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剣の練習

「で、なんで私があなたと同じ部屋に泊まることになったわけ。」

 マリーは怒りを通り越してあきれている。

「しょうがないだろ。泊まらせてもらう身としては贅沢が言えないから。」

 国王の指示により僕らはリンドブルム中心街の宿泊所に宿を取ってもらった。しかし、あとひと月で航空祭と呼ばれるお祭りがリンドブルムで行われ世界中から人々が訪れるために宿がとりづらくなんとか二人部屋がひとつ開いたという訳である。

 ちなみに岩永はリンドブルムの文献を城で読んでいる。魔法についてや科学技術について詳しく調べるために王立図書館に特別な許可をもらってこもっているのだ。あそこは岩永の巣となることが決定してしまった。

 部屋にはベッドが二つ並んでいる。決して豪華というわけではないが簡素な作りをしているいい宿屋である。

「変なことしたら、ぶつぎりにするからね。」

 ベッドに腰をかけながらマリーはこちらを牽制しながら荷物をその場に降ろす。

 へんなことしたらほんとにぶつ切りにされそうだと恐ろしく思う。

「でもよかったわね、航空祭を見られるなんて。このお祭りは人気でなかなか観戦もできないのよ。」

 マリーはベッドにそのまま寝転ぶ。

「どんなお祭りなの。」

 僕は少し興味が出てきて身を乗り出しきこうとする。

「リンドブルムの航空部隊によるパレードや剣による大会がおこなわれるわ。三日間行われるこのお祭りで一番盛り上がるのは最後の日の飛行レースよ。空竜に乗ろうが飛行船を使おうが自由だけどみんな竜に乗るわね。空竜の方が速いからね。」

「せっかくだから飛行レースに出ればいいじゃないか。クルーもいるんだし。」

 僕はベッドの縁に腰掛ける。

「いやよ。自分の祖国がなくなったのに、そんなに浮かれて遊ぶつもりにはなれないわ。」

 マリーは本当に嫌そうな顔をする。僕は自分のことを嫌悪する。

 そうか、マリーは親代わりに思っていた人をいっぺんになくしたんだ。

 そう思うと自分の発言が非常にあさはかなものに思えてくる。

 マリーは僕と同じぐらいの年なのに騎士団の団長をつとめている。そのつらさは想像を絶するものがあったであろうことは肌で感じ取れる。マリーは確かに強い。しかしその中に繊細なものがあることを感じ取れるのは僕だけだろうか。

 僕はつい口に出してしまった。

「僕も剣の大会に出るからマリーも飛行レースに出たらいいよ。」

 口に出してから僕は後悔する。

 僕はなにを言っているんだ。

 しかし口から出た言葉は取り消せない。いくら剣道部に中高入ってきたからといって真剣で切り合っている人たちにはかなわないことはわかっていたはず。しかし既に声帯から出た空気の振動はマリーの耳に届いてしまった。

 マリーは僕の元気づけたいという気持ちが伝わったのだろうか。急に顔を上げる。

「ほんと!ヨウイチが出るのなら、私も出ようかしら。もちろん剣の大会の方にね。」

 という。突然元気を出すマリー。なにかが心に響くものがあったのであろうか。

 今更やっぱりやめたとはいえない空気である。

「じゃ明日からちょっと練習しましょ。手加減はしないからね。」

 マリーは嬉しそうにいう。

 女の子の笑顔は反則だ……。

 抵抗することもできずに僕はうなずくしかなかった。



 岩永はついに昨日の夜は帰ってくることはなかった。とはいってもマリーと僕に色っぽいことはなく非常に健全なものだった。次の日は朝から晴天。ザックス大将に剣の大会に参加する、と相談すると両刃をつぶした剣と防具を貸してくれた。そのときザックス大将が岩永から預かった手紙を渡してくれた。


