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ⅩL
それから、文句を言わないように、弱音を吐かないようにって頑張ったわ。でもそのうち苦しくなって、どうすれば弱っても許されるのかしら、と考えるようになったの。
完璧できれいできらびやかな、豪華なものに囲まれていると、自分が正しい価値観を持っているのだと思えた。自分は間違っていないと安心していられた。完璧できれいだったら、弱音を吐いてもいいのかな。堕落したって許されるかしら?
どこかで読んだ本に、「美しければどんなものでも在っていい」という名句があった。うろ覚えのそんな音葉を、ひっそりと、信じて。
完璧なもののなかに、ロココな、無駄と装飾を愛する気持ちを見つけて、救われた気で。
感情なんて、無いもの。わたしの気持ちは無駄なもの。
綺麗でないわたしなんて。意味が、ない。
いつの間にか抱いたそんな気が、どんどん膨らんで、あたしと私を、区切って。
“「頑張るわたし」「完璧なわたし」「綺麗なわたし」で居なきゃ必要とされない”という気持ちから生まれたのが、何も知らない、小さな私なの。




