも奥様もペトラもミルカも、みんな気づいてしまった。


 そして、気づいてしまったからには──


「い……イズミ様!」


「わかってる、とりあえず全力で走らせる!」


「きゃーっ! きゃーっ!」


 奥様から声を掛けられるのとほぼ同時に、イズミはハンドルを切ってアクセルを今出せる限界まで踏み込んだ。途端にそれなりの慣性がイズミ達の体をシートへと押し付け、車内にさきほどまでとはがらりと変わった緊張感が満ちる。


 ちらりと見えたバックミラー。安心したように息をつく奥様の姿に、イズミは何となく嬉しい気持ちになった。


「くそ……どっちだ!? 結構遠くからって感じだったぞ!」


「おそらく右前方だ! そのまま進めば街道に突き当たるから……いた!」


「あれか!」


 丘を乗り越えた先。少し低く窪地のようになったところで馬車が横転していた。周りに積み荷が散乱しているところを見るに、結構な勢いのまま転げたのだろう。かろうじて息をしている……動いている馬のその足は、眼を背けたくなるほど変な方向に曲がってしまっている。


 そして、それ以上に。


「なんだあのちっさいサルと豚を足して二で割ったような小汚いおっさんは!?」


「ゴブリンの一種だ! 単体ならそこまで強くないが、数が揃うと厄介だぞ!」


 こん棒で武装した、妙に筋肉質な小汚い小さいおっさん──そんな感じの化け物が、都合七匹ほどでその横転した馬車を囲んでいる。知性の欠片があるようにはとても見えず、そのくせ下卑た底意地の悪そうな笑みだけは人間以上という醜悪な様子がなんとも悍ましい。


 そんなゴブリンたちに囲まれて、イズミと同じかそれよりちょっと下くらいの女性が悲鳴を上げて震えていた。どうやら腰が抜けているらしい。その上さらにまずいことに、彼女の後ろ──横転した馬車のその下に、血だらけの男が倒れている。


 夫婦か、恋人か、はたまたただの連れ合いか。いずれにせよ、男はその場から動けず、女の方にこの場から切り抜けられる力量があるとも思えない。このままなら、そう遠くないうちに二人とも仲良く魔物の餌食になるだろう。


 ──もちろん、そんなグロテスクやスプラッタを楽しむ嗜好をイズミは持ち合わせていない。


「ミルカさんと奥様は目ぇつぶってろ! でもって舌噛まないように!」


「イズミ殿!」


「ああ! このまま突っ込むぞッ!」


 アクセルを全開に踏み込んで、イズミはその坂道を降りていく。その眼が捉えるのは、ようやっとこちらに気づいて硬直したゴブリンたち。


 まさか、意図的にこんなことをすることになるだなんて、誰が思ったことだろう。まさか、避けるためではなく捉えるためにハンドルを切ることになるだなんて、誰が思ったことだろう。


 目の前に──車線上にいるのは、四匹。そいつらの顔をしっかり見据えて、イズミは叫んだ。


「往生せいやぁぁぁッ!!」


 ──バン!

 ──ぶち。

 ──ぶち。

 ──ドン!


「ひっ!?」


 ミルカが漏らした悲鳴。一瞬ハンドルが制御不能になって、そして何かぐにゃりとしたものに乗り上げた感覚がハンドル越しに伝わってくる。


 悲鳴は、聞こえなかった。当たり所がよかったのか、フロントガラスも汚れていない。


 ただし、気のせいで片づけるには少々無理があるほどのその特有の衝撃が、確かに車体に伝わった。


「二匹吹っ飛んだ! もう動けないはずだ!」


「残りの三匹は!?」


「二匹が後ろ(ケツ)を取ったぞ! 」


「上等ッ!!」


 シフトレバーをRに入れて。そしてイズミは再びアクセルを思いっきり踏み込んだ。


 ──ごとん、がたんの二回ほど車体が揺れる。


 バックミラー越しに、驚愕で引きつった顔のそいつらと目が合った。


 ──ギャアアアアア!!?


