表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夕月  作者: 白州藍樹
26/50

ⅩⅩⅥ

 そうして過ごしていた、ある日のこと。

 とある大きなファッション・ビルで並んで歩いていたときだった。見覚えのあるロゴが目に付いて、ひとつのお店の前で立ち止まる。奈緒も後ろから覗き込むように眺めて「可愛いお店」とつぶやく。

「ええ。デザインはシンプルだけど、そのぶんリボンとレースが映えて、可愛いのに上品なのよね」

「初めて入るわ。有名なお店なの?知らなかった……」

「私も!」

 気になっていたブランド店に偶然入れることになって興奮気味に返すと、奈緒はきょとんとして尋ねる。

「好きなんでしょう?」

「これはね、夕が……」

 ノートに書いていて、と言いかける。

「え?」

 あっ、と思って、すぐに言い換えた。

夕に似ているからか、何だか奈緒には安心してしまって、ふいに言葉が口をついてしまうことが多々あった。

「なんでも、ないの」

 嘘はつきたくなかったけれど、まだ早い気がした。私たちのことは、もっと大事なときに話したかった。お買い物中の雑談のひとつにはしたくない。そんなに粗末にしたくなかった。

「あとで、ちゃんと話すわ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