『今、研究室でいろいろやってる。石油がとれることがわかったので、石油を蒸留してるとこ。三日にいっぺんは連絡を入れる。今すごいことを企んでいるから期待しろ。』


 とのみ書かれていた。岩永のことだから本人の心配は全くしてない。しかし研究室を爆発させてしまうのではないかと自分は本気で周りの人の安全を心配している。

 ザックス大将は本当に言葉の通りがっくりと肩を落とし疲れた様子である。

「岩永殿とシド公はなにか企んで常に研究室にこもりっぱなしです。いろいろ仕事がたまってきているのですが。」

 と僕らに愚痴をこぼす。

「すみません友人代表として謝っておきます。あいつが手に負えなくなったらいつでも返品して下さい。」

 と僕はザックス大将に頭を下げる。あいつと同じ世界の人間としてPL法は僕に適用されるだろうか、と考える。

「いやいや、山川殿や岩永殿には全く落ち度はありませんよ。もう少しシド公に国王の自覚があるとよろしいのですが……。」

 ザックス大将は気分をかえようとしたかのように話題を突然変える。

「ところで山川様とマリー様は武闘大会に参加するご予定ですか。」

「そうよ、突然昨日ヨウイチが参加したいって言ったから。」

 マリーは自慢げに答える。

「では、私と対戦することになるかもしれませんな。片腕、隻眼とはいってもまだまだ若いものには負けませんですぞ。この勲章の数はだてではないですよ。」

 胸の勲章を誇るようにザックス大将は胸を張る。きらりと光る勲章がまぶしい。

「では当日は正々堂々勝負をお願いします。マリー殿、黄色い死神の二つ名の力を楽しみにしていますぞ。」

 といって去っていくザックス大将。心なしかさっきより背中がしゃっきと見える。

 黄色い死神の単語が出たときにマリーのかわいらしい眉間にかすかなしわが寄った。しかし、すぐにマリーは顔の表情をつくり直す。

「自信ありげって顔ね。でも私は負けないから。」

 誰に言うとでもなく話すマリー。

 マリーは昨日と違って参加して優勝でもしようという気が満タンである。

 近くの広場に移動した僕らは剣の練習を始める。

「まず、ヨウイチはどのくらい剣を使えるの。ちょっぴり?それともばっちり?」

 マリーは大剣を手に取る。僕は使い慣れている竹刀に似ている細身の軽い剣を選ぶ。

「真剣は使ったことはないけど、剣術の練習なら五年はやっている」

「じゃあ十分ね。一回本気で手合わせしましょう。ちゃんとよけないと骨折するから気をつけてね。」

 マリーはさらっと恐ろしいことをいう。確かにマリーの持っている大剣は重さといい、迫力といい直撃を受ければ間違いなく僕の骨を砕くであろう。

「さっきの黄色い死神ってどういうことだい。」

 僕はマリーの地雷かもしれないなと思いながら好奇心に負けてそのことを聞いてみる。

「そのままよ。私は戦場で黄色い死神ってって噂されているの。ちょっと誇張がはいっているけどね。それに私はその名前は好きではないわ。こんなにかわいい少女を捕まえて死神だなんてね。」

 というと同時にマリーは大剣を持っていているとは信じられない速度で僕の間合いに踏み込んでくる。

「右わきがあまい。」

 マリーの声とともに剣が僕の右わきに向かって切り上げてくる。剣道とは違う斬撃の方向に僕は驚く。持っている剣でいつもの剣道のようにマリーの剣を払いのけるが、剣の重さが違うため僕の方が大きく左にバランスを崩す。あわてて大きく左に足を踏み出すがさらにマリーは追撃を繰り出してくる。どうしようもなく僕は一足飛びに間合いを取る。

「そこそこやるわね。」

 マリーは生き生きとしている。

 先手必勝と今度は自分から仕掛けていく。剣道の基本どおりにすり足で近づく。素早くマリーが大剣を振り切る前に幾度も細かくマリーの大剣をたたく。マリーはわずかに体勢を崩す。決めれる、と思った。がマリーは大剣を持っているとは思えない身の軽やかさで後ろに飛ぶ。大きく前に突っ込んだ所にマリーが大剣を払い僕の剣をはじき飛ばす。

 僕の剣は宙を回転しながら飛んでいく。

「勝負あったわね。」

 マリーは剣の先を僕に向ける。

 ここまですっぱりとまけると逆に清々しさを感じるな、と僕は思ってしまった。

「さあ、一ヶ月練習して優勝するわよ。」

 マリーはさらさらの髪を払い、笑顔を僕に向けてくる。

 マリーの顔はやっぱり夏の太陽よりまぶしかった。



 昼ご飯を食べる以外は休憩を取らず、太陽が沈みつつある夕暮れ時になってようやく僕らは宿屋に帰ってきた。僕の全身は青あざだらけ。手は豆だらけ。もちろんマリーの白い肌には青あざひとつもついていない。マリーのために手加減したといえるのならかっこいいのだけれども、僕はにそんなつもりは全くなかった。

