↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不幸の取り除き方と不幸との付き合い方。  作者: さんまぐ
不幸の取り除き方。/己を知る高尾一。/相談者・高尾一と山田満。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/38

第9話 高尾一からの相談。

季節が盆を終えて処暑を過ぎた頃。

まだ暑い日の中で、高尾一は申し訳なさそうに山奈円に声をかける。


「何?改まって。辞めたいとかはやめなさい。お給料の交渉は春まで待つ。それ以外なら聞くわよ?夏バテ?焼肉?もうchowderのせいで忙しいからいいわよ」


一気に捲し立てる山奈円。

もうそれだけで疲労が溜まっているのが良くわかる。

今週は相談料だけで三十万近く稼いだ。


その他は成功報酬と失敗報酬で高尾一の年収は手に入れてしまっている。


高尾一は申し訳なさそうに、「友達から相談を受けまして……、それでどうしても不幸の願いが始まってる気がしまして……」と言うと、山奈円が「まさかchowder?」と聞いてくる。


「話を聞く感じは……、俺をchowderに誘ったのと同じ相手から、招待メールを貰って始めたらしくて……、この前久しぶりに会ったらやつれていたから……」


高尾一の説明に山奈円が食い気味に「やめさせなさい」と言うと、もう一段申し訳なさそうに「それは言いましたが……」と言った後で、「会って貰えませんか?」と言ってきた。


高尾一の熱心さに思う所のあった山奈円は、「まあ頑張ってくれているから善処はする」と言うと、「男友達ならパス。女友達でもパス、彼女なら会うわ」と言った。


高尾一は言いにくそうに「彼女じゃ……ありません……」と言って小さくなる。

会って欲しいが彼女ではない。

それで困っていると顔に書かれている。


「じゃあ女友達?」

「はい」


山奈円の「恋人になる可能性は?」という問いに、高尾一は真っ赤になって「俺ですよ!?そんな事ありませんよ!」と言ったが態度から答えは出ていた。


山奈円は「今からで、焼き鳥屋で、一杯呑みながらならいいわよ。完全な仕事ではなくね」と言うと立ち上がる。


高尾一は「聞いてみます」と言って携帯でメールを打つと「7時にならこっちに来れるそうです」と返事を見て言った。


商店街にある地元の人間しか行かない焼き鳥屋「鳥王」は今日も地元民で賑わっている。

高尾一も商店街の清掃を手伝ったりしているので見知った人達もいる。


「よう!円ちゃんじゃない!どしたの?社員研修?」


酔っ払った文房具屋のオヤジが声をかけると、山奈円は「晩御飯と青春の悩み相談と半分仕事」と言って、生ビールと焼き鳥の盛り合わせを頼む。

お通しと生ビールが出てきて乾杯をすると、山奈円は一気に半分飲んでしまう。


「今日も酒が美味い」


そう言って漬物の盛り合わせも頼んだ所で、高尾一の携帯には相手が駅に着いたことを伝えてくる。

場所を言うと、それから15分して恐る恐る扉を開けて可愛らしい女の子が店に入ってきた。


山奈円が「来たようだね」と言うと、高尾一は振り返って「こっち!」と女の子を呼ぶ。


女の子は酔っ払い達の好奇の目や値踏みするような目を見て怯えていたが、山奈円が「おばちゃんにチクるよ」と言うと、酔っ払い共は「いけね」と言ってチューハイを飲んで誤魔化した。


そこで山奈円が「ほら、高尾君が仕切る」と言った声で高尾一は慌てて女の子を席まで連れてくると「山奈さん、この子が相談したい友達の山田満《やまだみちる》です」と言う。

山田満は「はじめまして。一《はじめ》の友達の山田満です」と言ってお辞儀をすると高尾一は「満、この人が俺の勤め先山奈相談所の所長さんの山奈円さん」と言って紹介した。


「一」と「満」、名前で呼ぶくらいには親しい仲。

山奈円はニヤリと笑うと「やまだ……みちるちゃんね」と言って「少し食べましょう?食べられないものはある?」と聞くと山田満はどれも食べられると言うので、焼き鳥の盛り合わせと生ビールを頼んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。