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夕月  作者: 白州藍樹
19/50

ⅩⅨ

「あっ」

「えっ?」

 私の声と、その、手を伸ばした人らしき声が重なった。

 吃驚して、思わずお互いに手を引こうとした瞬間、ケースに立てられていたペンの先に二つの手が同時にぶつかって、ことんっと小気味良い音とともにペンが宙を舞いかける。飾り台から落ちそうになるのを目で追って、とっさにまた、手を伸ばす。小指同士を合わせるように両手を揃えたまま広げて、何とか四つの手で受け止める。四つ?見ると、その人も同じように手のひらを広げていた。私と半分ずつペンを支えるような形になっている。

 ほっとして、何気なく顔を見合わせる。どちらからともなく口元をほころばせて笑ってしまう。

「落ちなくて、良かった……」

「ねえ。驚いたわ」

 二人でゆっくりと体勢を直してペンを立て掛け直す。

 その人―その子は、どことなく雰囲気が夕に似ていた。会ったことがないのに可笑しいかもしれないけれど、なんとなく、ノートの中で見るあの子の言葉や、慮っては探し続ける好みのものと、纏う空気が似ている気がする。

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