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グランファミリア  作者: Nagi
2章 獣人国
19/20

ひといき

 到着してから慌ただしくしていたため、ソラとレイは改めてここ竜人国ストロゴンの街を眺める。やはり、自由国との違いが目につく。


 建造物は石造りで、あらゆるものが石でできている。また、竜人族は竜とはいっても、完全な竜の姿をしているわけではない。竜人は人族の姿に角と翼が生えたような姿で、角や翼の大きさは個人差がある。さらに、寿命は人族の二倍ほどあり、四種族の中で最も長命である。


「自由国と全然違うんだな」

「……」

 ソラはレイの方向に振り向くが、

 反応が無い。

「レイー、おーい」

 ソラはレイの耳元で呼びかける。

「ソ、ソラっ!」

 耳元に聞こえた声に、レイはビクッと体を振るわせ驚く。

「お前はいつも興味のあることになると、そこだけに集中するよな」

「ごめん、ごめん」

 ソラのからかった視線に、レイは両手を合わせて謝る。

「まあ、今に始まったことじゃないけどな」

 ソラはイタズラっぽく笑い、続ける。

「冗談はここまでにして…早く行こうぜ」

「うん、行こう」

 ソラとレイは市街地へと向かう。


「ここまで来ると、よりいっそう自由国との違いがわかるな」

「そうだね、見たことない食べ物もあるみたいだね」

 レイがひとつの露店を指差す。

 露店では、何やら丸いものが四、五個串に刺さっているものが売っており、食欲を刺激する匂いが人を集めている。

「せっかくだし、食べてみようぜ」

 ソラは、すでに列に並んでいる。

「やれやれ」

 レイも、口では呆れた風を装っているが、内心とてもワクワクして列に並ぶ。


「おじさん、二本ください」

「あいよっ」

 レイは串二本分のお金を払い、竜人のおじさんが串二本を渡す。

 串は、よく見るとひき肉の肉団子のようで、それが香ばしい匂いのたれに包まれ、湯気が立っている。

「いただきまーす」

「いただきます」

 ソラとレイは、それぞれ肉団子にかぶりつく。噛むと中から肉汁が溢れ、ほどよい弾力が心地よい。

「美味しいな、これ!」

「うん!」

 二人は、あまりの美味しさに食べることに集中する。二人の肉団子がものすごい早さで無くなっていく。

「すごく美味しかったな!」

「こんなに美味しいもの食べたこと無いよ!」

 二人は満足げに笑う。


「それで、これからどうする?」

「うーん…観光もしたいけど、まずはファミリア協会に行こうか」

「そうだな、学園長も行けって言ってたし」

 これからの指針が決まり、二人は歩き出す。

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