「ひっ……!?」


 物理的な距離が近いから、直接的にその感触が伝わってきてしまったらしい。奥様が思わずといった風に悲鳴を漏らす。ぎゃるるるる、と何かが絡まったように後部車輪から異音が聞こえており、その生々しい機械音に混じってかすかな悲鳴も聞こえていた。


 まさか、あの鉄の塊が戻ってくるだなんて夢にも思わなかったのだろう。どうやらそいつらは逃げることも抵抗することも無く、それの直撃を食らってしまったようであった。


「ちくしょう、なんか挟まってる! 動かねえ!」


 二匹撥ねて、二匹轢いて、二匹バックで潰して。


 ゴブリンは全部で七匹いた。合計六匹では計算が合わない。あと一匹どこかにいるはずだが、しかしその最後の一匹が見当たらない。


「ペトラさん、こうなりゃ直接ぶちのめすぞッ!」


「いや……もう、終わりだ」


 冷静に状況を確認していたペトラが、言い聞かせるように答えた。


「最後の一匹は、もうとっくに逃げてどこかへ行ってしまったよ。あいつが一番、賢かったな」



▲▽▲▽▲▽▲▽



「さて……」


 周りに残党がいないことをしっかり確認してから、イズミたちは車から降りた。辺りには未だに生々しい血と獣臭さが入り混じった匂いがしていてたいそう不快だが、この際そうも言ってられない。


 イズミの前方、わずか数メートルの距離に横転した馬車と、その持ち主であろう彼らがいる。若い女の方は呆然としてへたり込んで震えており、血だらけの男は未だに下半身が馬車の下敷きとなったままだ。


「あんた、ケガはないか?」


「え……あ……」


「気持ちはわかるが、まずは落ち着いてくれ。でもって、協力してそっちの人を引っ張り出すぞ」


「あ……! そうだ、アルベールっ!」


 イズミの言葉にはっと正気に戻った彼女は、泣き叫びそうになりながら倒れている男──アルベールと言うらしい──に声をかけた。


「うう……ニーナ……?」


「ああ! アルベール! おねがい、しっかりして!」


 朦朧としながらも、アルベールの方に意識はあった。まだ状況の把握こそできていないようだが、ひとまず最悪の事態だけは避けられたらしい。


 とはいえ、それはあくまで現時点の話である。このまま放っておけばどうなるかだなんて三歳児でもわかることだ。


「よぉ、意識はあるようだな……今から何とかそこから引っ張り出してやるから、気を確かに。……あんた、俺とペトラさんが何とかこの馬車を持ち上げてみるから、その隙に上手い具合に引っ張り出してくれ」


 返事は待たずに、イズミはペトラに視線で合図を送る。ペトラは奥様にちらりとアイコンタクトを取り、そして馬車を持ち上げるべくそいつに手をかけた。


「行くぞ……ッ!」


「おう……ッ!」


 ふん、とイズミとペトラで渾身の力で馬車を持ち上げる。ぎぎぎ、と何やらあまり聞きたくない音がひしゃげた車体から聞こえてきた。その隙にニーナと呼ばれた若い女がアルベールを引っ張り出そうとする……も、何かが引っ掛かっているのか、上手く引っ張り出すことが出来ない。


「どうだ……!?」


「だ、ダメです……! なにか、何かが挟まっているの……!?」


「ぐ……あああ……ッ!」


「アルベール!?」


 アルベールが悲鳴を上げた。ニーナが溜まらずといったように手を止める。どうやら、無理やり引っ張ったことにより何かが──アルベールの体のどこかに思わしくない負荷がかかってしまったらしい。


「ちくしょう……ッ! どうする、別の方法を考えるか!?」


「む……ッ! だが、それだと時間がかかりすぎるぞ……!」


 機材も何もなしに、この倒れた馬車を除けられる保証はない。いや、やってできないことはないのだろうが、どれほど時間がかかるかはわからない。そして今この瞬間に限って言えば、時間をかけられるはずも無かった。