 宿屋に帰ると僕らあてに醤油が届いていた。この世界に醤油?と思ったが岩永からの届け物である。

 あいつがすることはどんな不思議なことでも納得。

 さらに一枚のメモがついていた。


『俺が作った、人工醤油だ。大豆が売っていたからそれから大豆淡白を抽出して塩酸で高圧加水分解を行った後に水酸化ナトリウムで中和した。それに果糖なんかを加えて味を整えたものだ。毒になるものは使ってないから安心して使ってくれ。懐かしい味がするぞ。』


 とのことである。びんに入った黒い液体は確かに醤油でありにおいも確かに醤油であるが製造方法に一抹の不安を僕は感じる。というより塩酸とか水酸化ナトリウムは食べ物ではないだろ。毒でないって、水酸化ナトリウム飲んだら人間死ぬのじゃないか。高圧加水分解ってなんだ。これ食べても大丈夫なのか。

 と思っている所にマリーがやってきてメモを読んだ。

「これがヨウイチたちの世界の調味料なの。これを使って何か料理を作ってよ。」

 マリーは無邪気に喜んでいる。しかし、岩永の奇行を思ってみるとなんだかあまり食べる気にならなかった。さっそくマリーは買い物にいこうと出かける準備をしている。結局マリーの思いをむげにする訳にもいかず僕は岩永印の醤油を使うことにしたのだった。

 僕はそんなに料理が得意ではないので失敗することの少ない肉じゃがを作ることにした。タマネギ、ジャガイモ、ニンジン、牛肉等の材料はもとの世界と同じように手に入る。しかしマリーの料理の下手さには正直参った。包丁というものはないのでナイフで調理をするが、ジャガイモの皮を剥くとジャガイモの身がなくなる、手は切るなどの散々であった。短刀の使い方はうまかったが、料理ナイフはさっぱりであった。

 まあ、そんなこんなでしっかりと料理を作り終えた。以外と岩永印の醤油はおいしくマリーは肉じゃがも気に入ったようだ。

 そのとき扉をノックする音があった、

「俺だ、俺。」

 岩永の声だった。

 鍵をあけると岩永がお供のジュラルミンケースと共に部屋に飛び込んできた。

「いやー、思った通り肉じゃがを作っているな。俺の分もあるかい。」

 岩永は鍋のなかを覗き込みおいしそうに目をつぶってにおいを嗅いでいる。マリーが皿に肉じゃがをとり岩永にスプーンとともに渡す。

「サンキュー。」

 という岩永。

 ご飯のある所に駆けつける。ハイエナのようなやつである。

「そういえばマリー先に湯につかってきたらどうかい。なかなか湯に入る機会もないだろう。僕らはまた後で入るから。山川と一緒に剣の練習をしているのだろ。さっぱりしてこいよ。」

 岩永がただで人に気を使うはずはないので僕はなんとなしに目を細めて岩永を見つめる。

 気づいているだろうに岩永は白々しく口笛を吹いている。

「そうね、ありがたく先に入らせてもらうわ。タカオは今日、ここに泊まるの。」

 マリーは疑いもなく洗面用具を持って、岩永に聞く。

「いや残念だけど今日も研究を続けたいんだ。シド公に科学の講義、性フェロモンと人間について、核融合とその爆発力について教えなければいけないんだ。」

 あのー岩永君、えらく偏っていませんか。その講義の内容。心の中で突っ込みを入れる。

「残念ね。二人でつもる話でもするんでしょう。私はお邪魔だから一時間はゆっくりと湯に入ってくるわ。」

 そういってマリーは手を振りドアの向こうに消えていく。

 ぼーっと、マリーの出て行った後を見ていた僕を岩永が肘で突っつく、

「ほれたな。」

 ビクッツと体が反応する。

「そんなことは……。」

「あるだろ。」

 岩永は笑って僕をつついてくる。

「要一は本当にわかりやすいな。まあ頑張ることだ。いつでもホレグスリは作ってやるから。フェニチルアミンとカフェインがたっぷり入ったチョコレートでどんなやつでもいちころだぜ。」

