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モブ君(ある朝突然)絶世の美少女になる  作者: イヌスキ
十五章 ようやく夏休みです!
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ボウリングで遊ぼう(前編)

「今日はどこに行く?」


 夏休みの4日目。俺達六人は特に目的地も無いまま集まっていた。

 まぁ、友達が集まる時などそんなもんだ。

 何時にどこでーと決めておきながらも行先は未定。気分によってファーストフード店でダラダラしたりカラオケ行ったりとテキトーだ。

 下手に予定を立てると、平気で遅刻してくる問題児が居て予定が狂いまくる事があるからだ。美羽ちゃんなんか平気で2時間近く遅刻してきてたしな。


 けど、意外なことに、各々好き勝手している俺達6人は、時間にだけは正確だった。


 時間は午後1時。ご飯を食べてから集合。その号令を忠実に守って待ち合わせ場所に集まっていた。


「今日はどこに行く?」


 百合が切り出す。

「カラオケー!」

 ババっと手を上げて提案したのは俺だ。

 続いて達樹が「ゲーセン!」と続ける。

 更に美穂子が「ボウリング!」と切り出した。


 ボウリング……!?


 いいかも! やりたい!

 美穂子の提案に俺も達樹も目をキラキラさせて食いついた。

 特に反論は無かったので、みんなで一緒に夢屋の隣にあるスポーツセンターへと繰り出す。ボウリング場は8階だ。ここにはジュークボックスがあるので、年配の人たちが流すレトロな曲が流れていた。

 ゴロゴロとレーンを転がるボールの音、小学校時代から変わらない空気に懐かしくなる。

 百合が俺たちを振り返り、鋭く口を開いた。


「二組に分かれペア戦をするぞ」


「えええ!?」

「ペア戦っすか!? 虎太郎さん、スコアはいくつですか!?」

 達樹が虎太郎に問いかける。


「え? ス、スコアって何かな……? ボウリングしたことないからルールが分からないんだけど……」

「やべぇ、この人ゴミだ。竜神先輩と百合先輩のスコアいくつっすか」


「200ぐらいだったかな」

「私は190前後だ」


「……あんたらプロボウラーっすか?」

 達樹が地面に手を付く勢いで項垂れた。


「私もスコア180行ったことあるよー」

「み、美穂子ちゃんまで……、ちょっと待ってください運動神経ゴミの未来先輩とコミュ障虎太郎さんと凡人のおれがチームになったら勝てないじゃねーっすか! チーム配分は配慮してください!」


 たとえ遊びでも負けたくないらしく、達樹が食い下がる。


「グッパで決めようよ。せーの」

 俺の掛け声で全員が手を出した。


 決まった組み分けは――――――。


 俺と虎太郎と竜神。達樹と百合と美穂子だった。


 プロボウラー並みの技術を持つ竜神にくっついてるのが、全面的に足を引っ張る俺と未経験者の虎太郎。

 同じくプロボウラー並みの百合と美穂子にくっついてるのが凡人の達樹。


 ある意味、バランスの取れた布陣だった。


 両手に花状態になった達樹も特に反論せずチームを受け入れていた。


「受付は私に任せろ」

 百合が楽しそうに受付に向かう。


 百合が受付をしてくれている間に、俺達は靴をレンタルした。

 お金を払ってくれたのは竜神だ。

 「靴をレンタル??」虎太郎がむやみやたらと不思議そうにしたり、美穂子が「ありがとう」とお礼を言う中それぞれシューズを履く。


「受付が済んだぞ」

 百合が楽し気に俺達にそう言い放った。

 レーンは一番ど真ん中の、テレビ中継でも使われている一際モニターが巨大なレーンだった。超目立ちまくってる。俺としては端のレーンが良かったになぜここ!?


 このボウリング場に入ると同時に目に付く巨大なモニターに俺達の名前らしきものが並んだ。


 『ヒヨコ』、『バンビ』、『黒猫』――――そして、『ヤクザ』、『空気』、『パシリ』。


 ヒヨコはおそらくバカヅラヒヨコが好きな俺のことだ。

 バンビは間違いなく美穂子のこと。

 黒猫はどう足掻いても百合の事でしかない。


 となれば、残る男子勢の名前は一目瞭然だ。


「ヤクザはオレのことか」

「空気は僕だね」

「おれ、パシリっすか!?」


 眉間に皺を寄せることも無く竜神が言い放つ。虎太郎もまたごく当たり前のように言い、達樹は涙目で片足を踏み出しつつ叫んだ。

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