同じ人間とは思えないくらいキレイ
いよいよ図書館ダンジョン入場です。
イメージ的には「レイダース」とかに出てきた、イギリスにある古い図書館のイメージです。
でももうああいった図書館ってないですよね・・。
ふぉおおおお~!
私はまた変な声を出してしまった。
なぜならとてもキレイな女性がいたからだ。
目が洗われるというか、まわりの空気までキラキラになるというか。
ほめる言葉が「キレイ」しかと出てこなくて情けないけど、私が今まで見たことがない本当に美しい女性がいた。
「しっ、あの方がこの図書館ダンジョンの主。レイティアおねえさまよ」
「あるじ?」
私はもう一度、レイティアおねえさまを見た。
姉より少し年下に見える。私より2~3歳くらいしか違わないのに、こんなに大きな建物の主なんてすごいなあ。うわさに聞く「貴族」って人なのかな?
レイティアおねえさまは入口でダンジョンを訪れた女性たちに、微笑みながら赤い表紙の本を渡している。
たぶん私にも渡してくれるのだろう。
積まれた本を順番に渡しているみたいだけど、簡単な本だといいな。
私はお姉ちゃんに教えてもらって字は読めるけど、本は2冊くらいしか読んだことがないから。
難しいことが書いてある本だと読めないかも。
「あら。あなたは初めてね。…ではこちらをどうぞ」
「は、はひ」
近くでみたレイティアおねえさまはやっぱり同じ人間とは思えないくらいキレイで、緊張した私は返事が変になってしまった。
せっかく受け取った本を落とさなくてよかった。
姉も本を受け取り、私たちは中へと入った。
「うわぁー本が凄いいっぱいある!」
「しー静かに!」
私たちが入った部屋は広く天井も高く、私の家がすっぽり入ってしまうくらいの空間があった。
壁は書棚っていうのかな?本がぎっしりと詰まっている。
あんな高いところにある本をどうやって取るんだろう?
そして床にもまるで迷路の壁のように本の入った棚がある。
この部屋だけでもいったい何冊の本があるのか、見当もつかない。
部屋の中にはちらほらと他のお客さんの姿も見える。
みんな大きなスライムみたいな柔らかそうなクッションに、身体を半分埋めるみたいな感じで本を読んでいる。
私も座ってみたいなーと思った。空いてるクッションは勝手に座っていいのかな?
「お姉ちゃんはどんな本をもらったの?」
「私は今読んでる本ね。なかなか来れないから、あまり進んでないの」
「へー適当に本を渡してたみたいだけど、ちゃんと選んであるんだ。
すごいねー。まるで魔法みたいね」
私がそういうとお姉ちゃんはちょっと困ったような変な顔をした。
「う、うん。
じゃあせっかくだから早く本を読みましょう。
2時間くらいでお昼ご飯食べて帰るからね。
あっちが空いてるかな?」
私はお姉ちゃんに連れられて二つ空いてるスライムみたいなクッションのところに来た。
さて、どんな本だろう?
私は少しドキドキしながら表紙を開いてみた。
…おっ、これ面白そう。
物語の本だ。
私、これ好きかも。
◆
「あれ?痛たたた。なんか体が痛い!首とか肩とか痛い」
私はまだスライムみたいなクッションの前に立っていた。
これから座って本を読もうと思っていたのに、なんかすでに体が痛い。
でも本は面白かったな。
あれ、ひょっとして私はクッションに座らずに立ったまま本を読んじゃった?
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元になった作品「誘惑者ズレヒゲ」
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