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街に現れた李
その頃、棍を片手に白い拳法着、黒いズボンをはいた1人の男が街に現れた。
男は武館に入って行った。
しかし誰もいない。
門の前に歩いてきた男に訪ねた。
「この道場には誰もいないのか?」
「おとといの夜、女郎屋で門弟達は殺されちまって道場主の袁さんは隣街に行ったみたいだね」
男はそう言って去って行った。
街を歩くともう一軒、道場があった。
ここには中庭に男が1人いた。
「何だお前?」男が言う。
「私は李と言います」李は答えた。
「まさか、袁の身内の者じゃないだろうな」
「違います」李が答えると「本当か?何か怪しい奴だな」と男は言った。
「どうした?」奥からキセルを吹かした男が出てきた。
「林先生、怪しい奴です」
「私は少林寺の李英風と言います」
「少林寺だと」林はそう言うと李に近ずいてきた。
「マア、敵でも味方でもない。俺達とは関係ないがな」と言って奥に入って行った。
李も道場から離れ、歩き出した。
茶館があったので入って行った。