わかっている、けれど・・・
初めてのかたは、先に[逃げ道]→[ガキ]→[思い]を読まれた方がわかりやすいと思います。
「沖田さん」
「なんだ?」
「俺 仕事中でした」
「はぁ?お前 俺のコレどうすんの?」
「知りません 自分で、なんとかしてください
それじゃ」
「ちょっ待て 光来!」
「ちゃんと薬飲んで寝ててくださいよ」
なんだよ キスだけさせといて・・・・
−七瀬−
「光来ぃ 今日オフじゃないだろぉ」
「ん〜 沖田さん・・・」「俺は、夕くんじゃないから はなし・・・ん?
光来 お前・・・」
「うっわっ!七瀬じゃん」
俺からすぐに離れる。「悪かったな 夕くんは、仕事中」
「もう、熱下がったんだ
よかった」
光来の口から出るのは、夕くんのことばかり
まぁ 当たり前だけど・・それより
「光来 熱あるだろ」
「ふぇ?ウッソ」
「ふぇ じゃねぇよ ちょっと熱計ってみろ」
「うん」
こういう時は、素直なんだな。
やっぱまだガキか・・・
「37度3分 微熱だな」
「それくらいなら、動けば直る」
「じゃあ仕事出んの?」
「うん 出る」
「じゃあ 早く来いよ」
パタン
やっぱ心配だなぁ 仕方ねぇ今日は、1番隊と7番隊
仕事一緒だから面倒見てやるか・・・
−光来−
う〜ん・・やっぱ頭イテェ
「七瀬 俺ちょっとぬけていい?」
「どうした?大丈夫か?」
「いや 薬買ってくる 頭イテェ」
「俺は、ぬけれねぇから 誰か・・・」
「大丈夫だって すぐそこだし」
「そうか 気をつけろよ」
「へーい」
俺より矢吹のこと考えた方がいいんじゃねーのぉ
今日 仕事別々なのに・・
−希楽−
薬も水も買ったし戻ろぉ
あれ?
「希楽?」
「ん〜あれ?光来じゃん」
希楽 空史[きら そうじ]22歳 七瀬のダチだ。
「どーしたの?こんなとこで」
「頭痛かったから、薬買いに行ってた」
「熱?」
光来のでこに手をあてる。
「うわっ けっこうあるぞ」
「ウソォ 朝 そんなになかったのに」
は?て、ことは・・・
「お前 熱あるのに仕事してたのか?」
「してた」
「大丈夫だったのか?」
「大丈夫 この熱沖田さんのだし」
沖田・・・夕・・くそっ
「それ 俺がもらってやろうか?」
「何、言って・・・ちょっ」
ちょうど、木が陰になって 人から見えない所に
光来を引っ張り、手を壁において逃げられないようにする。
「キスでもするつもり?」
「俺 本気だから」
そう言って、顔を近づけていく。
「待って 希楽!」
・・・・・・・
「ゴメンッ」
光来を優しく抱きしめる
長い睫毛が震えてた
それに・・・
「ゴメンな 光来・・」
顔を横にふる。
「大丈夫・・・だけど俺・・・」
「わかってる わかってるから」
しばらく、光来を抱きしめていた。
「俺 そろそろ戻らねーと」
「ああ 仕事中だったな」そっと光来を離す。ほんのり香るあまい香り。
「大丈夫か?送っていこうか?」
「いい 遊んでたろって七瀬がウルセーから」
「わかった 気をつけろよ」
「すぐそこだって、あっ
希楽」
「なんだ?」
「ヒマな時 屯所に遊び来て」
「おう 行ってやる」
急いで歩いていく光来を見送る。
よかった・・・
もう、おびえた目 してなかった。
それにしても・・・
俺 フラれたかな〜
あーでもやっぱカワイイし
なんで俺は、スキになってもらえないとわかっているのにスキになったのだろう・・・
「俺のものになってくれねぇかな」
まだ 諦めない。
終劇
最後まで読んでいただきありがとうございます。




