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モブ君(ある朝突然)絶世の美少女になる  作者: イヌスキ
十五章 ようやく夏休みです!
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脇役の紹介も兼ねて(小話)

出てくる頻度の高いキャラの紹介を兼ねた小話です。

主要キャラの紹介は六章の後の「登場人物紹介」にあります

【浦田 琴音】(うらた ことね)


 今日の俺の髪形はツインテールである。といっても、耳の上で結ぶツインテールじゃなくて、もっと高い位置で結んだツインテール。

 女になってから初めて知ったんだけど、髪の毛って結構あっつい!!! 首筋を出すのと出さないのじゃ涼しさが段違いだ。


「昼飯どこで食う?」

 竜神の質問に。

「ご飯いらないー。冷たいもの食べたいー」


 筋肉の付いた腕に倒れこみながら呟く。

 今日は二人で街をブラブラと散歩してた。

 涼しい食べ物を売ってる店が頭に浮かぶ。かき氷、アイス、パフェ――。


「ダメだ。ちゃんと食わないと夏バテするだろうが。お前ただでさえ体力無いのに」

「うー」


「おわっぱミキミキ発見ー!!!」

「うわぁああ!?」

 奇声と共に背中に抱き着かれて悲鳴を上げてしまう。


「こ、琴音!?」

「ソウアルヨー」


 後ろから腕を回し俺に抱き付いてきた琴音が笑う。

 だから時折出てくるお前の中の謎の中国人は何者なんだ!


「すっごいぐうぜーん! りゅう、身長伸びた?」

「伸びてねえよ。身長ネタを挨拶代わりにすんのやめろ」

 琴音は竜神を見上げ、背伸びをしつつ自分より頭一つ高い竜神の頭上に掌を掲げ――。

「伸びてるよ」

 と無情に言い放った。


「…………」

 常日頃から「これ以上でかくなりたくない」と言っている竜神が座り込んで落ち込む。どんまいだ。

 というか、でかくなりたくないなら牛乳を控えるべきだと思うぞ。

 毎日一リットル以上飲んでるじゃないか。海外の映画に出てくるようなガロン単位の牛乳が欲しい今日この頃なんだぞ。


「二人だけなの? デート? 相変わらずラブラブだよね。羨ましー」

「琴音だって藤堂とラブラブのくせに。お祭りの時だって一緒に居たし」

「ダメ。今喧嘩中なの。あいつの顔も見たくない」

「ええええ!? そ、そこまで!?」

「そこまで」


 彼氏なのに喧嘩したから顔も見たくないって凄い胆力だなぁ。俺、無理。竜神と喧嘩しても多分すぐ謝る。

 ……待った。竜神って喧嘩するのかな?……しなさそうだな。俺がぎゃーぎゃー喚いても話し合いで解決しようとするだろうな。


「そだ、これあげる。手出して」

 琴音がバッグからフリプクを取り出した。


「あ、ありがと……」


 何気なく差し出した手のひらに


「ドバドバドバ!」


 口で効果音を発する琴音に目一杯フリプクをぶちまけられてしまった。


「こ、こらー!」

 慌てて両手を添える。

「こんなに食べられないよ!」


「あはは、りゅうと二人で食べればいーよ。じゃーまたねー。今度一緒に遊ぼうヨー」


 また謎の中国人を残し、琴音は去っていったのだった。


「もー! これ辛いから一気食いできねーのにアホ琴音ー!」

「突風みたいな奴だな」


 竜神が困ったみたいに笑いながらも手のひらに盛られたフリプクを食べてくれる。



【岩本 塔子】(いわもと とうこ)


「あー! 未来とりゅうだー」


 駆け寄ってくる足音と同時にお尻を撫でられ――「うやあああ!?」道の真ん中で絶叫してしまった超恥ずかしい!!!


「ななななにするんだよ岩本のアホー!」

「夏うやーいただきました」


 何それ!?


「冬うやーとか秋うやーもあるのか?」

 竜神が岩本に聞くと、後ろから俺の肩に首を乗っけて俺のお腹を抱きしめながら答えた。熱いからやめろ!

