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地球に落ちた守護天使  作者: 金子文誉
5/10

守護霊らしいこと

 守護天使に続き、守護霊が現れた。

 守護霊は数々のことをし始めた。

まずは掃除である。

 現代の洗剤やモップ掛けなど容易にかつ短時間にできるはず。とはいえ、真田真の自室はすでに片付いている、というか物を置かないので散らかりようがない。

「おかしい。兄真が主夫の研修を受けているようにしか見えない」

 というわけで、却ってあまりしてなかった雑巾がけを試みてみる。

 副次的に足腰が鍛えられる。

「これはいいかもしれない」

 が、凝ってしまいこじらせる可能性。外出時、一家で買い物でホームセンターへ、洗剤がどうのとか、重曹とかクエン酸とかドラッグストアで見るようになる。

 次に行ったのは、書写である。論語や経文、古文なんかを、普段の時間は勉強をしているから土日・祝日にリビングのソファの前に置かれたテーブルに、正座をして始める。

「これはいいかもしれない」

 そこから自分の勉強に生かすようになる。勉強方法としてはベーシックだが温故知新的に有効活用へ。

 さらには音読。

「これもいい」

 図らずも守護霊を師匠というか先生みたいに敬う方向になりつつある。

敬慕が募って恋心になってしまってはファンタジックなラブストーリーになるのはやばく、守護天使的にも地位が危ぶまれる、かといって守護霊の邪魔をするとか天使の名折れみたいなことはできない

「人間である私なら道を外れようが天使様が保険をかけてくれれば」

 と義妹勇む。

 勉強の時間が伸びて他のことに手が回らないようになるのも

「いささか不均衡か」

 と守護霊。

 真田真にしてはいい勉強方法が確認できたレベルで周りが大騒ぎしすぎ。勉強方法の改善の結果、フリーな時間が増える。

 こうなってしまっては守護天使や守護霊がやんややんやと騒ぎださないように自ら顧みるつもりも頭をよぎったりよぎらなかったり。

 さらには進路に悩み始める雑誌やインターネット検索で転職や独立なんか、あるいは会社の設立の仕方とか。ハウスクリーニングなら今からバイトを始められるし、その分貯蓄に回してフランチャイズのオーナーになってというのもありなのでは。だとしたら、会社法とか商法とか。そうなれば結局は今の志望もあながち捨てきれない。

「法に詳しい、司法書士・行政書士になってのハウスクリーニング店の経営。悪くないな」

 真剣だからなおさら今からそう決めつけなくてもと方向転換させようとする。

「こういう時こそ守護天使が誤った道に迷いこまないように導くのでは」

 守護天使の見方。

「将来に備えるという点は安心だけれども、今の段階で凝り固まってしまうのはどうかと」

「私としても実利的に回られたのでは本末転倒」

 とは守護霊

「身から出た錆じゃないんだから。むしろいい意味で朝三暮四くらいの頭のやわらかさでもいいのではないかとさえ」

 これはあくまで守護霊の指南する作法の一つ。

「ほかの修練をすると視野が広がるかも」

 ということで修練の続きへ。


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