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モブ君(ある朝突然)絶世の美少女になる  作者: イヌスキ
十九章、三年の2学期です!
230/239

誰が癒し系?


「…………」

「…………」


 朝のホームルーム前。強志が机に肘をつき、その前の席で虎太郎が横向きに座り強志の机に腕を乗せている。


「強志にコタロー……あんたたちがそうやってると何を考えてるかわかんなくて超怖いんだけど」

 二つ席の離れたヒマリや渡辺が突っ込みを入れた。


「そりゃわかんねえだろうな。何も考えてなかったし」

「僕は昼食のことを考えてただけだけど……」


「こいつらは見た目が物騒だからな。私のようなか弱い女が居ないと凶悪犯にしか見えん」

 百合が登校してきて机の上に鞄を乗せた。


「いやいやいや、百合の悪役面が入ったらもっと怖いって」

「誰が悪役面だ」

「ご、ごめん」


「おはよー!」

「あ、未来おはよー!」

「おはよ!」


 元気よくドアから入ってくる未来に男子も女子も関係なく挨拶を返す。

「未来、お早う」「おはよー虎太郎!」

 虎太郎が座っていた席は未来の席だった。


 立ち上がり隣の自分の席へと移動する。


 未来が居るだけで三人の表情が軟化する。

 さきほどまでの刃物のような鋭さが無くなった。


「職員室に呼ばれて遅くなっちゃった……って、どうしたの? なんか空気おかしくない?」

 未来が不思議そうに強志に尋ねる。

「なんでもねぇよ」


 ならいいけど、と教科書を机に入れていく。


「未来って癒し系だったんだー」ヒマリが呟く。

「え? そんなこと初めて言われた! 嬉しい!」

 未来が手を組んでじたばたする。

「確かに癒し系だね」

 表情が消えていた虎太郎が笑顔になる。

「まぁ、認めてやらんでもない」

 百合も口角をあげて微笑んだ。


「そうだな」

 強志も言うが、

「でも、この中で一番癒し系は強志だけどなー」

 と未来が爆弾発言を落とした。


「どこが」

 ヒマリに真顔で聞かれて椅子の上で壁がわに逃げてしまう。


「だって何しても怒らないし、お日様みたいな匂いがするから添い寝したらぐっすり眠れるし」

「添い寝!? なんだー、やることやってたんだー。未来って奥手っぽいからちょっと意外かも」

 ヒマリと渡辺が口をはさんでくる。


「やることって――――?」しばし考えてから、両手を振った。


「違う違う違う! ほんとに添い寝してくれてるだけだから!」

「え、それもひどくない? 強志生殺しだね。まぁ頑張って」


「う――!」

 顔が一気に真っ赤になって強志の机に伏せてしまう。

「気にすんな。こういうのはオレ達のペースで行けばいいんだから」

「うーうー……うゃあ。ごめん強志……」

「だから気にすんなって」

 頭を撫でられた。

 でも気にしちゃうよー! エマさんにも言われたし!

 そして撫でられるのが気持ちよくて、やっぱり強志は癒し系だと思いました。


 

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