ファミリア誕生
「時間がかかってしまいましたが、ファミリア登録の手続きを始めましょう」
お姉さんが説明を始める。
「まずは、ファミリアを作るにあたって戦闘ファミリアか生産ファミリア、どちらにしますか?」
「えっと、その二つの違いって何ですか」
ソラが質問する。
「そうですね、簡単に言うと戦闘ファミリアは国内のおたずね者を捕まえたり、国同士の戦争に参加したり、バケモノを討伐するといったことを行います」
国の外にはケモノと呼ばれる生き物がいる。普段はおとなしいのだが、まれに強暴になることがある。その強暴化したケモノはバケモノと呼称されている。バケモノは人を襲い、国に害を与えるため討伐対象とされている。
お姉さんはさらに続ける。
「生産ファミリアは国内で作物を作ったり、生活の道具、武具を作ったりと商売に関係することを行います、ちなみにこのカウンターのお二人から見て右側が戦闘ファミリアの依頼で左側が生産ファミリアの依頼になっています」
ひととおり説明し終えたお姉さんがひといきつく。
「なるほど、いろいろあるんだな、それなら戦闘ファミリアでお願いします」
「わかりました、次にファミリア能力検査です」
お姉さんは、再び先程の水晶を出した。
「ファミリア能力って、たしか所属しているメンバーが全員使える能力だったな」
「そうだね、ファミリアに所属していると二つ能力が使えるようになるから重要だよ」
ソラとレイが学園で習ったことを思いだす。
「では、お願いします」
「わかりました」
お姉さんの指示に従い、水晶に手をかざす。
ファミリア能力「封印」
強力過ぎる能力や力、身体能力などを抑えることができる。どのくらい抑えるかは任意で決められる。
「なるほど、使い勝手はいいな」
「そうだね」
ソラとレイは笑いながら早速どう使うか考えている。
「考えるのもいいんですけど、もうひとつやることがあるのでいいですか」
「すみません」
「つい、癖で」
ソラとレイが申し訳なさそうに言う。
「では、最後にファミリア名をお願いします。」
ソラとレイは顔を見合せ、うなずき振り返り合わせて言う。
「「スターリースカイで」」
お姉さんはそれを聞き、最後の手続きを済ませる。
「できました、これで登録完了です、これから頑張ってください」
「「ありがとうございます」」
二人がお礼を言う。
「ところで、名前を教えてください」
ソラが尋ねる。
「シスです」
シスが優しく微笑む。