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夕月  作者: 白州藍樹
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ⅩLⅥ

「いつもと、逆ね。いつも、あたしの方が泣いていて、あなたはずっと慰めてくれてた」

 凛とした方、夕が、月の肩をそっと抱くようにして支える。

「ずっとありがとうね、月。長い間一人きりにしてごめんなさい。あなたは十分頑張ってくれた。あなたが居てくれたから、あたしも此処に居られたの。此処に存在できているの。もう、大丈夫だから」

 ね、と言い聞かせるように言う。さながら姉と妹のような姿に、どちらがどちらだか分からなくなる。月は涙を止めて、おそるおそる信じるように顔を上げる。今まで弱いと思ってきた、月(自分)が居なければすぐに消えてしまうと思っていたあの子が、自分が漠然と目指してきた憧れの誰かに見えた。

「私、ちゃんと守れていたかしら」

「もちろん。

 もう一人にはしないから。あたしも、頑張るから。だから、大丈夫よ、月ちゃん」

「夕……」

 にっこりと向けられた微笑に安心する。

「強くなったのね……?」

 思わずそんな言葉が口をつく。そうしたらまた笑われて、

「だって、あたしだってあなただから。あなたのぶんはあたしも同じだけ、強いの。だからあなたも同じだけ、弱っていいのよ」

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