表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブ君(ある朝突然)絶世の美少女になる  作者: イヌスキ
十五章 ようやく夏休みです!
190/239

左利きあるある

 虎太郎は左利きだ。

 左手で食べると隣の人に腕が当たるからと言って、みんなでご飯食べるときは必ず一番左側に座るし、はさみを使うと中々切れずに2、3回カシャカシャ言わせてる。


 紙一枚だというのに中々切れずにはさみを動かす虎太郎に「イライラしない?」と聞いてみたものの、虎太郎は別段気にした様子もなく「僕は不器用だから」と苦笑した。

 不器用だからじゃなく、利き手用のはさみじゃないから切れないだけだと思うんだけどな。

 

 そして、ファミレスのスープの、注ぎ口が付いたお玉も全く使えなくて、竜神が注いでやってた。


 本日、パラゼ部六人は冷泉家の図書室へとお邪魔した。

 夏休みの自由研究の資料集めの為だ。逃げ出そうとした達樹の首根っこを引っ掴み、蔵書数9百万を誇るそんじょそこらの図書館では太刀打ちもできないような巨大な館へ入館する。


 建物の中に入ると、独特の本の匂いがしてなぜかわくわくしてしまった。

 ついでに言うと冷泉は居なかった。フランスへ旅行中らしい。よかったよかった。『未来が来るならフランスになんか来なかったのに……!!!』と遠い異国の地で悔しがってるらしいが知らん。



 目当ての本を探すため、入口に置かれたパソコンでそれぞれ検索する。


「あれ? 虎太郎、左利きなのにマウスは右手で使うんだ」

 違和感なく右手でマウスを動かす虎太郎に少し驚いてしまった。


「うん。学校も公共施設もマウスは右にあるから右手で使うようにしてるんだ」

 俺が左手でマウス使えって言われたら結構辛いのに、意外と器用なんだな。


「なー、虎太郎が左手で一番やり辛いって思ったのはなに?」


「え」


 興味本位の俺の質問に虎太郎が硬直した。

 しばし考えた虎太郎の返事は予想もしてなかったものだった。


「寿司かなぁ」


 お、お寿司!?


「並び方が右斜め前になってるんだよ。右利きの人だと取りやすいんだろうけど左利きだと取りにくいんだ。左利きだと気が付いてくれる職人さんだったら向きを変えてくれるんだけど……」


 お寿司の並びに気をつけたことなんかない。

 どうだったっけ?


「後、マッチもかな」

「マッチ??」

「巴さんがタバコを吸うときにいつでも火がつけられるようマッチを持ち歩いてるんだ。巴さんがライターよりマッチ派だから。でも、箱形のマッチだと、こすって火をつける面を左側にして箱を引き出すと、頭のほうが出てきちゃうんだよ」


 え、う。

 虎太郎の言うことが良くわからなくて脳内で反芻する。巴さんとは虎太郎が所属する事務所の社長さんだ。ちなみに30代後半の女性社長さん。


 マッチはこすって火を付ける道具である。

 だから当然、マッチの片面は黒板みたいなのが張り付けてある。


 なるほど、あれを左側にして箱を引き出したら、つまようじみたいな手持ちの部分じゃなく、擦って火を付ける頭の部分が出てきちゃうのか!


「日本の企業って配慮が凄すぎるよね。マッチの向きなんかどっちでも良さそうなのに」

 美穂子が笑ってそう言った。


「向き!? そんなん考えたこともねーっすよ……!」

 達樹が自分のポケットからマッチを取り出す。お前も巴さんのマッチ係をしてるのか。まぁそれはさておき。


 すり板の部分だけ空いた金属ケースに入ったマッチを左向けて箱を引き出し――。

「うぁ、まじで頭のほうが出てくる! へー、左利きってこんなちっちゃいことまで不便なんすねー」

 と面白そうに言った。


「抜き取って箱の上下を入れ替えればいいだけだから、不便とまではいかないけどね」


 そして、後日。

 スーパーで半額になったお寿司を購入したんだけど、左利きの人には取りにくい、右斜め前の配置になってて驚いてしまった。

 スーパーのお寿司も右利き優先だったのかー!


あけましておめでとうございます!!

微妙な話での年明けすいません。内容が季節に追いつかないわー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