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夕月  作者: 白州藍樹
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ⅩⅩⅨ

 しばらくして落ち着いてから、心配する奈緒をどうにか宥めて、申し訳ないけれど、と切り出した。また日を改めて会いましょう、と言うと、逆にほっとしたような表情で頷く。近くの駅まで並んで歩きながら、二人とも何も話さなかった。私は借りたハンカチを握りしめたまま、いつもよりも少しだけ視線を落として歩く。

 別れる改札口で、何か言わなくちゃと思って、

「洗って、返すわ」

 と持っているハンカチを少し上げて見せる。

「気にしないのに」

「いいの」

それじゃあね、と続けて、ホームの方に向き直ろうとする。電光掲示板に最寄駅行きの電車の時間が出ていた。

「いつでも連絡してね」

「ええ」

 何だか長い別れの前のような会話で、くすっと笑いかけてしまう。またすぐに、と一度微笑み合って、申し合わせたようにお互い岐路に就いた。

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