052 寮と店と貴婦人と
さて。
リフォームしないと。
皆には少しこの場で待ってもらう。
俺だけ先に建物内に入り、【異世界ショップ】のコンシェルジュに色々聞きながらリフォームする場所を見てまわる。
まずは建物全体。
専門店からリフォーム業者を選んでから、建物全体を指定。
コンシェルジュと相談し、間取りなんかを確認し、それからどういうリフォームをするか決める。
外壁や内装なんかの劣化したところはもちろん直すとして、建物の基礎なんかも場合によっては直してもらう。断熱材入れたり、冷暖房機器を取り付けたり、各部屋に合わせてサッシを入れて強化ガラス製の引き違い窓や出窓、サロンとして使えそうな部屋は庭が見える方を前面ガラス張りになんかしてみる。
もちろん水回りの風呂、トイレ、キッチンなんかも日本の現代風のに合わせてアレコレしてもらう。
見積もりなんかを出すために一旦【異世界ショップ】の魔法陣を建物全体に掛ける。
するとやっぱり基礎もやってもらうことになった。
で、【異世界ショップ】の魔法陣で建物全体のスキャンが出来たみたいで、詳しい間取りがわかった。
それに合わせてコンシェルジュと内装をどんどん決めて、サクッとリフォームしていく。
リフォームも全部【異世界ショップ】の魔法陣一発で終わった。
外観は基本そのままに、内装はなるべく素材の良さを出す感じで、必要な部分は白の壁紙や塗料を塗る。
壁の穴空きや床の補修も終わったし、断熱材も入って、各部屋各空間に冷暖房設備や照明なんかもしっかり取り付け。
風呂も数人で使用できる脱衣所付き大型ユニットバスを採用。
見た目はしっかり大浴場。
広いお風呂とシャワーが5列あるものだ。
トイレもユニットタイプもの。
温水洗浄便座の洋式トイレを、1階に4か所、2階に2か所、3階は個室が広いので各部屋にトイレと風呂場を設置した。
キッチンは厨房サイズのシステムキッチン。
魔道具化されたオーブン、大型冷蔵庫、食洗機があらかじめ付いているやつだ。
必要となる家具類もまとめて配置済み。
2階の24もある空き部屋のうち、20部屋にベッドと寝具とチェストと小さな机と椅子を入れ、残りの4部屋は物置に使うようにして掃除道具などをいれたり、リネン室風に棚を設置し、予備の寝具やカバー類なんか入れておいた。
3階の広い部屋の個室は豪華なベッドと豪華な寝具、豪華な衣装ケースに豪華なテーブルセットを置き、優雅な感じの壁紙を採用し、高級感あふれる絨毯なんかも敷いた。
その広い部屋に付いている付き人部屋みたいなところにも二階の空き部屋同様の家具類を設置。
これで内装系はいいとして、後は細かいモノを買ったり置いたりしていく。
一階は共有スペースとしてソファーや食卓、椅子、戸棚なんか置いて、戸棚の中には救急箱も入れておく。
物置部屋っぽいところには魔道具化された掃除機や、掃除道具、ついでに庭いじりに必要な道具なんかもここにもいろいろ揃えてまとめておいておく。
キッチンに電子レンジも2台置いたり、炊飯器、ジューサー、トースター、ホットプレートなどの調理魔家電、洗剤やスポンジ、布巾なども用意。
システムキッチンの収納には食器類や調理器具を入れ、冷蔵庫・冷凍庫には食材や冷凍食品なんかも詰め込む。
食料庫もあったので、そこには棚を設置して調味料や小麦粉、米、芋類、缶詰、乾麺、カップ麺なんかもどんどん入れて。
あ、スナック菓子なんかも置いておこうかな、なんて。
風呂場にはシャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、風呂桶を5列あるシャワーの所にセットで置いて、次に脱衣所。
五つある洗面台にはそれぞれにドライヤーや洗顔フォーム、化粧水なんかも置いておく。
業務用大型洗濯機を1台と、家庭用洗濯機を3台、除湿乾燥機を設置し、脱衣棚や、洗濯かご、洗濯洗剤、柔軟剤、予備のシャンプーやボディーソープ類、フェイスタオルやバスタオルを50枚ずつ、足ふきマットも20枚、ついでに体重計なんかもどんどん並べて置きまくる。
あとはトイレ内の棚に掃除道具と買い置き分のトイレットペーパーをみっしり入れて、壁に取り付けられたホルダーにトイレットペーパーをセットして、と。
施工時間含め、30分ほどで寮のリフォームは全て完了した。
ほぼコンシェルジュ様のおかげである。
「セージ様、今大丈夫ですか?」
シロネが様子を見に来た。
ナイスタイミングだ。
すごいぞシロネさん!