「あるある! こないだクラスにアンケート取ったら一番人気が高いのは照れうやーだった」

「ア、アンケートしたの!? やめてくれよ恥ずかしいだろ!」


 うちのクラスのノリの良さは何なんだ。暴走する女子がいたら誰か止めてくれよ頼むから!


「バツとしてフリプクの消費を手伝え」

 両手いっぱいのフリプクをずいっと岩本に差し出す。

「どしたの? これ」

 素直にぽりぽり齧りながらそう聞いてくる。


「琴音が大量に遺棄していったんだよ」

「琴音が? ってかあたしのこともそろそろ塔子って呼んでよ。苗字じゃなくさ」


 え。


「トーコ…? 岩本の名前、可愛かったんだな。知らなかった」


 岩本の周りの連中も岩本を名前で呼んでたと思うけど、全然意識してなかったよ。

 美穂子といい塔子といい、子の付く名前って何かいいな。もちろん、百合も琴音も可愛いけど。名前だけは。

 女子って意外と中身可愛くないよな。どわーって感じの子ばっか。もっとほわほわしてほしい。……あ、俺もどわーってしてる!! 女子って意外とどわーってしてる自意識ないのかも。


「――――――!?」


 俺の言葉に一瞬にして塔子の顔が真っ赤になった。


「ど、どうし――」

「未来のばかー! 女殺し! セクハラ課長ー! ほんっと可愛い! 家に持って帰りたい! りゅう、いくらで売ってくれる!?」

 突然抱きしめられ危うくフリプクをぶちまけてしまうところだった。


「未来は非売品だ」

「けちー!」

「セクハラ課長って何だよ! セクハラしてくるのはお前だろ!」

 物凄い理不尽な罵倒された!


「ね、ねーちゃん、お母さんが来いって……」


 塔子の後ろから小学生ぐらいの男の子がそう呼びかけた。弟かな? 塔子ってこんななのにお姉ちゃんだったんだな。

「え、もう? んじゃ行くね。ばいばーい、未来、りゅー」

「ばいばい」

 おわん型にしたままの手を振る。



【ボクシング部トリオ】



「よー! 未来ちゃん、強志」


「あ、ボクシング部トリオ」

「漫才師みたいな呼び方すんのやめてくれよ」


 藤堂とうどう りく と 直正なおまさ 常次つねつぐ島村しまむら つかさの三人だ。


 藤堂の姿を見つけて『さっき琴音と会ったよ』と言いかけ、言葉を飲んだ。

 喧嘩中だって言ってたしな。下手なこと言うと揉め事の原因になりそう。第三者が下手に口を出しちゃ駄目だよな。


「フリプク食べませんか?」

 ずいっと三人に手を突き出す。


「おう……?」

「ありがとう……?」


 不思議そうにしながらも三人がかりで食べてくれたのでようやくフリプクが無くなった。


「お前たちってほんと……仲良いんだな」

 フリプクを食べながら島村が竜神を見上げる。

「どういう意味?」

 俺と竜神が仲いいのは分かり切ったことだと思うんだけど…? 会った頃から喧嘩したことないし。


「強志が未来ちゃんを殴ってるって噂があったんだよ。見えない場所を殴りつけて言いなりにしてるっての」

 ええええええ!!??

「竜神が!? ありえないよこいつが女に暴力振るうなんて太陽系が爆裂四散するぐらいの大事件だぞ!!!」

 思わず竜神の背中に抱き着いてブルブルしてしまう。


「今はんなこと信じてねえよ。強志は甘いしな」

「こんな奴だと思っても無かったわ」

「未来ちゃんに相応しいかもな」


 島村がどんと竜神の胸を叩いて言った。


「同じ男として竜神を進めるよ。いい奴だから大事にしてやれ」


 うん!!

 男にも勧められる竜神が嬉しいのは何でだろ。

先ほども投稿したのですが反映されてないみたいなのでもう一度…二重投稿になってたらすいません。パソコンの調子が悪いのかな?

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[気になる点] フリプクとはなんぞや。
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