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ⅩⅩⅩⅢ
部屋の中は静かだった。
響くのは大抵あたしの泣き声で、ほかには月ちゃんの声がたまにするくらい。暗い部屋で、何も変わらないままずっとうずくまっている。あたしはいったい、何をしているの。ただ、泣いて閉じ籠っているの。ここにはきれいなものもときめくものもない。気持ちの動くものは、なにも。でもそのぶん、辛いことも怖いことも遠くなる。
立ち止まるのって、いけないことなの?
あたしがいなくても月ちゃんが居る。
きっとあの子はみんなに好かれて、苦しいところなんて見せないで、いつも頑張っているの。
あの子さえいたら、それでぜんぶ、いい筈。あたしなんて居なくても。あたしなんて、消えても。誰も気づきやしないの。月ちゃん以外、は。本当に解ってほしい誰かにはいちばん近づけない。
わたしは……あたしは、それでもまだ、せめてひっそりとここに居たかった。表に出て迷惑を掛けるのなら、そちらは月ちゃんに任せて、まだ隠れていたかった。それしかできない。泣くことと隠れることしかまともにできない。




