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モブ君(ある朝突然)絶世の美少女になる  作者: イヌスキ
十三章 みんなで大騒ぎ三回目
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TS子に、尻尾付きのジャンガリアンハムスターパジャマを。

「はい、竜神リクエストの白和え!」

 冷やしてた白和えを大皿に盛りつけ、ドンっと出す。


 竜神はなぜかこの白和えを特に気に入ってるようで「ボウルで食いたい」とリクエストされてたのだ。

 さすがにボウルで出すわけにはいかないけど、大皿にたっぷりだ。


「なんすかソレ。ばばくせー」

 人の食べるものに達樹がいらん口を出す。


「白和えだ。うめーんだぞ」

 竜神は文句を返す暇も惜し気に、さっさと食べだした。

「……一口、下さい」

 いつのまに席を立っていたのか、竜神の真後ろに立っていた達樹が大皿から白和えをつまみ食いする。


「――――――。まじだ。美味い」


「よこせ」

「私にもー」

「ぼ、僕も」


 便乗して百合、美穂子、浅見も白和えを食べて――――。


「美味いな」

「美味しいー! 味が濃厚! どうして?」

「――――!!」


 三人とも喜んでくれた、のは、いいけど、それ、竜神が誕生日に食べたいって言ったおかずなんだけどな。


「竜神先輩、ちょっと分けてください」

 遠慮も会釈もなく、達樹が棚から小皿を取って竜神に差し出す。


「私は半分でいいぞ」

 棚から大皿を取った百合が続ける。

「半分もやるわけねえだろ」

「おれは六分の一でいいです!」

 達樹、遠慮しているつもりかもしれないけど、すっげー厚かましいからな。


 竜神はしばし躊躇ったものの、達樹、百合、食べたがってるのに遠慮してた浅見と美穂子にまで白和えを分けた。

 結局、竜神の手元に残ったのは、ごく一般的な一人分。


 浅見や美穂子が気を使わないように無表情を決め込んでるけど……。

 竜神、すっげーがっかりしてるな。


 誕生日なんだから独り占めしてよかったのに。

 自分が食べたかったものまで分けちゃうとは、兄ちゃん気質って損するなぁ。

 また明日にでも作ってやろっと。



 ご飯が終わると、後片付けは達樹がしてくれた。





 食後のお風呂タイム。


 俺のジャンガリアンハムスターパジャマには、なんと尻尾がありました。

 美穂子にムニュっと握られ引っ張られてから気が付いたんだけど。


「………………」


 お風呂に一番最初に入ったのは俺で、次に美穂子、百合――。


 ジャンガリアンハムスターパジャマをまとい、リビングに置いてる2mはある大きな姿見の鏡の前に立つ。


 尻尾……かわいいな……。


 腰を左右に振るとツンと尖った尻尾がふわふわと左右に揺れた。


 ジャンガリアンハムスターって可愛いよなぁ。飼ってみたい……けど、寿命が2年しかないんだよなあいつら。2年程度で死なれたら立ち直れないから絶対飼えないよ……。


 でも、こんな尻尾をいっぺん触ってみたいなぁ……。


 無心に考えつつ揺れる尻尾を楽しんでる。と。


「うや!? な、なんだよ、なに見てんだよ!!」


 お風呂から上がった皆が俺を見てた。


「尻をふりふり踊っているのに見るなというほうが無理だろうが。可愛かったぞ。竜神と美穂子がいなければ襲っているところだ」


 百合がごく当たり前のこと、と言わんばかりの口調で言い放ってくる。


「踊ってたんじゃないよ!! パジャマの尻尾が可愛かったから動かしてただけだ! 変なこと言うな!!」


「お、踊ってたんじゃなかったの!?」

 美穂子がものすごく驚いた。


「違いますけど」


 しばし沈黙があり。


「竜神先輩……すげーっすね……、あんな無自覚でアホなのに、よく妊娠もさせず一緒に暮らしてますね……」

 達樹が心の底から感心したみたいに言い放った。


「お前! 先輩に向かってアホって何だアホって!!」


「いいから達樹に跨るな!」


 達樹の上に乗って襟首を引っ張り激怒した俺を竜神が抱えあげた。

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