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地球に落ちた守護天使  作者: 金子文誉
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守護天使リエル

「誰なんだ、お前。なぜ、ここにいる」

 立っているのに立ちくらみみたいな感覚の後、この立ちくらみから頭痛へのポールシフトでベッドに倒れ込みたいのに、そこにおわしまする天使様にフライングボディアタックをするわけにもいかず、こらえるしかない。

 リエルと名乗るこの天使、どうやら意図せず守護しているはずの真田真の前に現れてしまったらしい。となれば、とっととお帰り頂くことをお願い申し上げるところだが、

「お守りするのがお役目なので、せっかくですから」

 と理由なのか屁理屈なのか、強硬に居座ることを主張した。厄介になっている一家が許容してくれたので、結局はこの小学生くらいの自称天使は大野家にいることになった。真田真にとって唯一のメリットは家族に隠さなければならないというストレスがないということだった。

 真田真の部屋で二人きりにならないように、リビング。大野家の人々は真田真の部屋に天使がいてもいいんではと思うものの、本人が断固として拒否、義妹かるたでさえも

「天使とかってレアだし、治外法権なんじゃないの」

 と寛容な姿勢を示した。義妹かるたが「兄真」と呼んでいるのは、「真兄」から「兄様」、そして「兄真」へと変遷した結果である。中学生の考えることは天使が出現するのと同じくらい不可思議である。

 ちなみに、真田真が大野家に居住している理由は、彼の両親が簡単に言えば養育できない状況に陥り、知り合いだった大野家が引き取ることになったというわけである。だから、真田真はできるだけ大野家にご迷惑をかけたくはないのだ。だから大野家が遠慮しなくてもと言ってくれていても、そうは受け取れなかった。これがもう三年になる。

 というのに、唐突に現れた天使とやらが天使のくせに厄介ごとになってしまった。天使らしい珍しい術も何も見せてくれるなんてことはなく、さらには弓や矢を「危ないので」と持っておらず、「使えない天使」の烙印を押されるかと思えば、エアコンの上部、天井の電気交換などなど脚立を出さずに済ますことができるなどの翼があるから飛んで処置できるという点で使える天使をかろうじて保つのだった。


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