依頼開始
「ところで、何の依頼を受けるんですか?」
「バケモノの討伐だな。ただ、三体いるらしくて一人だと大変だっただろうから本当に助かるよ」
レイの質問にロイが答える。
「三体のバケモノの討伐、そんな依頼無かったはず」
「ああ、うちのファミリアに直接来た依頼だからな。まあ、その分大変な依頼なんだけど」
「そんなことがあるのか…」
ソラは改めて最強のファミリアとの違いを実感する。そんなソラの考えを察したレイが軽く励ます。
「まだ、僕たちはファミリアを作ったばかりなんだからこれから頑張ろう」
「そうだな」
しばらく、森を進んだところでロイが口を開く。
「着いたぞ、ここだ」
ソラとレイは、違和感を感じる。
「急に空気が変わったな」
「静かすぎるよ」
ここまでの道のりは、いろいろなケモノがいた。しかし、ここはケモノの気配が無いだけでなく、辺りの木々が倒されていて上から見るとぽっかり空いたようになっている。
「しっかし、これは派手に暴れたな」
ロイは驚いた様子もなく、倒された木々を越えていく。二人も遅れないように続く。追いついたところで、ロイが右手を横に出し二人を制止する。
「来るぞ」
ロイがそうつぶやくと、二人は強大な圧を感じる。奥から三体の三メートルはある大きな熊のバケモノが、よだれを垂らしやって来る。
「これが、今回の獲物だ」
ロイは背中の大剣を構える。それに続き二人も腰に差していた片手剣を構える。
「俺が二体相手する、そっちは二人で一体やってくれ」
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ。元々一人でやる予定だったんだ。二体くらいどうとでもなる」
レイの心配をものとのせずに、ロイは二体のバケモノに向かっていく。