20/50
ⅩⅩ
長く揃った黒髪に、同じ色の澄んだ眼。
まっすぐな眼差しに。
ふいに見とれてしまってはっとする。壁に掛けられている商品の鏡が、ぼうっとその子を見つめる私を映しているのが見えて恥ずかしくなる。肩まで伸ばした髪が、大きく視線を外した拍子に揺れたのが分かった。
「あら……」
その子のバッグに目を落として、また驚く。
「おんなじね」
私の目線の先を追うように自分の鞄を見つめて、その子も気づいたように「本当!」とささやいた。
「色違いだったのね。やっぱり、白も可愛い。買うとき迷ったの」
「私も……。だけど、青も綺麗だわ」
胸の前までお互いのバッグを持ち上げてみせる。
私のものは白。その子のものは青色。
同じブランドの、同じデザインのそれだった。ハート型で、持ち手の部分が金属になっている小さな鞄。見た目の割に中身が入るので重宝しており、今日も近くに見当たって自然と持ってきていた。




