準備開始
学園長の部屋を後にした二人は、町へ戻ってきた。
「よし、これで旅に行けるな」
「何言ってるのさ、何も準備していないじゃないか」
レイがソラに詰め寄る。
「準備って言っても何するんだよ」
レイに圧倒され少しのけぞる。
「まずはお金を集めないと何もできないよ」
「貯金だけじゃ足りないのか?」
「確かに学園にいたときに貯金してきたけど、それじゃおこづかい程度にしかならないよ」
「そうか」
ソラはこれからって時にやる気をそがれた気分になる。
「だからお金を稼ぎに行こう」
「なるほどな、それでここか」
二人はファミリア協会に来ていた。
「僕たちはもうファミリアを作ったから、ここで仕事を受けられるんだよ」
依頼が貼られたボードの前へ行く。
「たくさんあるな」
「どれにしようか迷うね」
依頼が書かれた紙をぺらぺらめくる。
しばらくして、ソラとレイは互いに一枚の以来を持って集合する。
「何を持って来たんだ?」
「僕は、素材採取だよ。ある鉱石を採って来る依頼らしいけど、なんでも難しいみたいで、報酬が良かったんだよね。ソラは?」
「俺は、バケモノの討伐にしてみた」
二人はそれぞれの依頼の紙を見せ合う。
「先にソラの依頼からやった方が良さそうだね」
「そうだな、被害も出てるみたいだしな。早速、依頼を受けに行こうぜ」
ソラとレイは二枚の依頼を持って受付カウンターへ向かう。
カウンターでは、シスが先にいる人の対応をしている。二人は順番を待つ。少しして受付が空き、依頼の紙を出す。
「早速依頼を受けるんですか。頑張りますね」
シスはソラとレイに微笑みかける。
「旅の資金を集めないといけないからさ」
「今の状態じゃ全然足りなくて」
それぞれ、今の状態を説明する。
「そうですね。じゃあ、受付を始めます」
シスが依頼の紙を読む。
「あ、この二つの依頼はなかなか成功者が出ていないものですね。けっこう厳しい依頼ですが大丈夫ですか?」
「やっぱり、そうですよね。ソラ、どうする?」
「もちろん、両方やるよ」
ソラは当然だろと言わんばかりに笑う。
「ソラならそう言うと思ったよ」
レイも笑う。
「それでは、依頼の受付を続けますね。まず、依頼の期限は一週間で期限を過ぎた場合、依頼をキャンセルする場合に罰金がかかります。報酬は成功した場合にお支払します。よろしいですか?」
「おう!」
「はい!」
二人は元気よく返事を返す。