「遠慮しておくよ。」

 僕の目はそのとき氷よりも冷たかったんではないかと思う。

「それよりも興味深い話を聞いたんだが。」

 岩永の顔は突然緊張感を増したものになる。

「ドールを攻めてきたエスタの国については知っているな。そこの国がドールを併合したというニュースが飛び込んできた。」

「戦争に勝った国が戦争に負けた国を併合することに何かおかしなことがあるのかい。」

 僕はこの話に何も不思議な所を見いだせなかった。

「いや、その国の王がどうも実はこちらの世界の人物ではない可能性が出てきた。」

「どうしてわかる。」

 僕は岩永の妄想癖がまた始まったとぐらいしか思っていなかった。

「どうもエスタとの貿易品の中にここの世界の技術レベルでは到底作れそうにないものが混じっている。」

 僕は岩永に身を乗り出す。

「それはほんとうか。お前の勘違いということはないのか。」

 僕は信憑性が出てきた話をつぶさに聞いてみる。

「俺の科学力をなめんな。それが時代に合っているものかどうかはすぐにわかる。」

 それは重大なことだと思いつつ、ひとつの疑問が頭をよぎる。

「なぜ、エスタの国王が僕らの世界の人間だとわかる。エスタの他の人間が僕らの世界からきたひとかもしれないだろう。」

「どうも、エスタの国王は三年前革命で国王になったらしい。それに加えて、どうも僕らの存在を知っていて会いたいと言っているようだ。これだけでは弱いがな、怪しさがぷんぷんする。」

 僕は、岩永の話をあまり信じていなかった。

「その顔は俺の話を疑っているな。俺が今まで嘘をついたことがあったか。」

 まずその話自体が嘘である。すらすらと出てくる嘘に僕はあきれる。

岩永は持っていたジュラルミンのケースから古ぼけた汚らしい本を取り出して僕に見せる。

「ここを見てくれ。」

 そこには次のような一文があった。


『……現在、異世界から訪れる人物は少なくなっている。しかしそのような人々がたまに存在することは事実である。異世界から現れる人物は科学と言われる奇妙な術を使う。逆に一般の魔法具とは相性が悪いことが多い。特に魔法が暴発することが報告されている。』


 僕は不意に心臓の鼓動が早くなった。思い当たることはままある。僕は魔法具を普通につかうことができなかった。岩永は普通に使えたがこいつは存在自体が規格外であることを考えると、この本の記述には全く不自然な所はない。


「最近エスタの国力が増大してきていることにも関係があるのではないかと俺は思っている。軍隊も増強を重ねていて、シド公も警戒しているとのことだ。」

 僕はこの話に何か漠然とした不安を感じた。

「この世界と僕らの世界をつなぐものがなにかはわからないが、この力がこの世界のバランスを崩しつつあることは確実っぽい。」

 岩永は肉じゃがを口に運びつつ僕に話を続ける。

「それはなんか僕らに関係があるのかい。」

 僕は関係がないよ、という答えを期待して岩永に聞いたが、

「関係はおおありだ。僕らがここにいる時点で大問題だ。僕らの世界とこちらの世界が行き来できるようになったということだ。どちらの世界にも大きな影響が出る。現実に二百五十年以上戦争の起こっていないこの世界で昨日ひとつの国が消えた。それに城の模型を見ただろ、偶然の一致ではすまされないぐらいだ。」

 と岩永はジャガイモを口に入れたまま話す。

「まだこの話はシド公にもしてないがな。とりあえずお前には知ってほしいと思って話したということだ。」

「そんなに簡単にはいかないってことか。」

 僕は話の複雑さについていけない。しかしちょっとがっかりする。手から火の玉が自由自在に出せたりすればどんなに楽しいことだろうと思ったのだけれども。

「そろそろ俺はまた城の研究室に戻らなきゃならんが。」

 肉じゃがを食べ終わった岩永は立ち上がり、ジュラルミンのケースを手に取る。

「マリーをデートにでも誘ってしまえ。」

 僕の顔が一瞬で熱くなる。岩永から見たら僕の顔はどのように見えるのだろうか。

「お前の顔真っ赤だぞ。」

 以心伝心のように岩永がつっこんでくれる。

 笑って岩永は扉を開けて出て行こうとする。

 人の心を読むなよ、と僕は思う。

 そのとき昼のマリーとの会話が思い起こされる。

 僕は岩永にどうしても聞きたくなる。

「岩永、マリーが黄色い死神って呼ばれていることは知っていたか。」

 僕の言葉に岩永は何も驚きを見せない。

「ああ、シド公に聞いたがマリーはドールでたいそう強かったらしいな。正確無比に敵を切り伏せることから死神って呼ばれていたらしいぞ。」

 岩永の言葉に僕は心をいためる。マリーのかわいらしい顔の下に死神の顔がのぞく姿が頭をよぎる。

「なんで黄色い、って言葉がつくのかはわからんけどな。」

 僕の心を知ってか知らないか、岩永は扉を閉めて出て行く。 

 僕はベッドの上にごろんと寝ころがる。

 明日の午後はマリーをどこかに誘おう。

 そう思って僕はマリーを迎えに宿屋の扉を開ける。


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