貧○
「もし、逞しい御二方」
門番は2人、両者素晴らしい世紀末風な肉体に身長、さらにその手にあるは2メートルと半分はある太めの長槍。
僕達から見て左側の門番は赤色の鎧、右側の門番は青色の鎧。
僕の知識に双子コーディネートという物が存在するが、これの事を云うのだろうか?
なんというか、とてもむさくるしいな。
「ほぅ、これはこれはお綺麗なカップルさん達で.....何用かな? 」
青い方の門番の言動にちょっとジャンヌがピクッと反応したことが気になったが、ジャンヌには「全て私にお任せください」何て言われたから、僕が心配するのも今口を開くのはNGだろう.....
僕の予想では、おそらくもというか確実に、あの長槍で潰されれば、まず助からないと思う。
それに後ろには、こちらも予想であるがこの国と敵対する国か何かがあるはずなのだ、おそらく、呑気な声で今話しいている門番さんの機嫌を損ねた瞬間、少なくとも僕の命運は尽きる。
まさに一発触発の状況。
「此処を通りたいのですが、 ご開門していただけないでしょうか? 」
僕が話しているわけでもないのに緊張のせいか、門番の瞬き程度の動作ですらドキドキして体が強張り、口元がプルプルと震える、
しかし何も、命のかかった大事な交渉の場だからここまでの緊張をしているいうわけではない、どうもこの八統翳浬という人物は大事な場面こそ冷静になれる人間のようだ.....では、なぜかというと。
人前でフリフリのピンクのドレスを着て出ていることに決まっているだろう!?
「ここを通るには、此処、陽の国の住民印が必要だが、もってるか?持っていない場合陰の国の者としてここで排除しないといけないんだが....それより、そこのお嬢さんが大丈夫なのか? 」
お嬢さんと呼ばれた時点で、心はだいじょばない。
「大丈夫です、この娘人見知りなだけなので。 」
いま、ジャンヌが悪意を持って子ではなく娘といったことは、言わずもがな事実だ、彼女にそれを問いただしたとしても、しらばっくれる故に、意味はないのだが、どうしても怒りの感情はとどまることを知らない。
すっごく腹が立つが、口元をプルプル震わせるだけで、何とか我慢しよう。
何せ門番はさっき僕達の事を排除しなければとか物騒なことを口にしたのだ、それはもう....こんなふざけたことが引き金に排除されるなんて、冗談でも冗談では済まされない。
穴があるならば入りたい気分だが、必死にこらえる。
「そうか、時にカップルさん達、住民印出してくれるかい? 」
「承知しました、ですが....その前にお聞きしたいことがございます、よろしいですか? 」
ジャンヌが即答する。
勿論、僕もジャンヌもそんなものは持っていないはずなのだが....ジャンヌはこの状況をどう打破するのだろうか。
「住民印とは何でしょうか? 」
え?
ジャンヌの発言にスッ転びそうになった、というか背筋に嫌な汗が出てきて思考が妙に回転を速くする。
僕は任せてくれと粋がっているジャンヌにできるだけ聞き出せる情報は聞き出してほしいと、此処に来る前に言っておいていた。
しかし、流石に今の状況でこれを聞きに行く輩は普通いないだろう、もしかして、僕の言葉にジャンヌは強制力を感じているような節があったが、その影響か!?
だとしたら完全に僕のミスである、
「此処、陽の国の国民としての証じゃ、これっ 」
すると門番の赤い方が自身の腕の袖をめくって腕を見せてきた。
そこには素晴らしい腕橈骨筋が現れるが、まぁそれはいいとして、そこには太陽が描かれた刺青のようなものが刻まれていた。
「これが我らが王国、陽の証、これがあればここの門は自動で空くから俺らに話しかける必要はまったくないんだけどな。」
ジャンヌがフムフムとうなずきながら顎に指を置いて少し手を置いているが、この状況、どうするのだろうか。
「それもそうですね忘れていました、ところで自宅に国民印を忘れてしまったのであなた方の国民印に門の中に入れてもらうことは可能でしょうか? 」
は??
