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夕月  作者: 白州藍樹
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月。

また呼ばれて、こちらに来た。

ここには色んなものが、退屈そうに並んでいた。白い壁色の大きな家と、少し小振りな、季節の花が数種類咲く庭と、赤い布のかかった黒いピアノのある部屋。それから、雑多なものがたくさん。汚れた車に、煤けたパーキング・スペースに、不吉に鳴り出す黒い門。毎日、灰色の活字が入れられるだけの手紙受けに、花が咲くその地面には伸びた草々が絡まり合っていた。小さな庭にはその半分の半分ほどの大きさの、砂埃に(まみ)れたもの置きが、ずっしりとした趣でもって立っていたけれど、その中にはきっと見るまでもなくまた要らなくなったものが追いやられるように押し込まれているのだろうと思った。とにかく何かが溢れて、それなのに無理やりそれらをどこかに積み上げて、場所を作っているようだった。色んなものが在るのに、さみしい。

あの場所はこんなふうにはしたくない。否、絶対にしない、と決めた。


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