表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球に落ちた守護天使  作者: 金子文誉
3/10

さんざんなリエル

だからというか、当然というか、高校生の真田真が登校している間、守護天使リエルはただひたすら他の人に見られないように大野家宅にじっとしていることを強いられた。

「引きこもりの天使」

 だとか、

「守護天使ならぬ自宅警備員とジョブチェンジしたら」

だとか、さんざん言われようが、この天使めげるなんてことはなかった。どうせ現れてコミュニケーションできるのだからと、

「真田真さんのためになることを考えよう」

と、ブランチにはあの店のパンケーキをお取り寄せ、昼食にはカップラーメン二個、おやつには某ハンバーガーを宅配と下界を満喫し始めていた。

「そんなに食ってるから幼児体形がキープされてるんじゃないか」

 真田真から批判されようが馬耳東風。

「現れたのなら、ご指導というか、お導きとかあったもいいんじゃないか?」

 と言われてようやく、

「天使は全部を教えてはならないというお達しがある」

 と答えたくらいである。この天使は本当に免許取得の教習や研修を受けたのだろうかと真田真が思わないはずはなかった。

「導きというのなら、真田真さんの夢は本島は何ですか」

天使からの逆質問である。彼とて進路は考えていた。進路希望調査にも記入はしているし、大野家の人々にもすでに伝えてある。ところが、

「このまま突き進むのなら、試験当日入試会場へ向かう公共交通機関を不通にし、遅刻させた上に腹痛急上昇にさせ、焦ったとたんに五指すべて突き指させて断念させますよ」

 天使ではなく悪魔の所業を言い放ちやがった。本当の夢と言われても、大野家に迷惑をかけるような進路であってはならず、それにできるだけ早く独り立ちできるような就職先まで見据えた進路にしなければならないと彼は考えていた。

「ね、お金の心配はないの。だから、あなたの好きなことを、楽しみたいことを選んで」

「そのロリの言うとおりだぞ、ロリに教えを乞うようになるとはな、まだまだだな真」

 と、義母、義父に言われても、金があるとかないとかの問題ではなく、きちんと就業するための進学は変わりない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