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モブ君(ある朝突然)絶世の美少女になる  作者: イヌスキ
十四章 とうとう二年生です!
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部活、発足!!!!!!!

「うっわ、やべ!」


 俺と一緒に廊下を歩いてた達樹が廊下の先に立つ梶原先輩を見つけて、慌てて俺の手を引き階段を駆け上った。


 昔、俺も所属していたサッカー部の先輩だ。たしか、今年、部長になったんだよな。


「ど、どうしたんだよ」

「何べんも断ってんのにサッカー部に入れってうるさいんっスよ」

「え? 達樹、サッカー部に入部しないの?」


「するわけねーっスよ! 中学と違って高校のサッカー部ガチでやってますもん。タリーし先輩たちと遊ぶ時間無くなるじゃねーっスか」


「部活ってのはガチでやるもんだぞ」


「そりゃ未来先輩はそうだったんでしょうけど……」


 ずり落ちそうになる肩掛けの鞄を掛けなおしつつ、達樹に引っ張られるまま階段を駆け上がる。

 竜神の秘密基地に向かってたのに、変な位置の階段を上ったせいで遠回りになっちゃったぞ。

 ぐるっと校舎を周り、一階下がって渡り廊下を通り、また一階上がる。


 ピラミッド状に机が詰まれ、天井に王蟲の目みたいな窓がある教室――今では俺たち全員が知ってるけど、竜神の秘密基地だった場所。


 蝶番からしか開かなかったドアは、竜神が修理したので今では普通に使えるようになった。

 錆びたシンクは俺が精魂込めて磨き上げたので今ではピカピカになり。

 美穂子がこまめに掃除してくれるおかげで、埃っぽかったはずの部屋は今では校内のどこよりも奇麗になってる。


 おまけに、百合が持ち込んだ家具が凄かった。

 冷蔵庫。レンジ。トースター。電気ケトル。給湯器――高そうな食器が並ぶ戸棚まで完備されてる。


 お弁当を温めることもできるし、カップラーメンを作ることもできちゃう。学校とは思えない夢の楽園なのだ!




 4月末日の放課後。


 俺達5人は、その教室に来いと百合に呼び出しを受けていた。


「遅くなってすいません!」

「待ってたぞ。これで全員そろったな」


 百合が黒板の前に立ち、席に座る俺たちを向き直って言った。


「今日集まってもらったのは他でもない、私たち6人で部活を結成するためだ」


「「「「「部活?」」」」」


 ほぼ同時に残り5人の声がはもった。


「あぁ。この教室を今以上に自由に使うため、部活という体を取る。なにか希望の部はあるか? この学校にない部活動ならどんな部にも出来るぞ」


「いいなそれ! 超楽しそう――!!」

「部活動なんて初めてだよ! 何が出来るのかな!?」

「ここにいる6人だけなら緩く活動できるからいっスね! 何にします? よっしゃ、これでサッカー部とも縁が切れる」


 俺と虎太郎と達樹が食いつく。


「はーいはーい」

「どうぞ、美穂子」


 手を上げた美穂子を百合が指さす。美穂子はまるで授業中みたいに立ち上がって答えた。


「花嫁修業同好会がいいです。未来を可愛いお嫁さんにしたいなぁ」

「却下だ!」

「え――?」

「未来と美穂子にはこれ以上なく似合う部活だが、花嫁と名の付くものに竜神や虎太郎のようなのが所属するなど人類に対する冒とくだからな」


 そこまで?


「じゃあ無難に料理部とか料理同好会とか、弁当の研究会とかでいいんじゃねーっすか?」

「却下だ」

「え、どうして?」

「私が微塵たりとも料理が出来ないからだ」

「ぼ、僕も料理はちょっと……」


 百合と虎太郎の不器用コンビが達樹の意見を却下してしまう。


「美穂子、たしか登山が好きだって言ってたよな」


 竜神が美穂子に確認する。


「うん。好きだよ。お父さんと一緒に登ったりしてるの。山って気持ちいいよね」

「なら、ワンダーフォーゲル部でいいんじゃねーか?」

「あ、いいね! 登山部ってなると未来の体力が心配だけど、ワンダーフォーゲルなら散策でもいいしね」


「却下だ」

「またかよ」

「おれも山なんてたりーっすよ……。遠足しかしたことねーし……」


 達樹まで机に伸びて文句を言いだした。


「私に至っては遠足も欠席していた。ボッチだったからな。わざわざ山くんだりまで疲れにいって、一人で弁当食べてかえってくるのは馬鹿馬鹿しい」

「僕もボッチだったけど、綺麗な景色見ながらご飯食べるの楽しかったけどな。いつも一人でご飯食べてたからボッチは苦にならなかったし……」


「そこの二人やめてください! 聞いてるほうが悲しくなります!!」



 あれじゃない、これじゃない、と、ぎゃーぎゃー話し合って、

 お茶とクッキーで休憩してまたぎゃーぎゃーと話し合って――――――。



「パラダイム概念の学説史的意義と観察の理論負荷性テーゼ部に決定だ!」


 百合が黒板にカカカカッとチョークを走らせた。




「…………私たち、どんな話し合いをしたんだっけ……?」

 美穂子が笑顔ながらも遠い目で皆に問いかける。


「こじれにこじれた事だけは間違いねースね……」


「それ、何? 何? 何をする部なの?」

 活動内容がわからないどころか、長すぎて覚えられないんですけど!


「私が部長で、竜神が副部長だ。異論は?」

「「「「ありません」」」」


 今度は俺と虎太郎と美穂子と達樹の声がはもる。


「顧問のあてはあるのか?」

 竜神が百合に問いかける。あ、そっか、部活って顧問も必要なのか。


「ある。一年の頃の担任だった山口だ。こないだ偶然に不倫現場に遭遇してな。娘と妻にばらされたくなかったら部活の顧問になってください☆キャハ☆と可愛くおねだりしておいた」


「だからなんでお前は脅迫でことを進めようするんだ……。敵が増えるばっかだろうが……」

 竜神が項垂れた。

 竜神って、前に「百合をめんどくせーって思ってるぞ」とか言ってた癖、割と本気で心配してるんだよな。

 変なタイプのツンデレだ。

 百合が本気で先生たちに狙われるようになったらがっちり守っちゃうんだろうな。


「とにかく、部活は『パラダイム概念の学説史的意義と観察の理論負荷性テーゼ部』、略してパラゼ部に決定だ。だが新入部員は認めん。希望者があっても難癖つけて断れ。以上」


 かくして、俺たち6人だけの部活、パラゼ部が発足したのであった。

 で、何をする部なの?

 誰か教えて欲しい。まじで。

部活動を募集して、結果は一週間とか言っておきながら長らくお待たせしてすいませんでした!厳正なるあみだくじの結果――――、これ、何部なんですか?ググっても私の頭ではまったく理解できませんでした誰か助けてください!!!なんてこった長い間更新停止していた天罰が下ってしまいましたこれが自業自得という罪か……!!

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