啓示
「スキルでしょ、ジャンヌの───。 」
「はい? 」
少し、成り行きが思った通りに進みすぎている。
此処にいる外道魔導士集団は、僕の狙っていた獲物だった。
これをしとめるために4区まで、足を運ぶ予定だったのだが、なんと途中で向こう側から来てくれたのである。
偶然、と片づけることもできるかもしれないが、普段、第4区を根城にしているという僕の推測は、どう考えても間違っているとは思えない───、此処は第3区と第4区の境目より、少し(といっても、10kmほど)第3区側の土地だ、予定より早くこいつらと出会ったのは、今夜偶然、こいつらが少し遠出して獲物をさがしていたからだろう。
そして、僕の計画通りに第4区を徘徊していた場合、こいつらにはで会えなかっただろう────。
そう....彼女が叫び声を上げなければ────。
「ふふ、ばれてしまいましたか───、とはいっても、『これ』ばっかりは私の意思とは関係なく発動してしまうものなのですが.....。」
ジャンヌがアハハと少し笑って、獲物達の方向からこちらに体を向ける。
「....関係なく...? 」
「はい、これは『主よりの啓示』という、スキルの御業ですね....正常には作動していませんが....。 」
「───、へぇ...。 」
僕はそこで理解した。
「───、もう....理解してしまったのですね。 」
そこでジャンヌは金色の睫毛を少し寂し気に揺らした。
その、静かな眼差しから、僕は少し目を逸らした。
「あの瞬間───、あぁ、あの....自分でいうのはなんだか恥ずかしいのですが、私が取り乱してしまったときにですね....。 」
「うん」
聞かなくてもわかってしまったが、とても寂しい目をしている彼女を前に、それを口にすることはできなかった。
「私の....最期が見えました....。 」
「....。 」
ジャンヌが、できるだけ気持ちを吐き出せるように、僕は相槌を打つ。
「それも、傍観席で....私の人生を歩む主様が見えました....それで。 」
「もういい、....わかってる。 」
次は、言葉で彼女から目を逸らす。
彼女のスキル、『主よりの啓示』は、彼女を彼女たらせる、彼女の人生そのものといえるスキルだ。
彼女は、ただの農夫の娘だった....しかし、ある日、神の声を聞き行動をおこした。
その声こそが、このスキル『主よりの啓示』である。
「このスキルは....君を呪うためにあるものだ───、僕が断言しよう。 」
「そっ...それは....。」
このスキルは呪われている。
確かに、このスキルは、ただの娘を、救国の英雄にまで押し上げる、神の御業そのもの....だが。
「その世界がどうすればうまくいくか、それを君に知らせるために───、いや、ただの神様の尻拭いをするためだけに与えられた、腐りきったスキルだ....。 」
そう、今その時代において、その世界がうまくいくにはどうすればよいかを告げる。
神からの知らせを受信するためのスキル。
故に、彼女の意思で発動することはなく、その世界において彼女が必要なくなれば、黙り込み、結果として彼女をこの世から葬った最低最悪のスキルだ。
「────、今は、主様こそが、私の主です....。ですが、その発言はっ 」
「うん、だけどだ。 」
何度も彼女の発言を遮る。
これは、今僕の信頼できる唯一の人物を救うために、
「───、そのスキルが、今僕達の行動の手助けをしたということはだ....。 」
今度は、逸らした視線を、深呼吸をして真っすぐ彼女に向ける。
「今この世界に、僕たちが必要だってことだよ....ジャンヌ。 」
これは、今は彼女以外何もない僕が、この世界を救う物語だ。
肋骨がいたい....それも右の、肋間神経痛でしょうか??
詳しい人、ヘルプミーです....。




