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赤の風貌をした建物群と、茶色の土製道路を、ジャンヌと2人で歩く。



「もぉ....なんなんですか主様、寝起きの女の子をこんなに歩かせて....」



「4時間以上眠りこけて主に悪態つける従士には言われたくないかな。」



「ぐっ....って、4時...間....? 」



ジャンヌが変な顔をしたかと思うと、空を見上げる、──....すると、なんとも説明しがたいが、なんというか、こう....へへぇ~って調子に乗った顔をした、少し癪にさわるな。



「何をおっしゃいますか主様、私はかのオルレアンの聖処女ジャンヌダルクですよ?、我が主人の前で、まっさか4時間もねむりこけるわけないじゃないですか!! 」



どや顔でジャンヌが何かをほざいている、ジャンヌって少しあほなところがあるなと僕はここにきてようやく確信した。



「.....陽の国(ヴァタ)の太陽は、動かないんだよ....現時刻は午前3時だしね。 」



「へっ? 」



ポカーンとした表情をジャンヌが作るが、実際にそう、ここ陽の国(ヴァタ)の太陽は動かない。



真昼のように、暖かくて気持ちのいい日が差し込むこの情景をみたあとに、今3時だよと言われたら、誰しもが午後3時の事だと勘違いする程だ、というか、どう見ても午後3時だ。



しかし現実はこれ、月の姫と太陽の王が分かれた結果の現状、受け止められねなば進めない非常識(アンラリティ)だ。



そして.....




僕が解決しないといけないであろう....人間の試練でもある 。



「───....。 」



「.....あ、....主....様....?、えぇっ....と──、その.....すみません 」



おっと、これは失敬、少し不平が顔に出てきてしまったようだ。



ジャンヌが今の言葉で理解できたとは思えないが、僕の偶然(・・)(こぼ)れてしまった睨みの眼光に、少しは申し訳なさを感じたようだ。



まぁ、僕は僕で彼女を待たせていたわけだから、僕としてはお互い様ってことでとか言ってこの問題を済ましたかったのだが......



なんとなく、彼女と話していると、こう.....なんだか、いじめたくなるというか.....なんだろうか.....? 、彼女をひれ伏させるのは、快感だ。



「.....うん、わかればいいよ。 」



「あっ、....えっと、その...── 」



「?」



「太陽が動かない....っとは、どういうこと、.....ですか....? 」



「あ──....、ぁ....そうか.....やっぱり、聞く....よね..... 」



これこれは、なかなかに複雑な事情なので、ゆっくり話のできる環境がない以上この話題は振らないつもりだったが、



完全に僕の失態だ、こんなこと言われたら誰だって聞いてくるよね....なんだか頭が働いていないな.....さすがに少しお腹が減っているからだろうか.....?



「はい、この世界の事情はどうあれ、太陽などの物は神の宿る魂体媒体、魔法の発動に少なからず影響してしまいます、事情が分かっているなら是非説明を──......って、ふぇっ.....!? 」



ジャンヌが物凄く驚いた顔をしている、これは今僕がジャンヌの額に自分の額を押し付けたからだろうか?、それとも.....流れ込んでくる情報の山の方だろうか.....?



伝達魔法



ジャンヌに今僕がかけている魔法は相手の神経魂界に自身の記憶を乗せた魂体をねじ込む魔法で、この世界では理論実現不可魔法のと言われている物だ.....まぁ、その不可と定義した理論に欠陥があったのと、僕とジャンヌが召喚者と使い魔の関係であるということもあって、今こうして実現しているのだが......。



どう足掻いても常人であってもそうでなくても、1日やそこらで習得できるものではないのは確かである。



ジャンヌのいた時代ではどうだったかはしらないが、ジャンヌの最初に使った距離簡易化の魔法も、この世界では理論実現不可魔法に指定されているので、



ジャンヌの魔法に対する知識を(かんが)みると、伝達魔法はジャンヌも習得しているのではないだろうか?そう驚かれることはないだろう.....



「.....主...様...?...そんな...──、まさか....たった5時間で...

..こんな.....ことっ...て.... 」



「.....うん、まぁそういうことだから──、これから4区に向かうよ......」



漠然として保おけた顔になり何事かをブツブツ呟いているジャンヌがいるが、事情は今魔法で伝えたので放っておいて、今いる陽の国(ヴァタ)の首都、フレリアスの2区から4区の方角に足を運ぶ。



──準備しなくちゃいけないことが山ほど.....「待ってくださいッッッ!!!! 」



ジャンヌの大声の叫びに、僕はビクッと足を止める。



予想外の彼女の反応に、すこし対応が遅れて、僕も彼女に呆けた顔を向けてしまったり



「伝達魔法、.....そんなデタラメ魔法が、こんな短時間で覚えられるはずがありませんっ......基礎でさえも、常人ならば、少なくとも魔法の習得に3年は時間がかかります!、生粋の天才でも、自力で習得するとしたら確実に1年以上はかかります、というか1年も使わずに魔法を習得するなんて....──見たことも、聞いたこともありませんっ.....!!!、ましてや、1日で魔法を身につけたり、挙げ句の果ては、実現不可とまで言われる魔法を易々と.....そして、先ほど私に流したこの世界の情勢や....あなたの思想等々、....記憶をなくしている主様が、たった5時間でこれら全てを身につけるなんて....しんじられませんっ........そんな....それじゃ、あ....まるで.....─── 」



地面に崩れ落た美しい金色は、全力で叫ぶと、ふっと力が抜けたようにずっと離さずに大事に抱えていた黒猫をそのまま地面に放した。



プルトは心配そうにジャンヌを見つめてにゃ〜と鳴いている。



ジャンヌが何を思い返しているかはしらない、しかし.....そうは見えないかもしれないが、現時刻は午前3時.....外にいるのは、衛兵かもしくは.....。



(まずいな──、 )



「ちょっと....ジャンヌ....落ち着い──、 」



今向かっている4区は俗に言うスラム街だ、

そこにいるのは、貧困層やら道を踏み外したものやら、外道魔法士やらの巣窟で、そこに向かって、先ほどまでジャンヌと歩いている道に、僕は距離の簡易化を使わせてもらっていた。



もう、大分近い距離に、目的地があるのだが.....それ故に、今現在、窮地に立たされている僕たちがいる、



あまり悪目立ちしたくないのだが.....



「ちっ....」



ジャンヌは、何かを思い出したかのようにわなわなしているが、その間に僕たち2人の360度周囲は、



「おっと、こんな夜分にそんなに大声をあげて....どうしたんですかな? 」



完全に囲われているよ(・・・・・・・・・・)うだ(・・)

だいぶ遅くなりました。


誠に申し訳有りません。


ブックマークつけてくださっている皆さま、見捨てずにいてくれてありがとうございます。

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