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10年前
--10年前
いつものように、ソラとレイは木剣を持ち、打ち合いをしている。
「今日こそは勝たせてもらうよ」
レイが木剣を構えながら言う。
「それはどうかな」
ソラはそれに笑いながら答える。
レイはソラとの距離を一気に詰め、木剣を上から振り下ろす。それをソラの木剣が弾く。続けてソラが木剣を右上空へ振り上げる。レイはくるりと左へ一回転し木剣を躱すと、その勢いでソラの背中をめがけて右から左へ木剣を振る。しかし、それもソラは右手に持っている木剣を背中に回し防ぐ。そのような攻防を繰り返している。
「隙あり」
レイがソラの空いている脇腹へ左から水平に木剣を振る。
「甘い」
それを読んでいたソラは、自分の脇腹めがけて振られた木剣を下から真上へ切り上げて、レイの木剣を弾き飛ばす。そして、そのままレイの頭めがけて木剣を振り下ろし、すんでのところで止める
「参った」
木剣を飛ばされたレイは、両手を上にあげた。こうして特訓が終わった。