表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

言ってることの半分も分からなかった

図書館ダンジョンの説明会です。しばらくは1日2話で頑張ります。ストックが続く限り!

不思議に思う私に、受付にいた女の人が私が書いた書類の続きを書き終え、にっこり微笑んでくれた。


「妹さんに攻読者の説明をした方がいいかしら?」


「はい、お願いします」


「では改めて、シムベナ図書館ダンジョンにようこそ。


あなたは冒険者ではなく、攻読者となってダンジョンの本を読んでください。


どの本を読めばいいかは、この先にいらっしゃるレイティアおねえさまが選んでくれます。


本棚にもいろいろ本はありますが、レイティアおねえさまの選本に間違いはありません。


本は大切に読むように。


興奮して投げたり、折り目をつけてはいけません。


読み終えた本は、あなたのものになります。そしてダンジョンの外に持ち出せるようになります。


言い換えると、最後まで読み終わっていない本は、持ち出すことができません。


時間が無くなって最後まで読むことができない場合は、レイティアおねえさまが預かってくれます。


別の日に来た時にちゃんと手渡してくれるので、心配しなくても大丈夫です。


読み終わっていない本を図書館ダンジョンの外にコッソリ持ち出そうとしても、入り口を通ることはできません。


それが絶対のルールです。


ダンジョンから持ち出してきた本は、そのまま自分のものにしてもいいですし、こちらで買い取ったり貸し出しの仲介もすることができます。


あの掲示板に依頼が貼ってあります。『求ム!』の依頼が貼ってある本だと高い値段で買い取ってもらったり有料貸し出しができることがあるので、ダンジョン入室前に確認することをおススメします。


あとダンジョン内にはほかにも攻読者たちがいますが、基本的には不干渉でお願いします。


どこ攻読者がどの本を読んでいたかとか外で言いふらすのはマナー違反です。


他にも自分が前に読んだ本を読んでいる攻読者に本のあらすじを無理やり教えたり、好きでもない本を無理やり勧めたり、攻読者の読んでいる邪魔をすることもマナー違反です。


なお本を夢中になって読んでいる攻読者は、たいていバカみたいに強くなっています。


押しても動きませんし、剣で刺しても剣の方が折れます。


夢中になって本を読んでる攻読者にちょっかいをかけたバカな大男が、腕のひと振るいで15メルも吹っ飛ばされたこともあります。


なぜこんなことが起きるかはわかってません。


自分が被害者にならないよう、気を付けてください。


ダンジョン内での争いごとには図書館ギルドは感知しません。


なお本を読まない邪魔な男がちょっかいをかけてきたり攻読の邪魔をしたら、ぶん殴って問題ありません。


最悪、殺してもレイティアおねえさまが何とかしてくれます。


図書館ダンジョンでは攻読が尊ばれます。


図書館ダンジョンでは攻読の実績がすべてなのです。


それでは良い攻読を」


受付のお姉さんがニッコリ微笑んでくれる。


難しいことを言われたわけではないのに、なんか言ってることの半分も分からなかった気がする。


でもなんだか楽しそうな予感!


私はワクワクしながら姉の後について、図書館ダンジョンの入り口へと向かった。

「面白い!」「続きが気になる」と思ったら、☆☆☆☆☆で評価をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