初討伐
「すごいな、こっちも負けてられないな」
「そうだね、外での記念すべき初討伐だからね」
そう言い合い、二人はバケモノに向き合う。
「瞬間移動」
ソラがバケモノの背後に回る。
「停止」
すかさず、レイがバケモノを停止させる。ソラはバケモノの背中めがけて剣を振る。ゴッ、鈍い音が響く。血ではなく毛が散る。
「嘘だろ」
ソラは驚愕の表情を浮かべる。
その後も、二人は隙をみては攻撃を繰り出すが、全てバケモノの体毛に防がれてしまう。
「どうするの?」
「本気でやるか」
「そうだね、やるしかなさそうだもんね」
二人はバケモノを真っ直ぐ見据えて立つ。
「「封印解除!!」」
二人がそう言ったとたん、封印されていた力が解放される。それを感じたバケモノは少し後ずさる。
ソラとレイはファミリア能力で力を封印していた。力を封印することで、自分たちの能力を周りから隠すことができる。また、封印した状態でどこまで通用するかためしていた。
「さっさとけりをつけるぞ」
「行こう」
二人はソラの瞬間移動でバケモノの周りを移動して撹乱する。バケモノはそれを見て混乱する。すかさず、二人はバケモノに剣を入れる。今回は毛に阻まれることなく、剣が通る。命の危機を感じたバケモノは、大きな雄叫びを上げて暴れまわる。それをレイが停止で止める。さらに、ソラが瞬間移動を連続で発動し、バケモノを様々な方向から切り刻んでいく。
少しして、糸が切れたようにバケモノが倒れる。そして、静寂がおとずれる。
「全力は疲れるな」
「そうだね」
「おつかれ」
「おつかれ」
お互いを労い合い、拳を合わせる。