いやいやいや、国民印といってさっき門番が見せてくれたものは刺青である、もし国民印を家に忘れたとするならば、腕ごと忘れたことになる。
というか、普通の門番であれば、この時点で問答無用に槍で潰しににかかってくると思うのだが....ここの門番はアホの子なのか、
「わかった、次は忘れるなよ。 」
いやいやいやいや、おかしいよ....
「ありがとうございます! 」
ジャンヌはさも当たり前のように笑顔で礼を言っている。
さっき刺青を見せてくた方の門番が門の前に立つと、自動で巨大な門がゴゴゴゴゴゴと開いていった。
「では主様、街へデートにでも参りましょうか」
門の中に入ると、門はまたゴゴゴゴゴと自動で閉まっていった。
門をくぐるとすぐに街があるというわけではないらしく、城壁は石造りだったが、門を抜けてすぐのこのトンネルはレンガ造りである。
なかなか綺麗に整備されていて、光源は見えないが明るいため、レンガの赤がとても栄える。
「先ほどの門番、気に食いません」
むぅ、と頬を膨らませて、レンガの赤に魅せられていた僕にジャンヌが突然をかけてきた。
「どうして? 」
「門番は主様の事をお嬢さんといいましたよね? 」
「うん、そうだね」
認めたくはないけどね、というか早くドレスを脱ぎたい。
「門番の人は、私達の事をカップルといいました、ですが、門番にとって主様はお嬢さんということはです....それはつまり──── 」
「いやまって、それってジャンヌのスキルでジャンヌが男装しているからだろ? 」
ジャンヌは自分が門番に男だと思われていることに拗ねている様である。
しかしジャンヌのスキルの対象になった者は対象の異性の服装になる。
効果はいまいちわからないが、このことは身をもってしっている。
故に相手にはジャンヌが男にしか見えないようになっていたからではないだろうかと僕は思ったのだが、、、
「いえ、私のは、スカートがズボンにかわるだけです、それに魔性の変性はスキルの対象になった者の衣装が異性のものになり、その対象の周囲の認知を一つ消し去れるというものです。 」
....やっぱりズボンに変わるだけだったのか。
「なるほど、じゃぁ今回スキルで消し去った認知は差し詰め『疑う』事とかかな? 」
先ほどの門番の行動や言動は明らかにおかしかった、おかしくないならば、この国の教育がすさまじいほどなっていないか、この国の王は門番の人選を誤る愚王かという二択になる。
門番は、仕事の義務として、『国民印の所為』をだせるかと聞いた時、ジャンヌがはい、と答えた時点で僕たちが国民印を持っているということを前提にあの門番二人は話していた。
つまり、二人はその国民印を僕たちが持っていないかもしれないという、普通なら気付く『疑問』を忘れていたように僕は見えた。
「えっ? 」
ジャンヌがキョトンとほおけた顔をする。
もしかして、僕の予想は外れていたのだろうか?
「違った....かな....? 」
「いっ、..い...ぇ....よっ、よくわかりました...ね? 」
「あぁ、ならよかった。 」
ちょっと安心して、微笑むと、なぜかジャンヌが変な顔をする。
「ジャンヌ? 」
「あっ、はい!?、あっそうそう、主様私が怒っているのは、門番の視線ですっ!! 」
ジャンヌが慌てて気を取り直すように、会話を無理くり引き戻した。
「────....うん」
どうしたのだろうか?
僕も今、ジャンヌへの違和感が顔に出て変な顔をしてるのだが、ジャンヌはそれには触れず話を進める。
「あの門番、カップルという前に私の胸元を見てから物申したんですよっ!!あの門番はどういう了見であのような無礼をぉ───── 」
あぁ、そういう事か。。。
スキルで疑う事を忘れていたので仕方ないとは思うが、確かに、ジャンヌのような美少女を見て男だと思うのは些か失礼だよなっ....と、僕でも感じた。
ジャンヌの可愛らしい小さな手は、ギリギリと握りこぶしをつくって、全力で空気を握っている。
爪が掌に食い込んでいるし、大人しくジャンヌの腕に抱かさっていたプルトも少し圧力が増して痛そうだなと思ったので、ジャンヌの手を片方引く。
「ちょっ、」
「ジャンヌ、時は金なりだ....こんなところで立ち止まってデートの時間を浪費するのはかなり無駄だよ.....わかったら行くよ? 」




