油断
明末清初の中国
広東
曇り空の荒野で二組の男達が入り乱れ、殴りあい蹴りあい戦っている。
やがて一組の男達が全員ダウンする。
勝った一組は倒れた仲間を馬に乗せ去って行った。
邸宅
「でかしたぞ」初老の男が男達に言った。
「しかしボス、奴等は仕返しに来るでしょう」
「劉、お前達なら大丈夫だ」初老の男は言った。
「さらに今から殴り込みするというのは」劉が言う。
「いや、お前達も疲れている。休め」初老の男は言った。
「わかりました」劉は言い男達と部屋を出て行った。
「明日、奴等の道場に行って息の根を止めよう」初老の男は呟き部屋を出て行った。
夜
女郎屋の看板
「おう来たぞ」劉が男達を引き連れて言った。
「マア、劉さん。お久しぶり」女が言った。
「今日は祝いだ。皆飲め」劉が言う。
「いらっしゃい」女達が口々に言った。
劉達は女達に囲まれて座り酒を飲み始めた。
外では雨がぽつりと降り始め、やがて雷雨となった。
「きゃー、怖い」女達が言う。
「雷ごときで驚くな」劉は言った。
ギィッ。突然、扉が開き、陣笠を被った男達が立っていた。
「何だ。お前ら」劉が言うと男達は剣を抜き切りかかって来た。
酒に酔った劉達は逃げる間もなく全員切り殺された。