「……いえ、このままやってしまいましょう。見たところ、折れた足がひっかかっているだけのようです」


 ニーナの傍らにしゃがみ込み、車体の下を覗き込んだミルカが言った。どうやら、挟まっていると言ってもそこまでしっかり固定されているわけではないらしく、どちらかと言えば少し引っ掛かっているだけ……それが折れた足だというのは不運極まりないが、ともかくそこまで絶望的な状況ではないらしい。


「二人掛かりで引っ張り出せば、なんとかなるでしょう。イズミさんとペトラは、もう少しだけそのままで……ええと、アルベールさん。耳だけお貸しください」


 ミルカは、ポケットから紺のハンカチを取り出した。


「今からあなたを、私とこちらの方で一気に引き抜きます。力づくで引っ張り出すので……折れた足が引っ掛かっている部分を無理やり引っ張って外すので、めちゃくちゃに痛いと思います。だから」


 ──だから、痛みで舌をかまないように、これを口に入れてください。


 そこまで言わなくとも、差し出されたハンカチの意味を彼は理解したのだろう。あるいは、もうそうするしか方法はないと本能で理解したのかもしれない。


 彼は痛みで顔を引きつらせながらも、弱弱しく言葉を紡いだ。


「おねがい、します……!」


「ええ。必ず助けます」


 ミルカがハンカチを口にねじ込んだ。それを見届けて、イズミは腹の底から声を出した。


「行くぞぉぉぉぉぁぁぁぁぁ!」


「おおおおおッッ!!」


 裂帛の気合。最後のひと踏ん張りとばかりに、イズミとペトラが全力を振り絞る。先ほどよりもほんのわずかに……しかし確実にそれが浮き上がり、そして。


「えいっ!」


「くぅっ!」


「ッッッ!!!」


 ミルカとニーナが、負けじとばかりにアルベールを引っ張り出す。変な方向に曲がった血だらけの足が、陽光の下に晒された。悲鳴にならないくぐもった大絶叫は、ばすんと車体が落ちる音にかき消されて、そして後には何も残らない。


「アルベール! アルベール!」


「大丈夫、私に任せて……!」


 すぐさま、奥様がアルベールの傍らに歩み寄り、癒しの魔法を使う体勢に入った。奥様の体から溢れる暖かな光と柔らかい風のようなものが彼の負傷した足を優しく包み、そしてみるみる傷を癒していく。よくよく目を凝らすと、それは透明な水のように患部を──いいや、対象者全体を包んでいることが、魔力に疎いイズミにさえもわかった。


「ふう……ひとまず、なんとかなりそうだな」


「ああ。奥様の癒しの魔法は他に二人といないほどの腕前だ。この程度の傷なら、すぐに歩けるくらいはできるようになる」


「そいつぁすごいな……俺、なんだかんだで目にわかるほどの傷が癒されるのを見るのは初めてなんだよな」


 これで、アルベールの方は何とかなるだろう。足の負傷はばっちり奥様が治してくれるし、先ほどまでは脂汗ばかりで真っ青になっていた顔にも、今はずいぶんと血色が戻ってきている。ニーナの方は見たところ軽い擦り傷や切り傷しかないため、こちらもまた奥様の力を使えばあっという間に元通りだ。


 問題があるとすれば。


「……この馬車、もう使い物にはならないよな」


「……だな。馬ももう、息絶えている。馬車だけあってもどうにもならん」


「……どうしよう?」


「……どうしよっか?」


 動かない馬車。戦う力のない若い女に、重傷を負ったばかりで武器もない若い男。


 せっかく助けた二人を置き去りにして先に進むなんてことが、イズミたちにはできるはずがなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ゴブリンとの戦闘(?)に勝利 ですよね なんにせよ旦那さん助かって良かった [気になる点] 車 このまま動かない? 壊れた? [一言] ゴブリンって食えるのかな この世界w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