「大丈夫。いま丁度終わったとこ。あとこれ、奴隷の人達の着替えね。みんなにももう入っていいと伝えて」
「はいっス!」
「では、今から皆さんに着替えを渡します。そうしたら部屋を決めて着替えてもらいます。あぁ、今日のところはいいですが、こんなことでいちいち驚いていたら身が持ちませんよ。速やかに現実を受け入れて行動してください」
シロネが、目の前の事に唖然としている皆をまとめて建物内に入り、入ってさらに唖然とする皆にそんな事を言った。
サラッと微妙に俺がディスられたのは気のせいかな?
シロネの言葉に無理矢理意識を働かせ、シロネ引率のもと、部屋へと向かう奴隷さん達。
二階の階段を中央に、東と西に、男女に分かれて部屋を使ってもらうことにした。
俺がリフォームしている間、庭で待っている時に奴隷の人達はシロネから、旅行用のキャリーケースに入った身の回りの物を受け取っていた。
それは昨日、俺とシロネが色々話し合って用意したものだ。
中には生活に必要な個人で使うような物が入っている。タオルとか歯磨きセットとかヘアブラシとか。
着替えは買いあげる奴隷が決まった時にコンシェルジュにサイズや機能性、デザイン性を相談して買った。
奴隷の人の制服は、男性は麻の生成りのシャツと茶色のズボンと茶色のベスト。女性は茶色のロングスカートワンピースと麻の生成りの質素めのエプロンドレス。
靴は男女ともに編み上げの茶革のブーツ。
下着と靴下は3セット。普段着とパジャマも一応1セットずつ用意した。
「これが奴隷の生活……?」
内装や支給された衣類や身の回り品に驚きつつフラフラとシロネに促されつつ、二階に昇っていく奴隷達を見ながら、奴隷じゃない従業員の人から疑問の声が出た。
「実家での生活より……いえ、上級貴族並みの生活なんじゃ……」
そんな事を言われると、なんだか可哀想になるな。
てか既に8人とも悲壮な顔をしている。
「……半年限りだけど、住んでみる?」
「よ、よろしいのですか?」
「希望するなら。あぁ、でも部屋は奴隷の人達同様2階の部屋だけど。それでもいいなら」
「それでも全然いいです!」
という人が続出。
というか8人全員がそうだった。
なのでそんな彼・彼女らにも日用品入りのキャリーケースをあげた。
あとせっかくなのでいいとこのおぼっちゃん、お嬢様風の普段使い服やドレスを2セットと、下着を3セットずつとパジャマを渡したら、冗談抜きで涙を流して喜んでくれた。
急遽従業員さんをも住まわせることになった寮を出て、皆で歩くこと10分。
その間に一応話しておく。
「急で悪いけど、明日から俺やシロネにこの大陸、この国の常識を教えてくれる指導員が城から派遣される。みんなとも会う機会があると思うからよろしく」
「し、指導員? 城から、ですか?」
うそだろ!?
そんなこと聞いてねぇよ!
みたいな顔をする従業員たち。
大丈夫だ。
俺もさっき知ったばかりだから。
「さっき急遽決まった」
「さっき?」
「あぁ、午前中、商業ギルドで色々あって、俺の常識がないとかなんとかで皇帝が無理矢理な……」
「「「皇帝!?」」」
「あぁ、だからついでにその指導員にこの寮を任せることにした。あとは俺の常識アドバイザーをするだけの人だからそこまで気にする事もない」
と思う。
それにここにいる8人はみんな貴族家出身だし、皇族とか貴族とか慣れてるだろ。
コニーが俺にくれた家に、その指導員と一緒に住めみたいな事いっていたけど、とんでもない。
せっかくイケニエ要員として雇った貴族に対応できる従業員がいるのだから任せてしまおう。
その為に寮の三階を豪華に仕上げたんだから。
コニーから貰った物件はそれはそれで何かに利用させてもらおうと思う。
ノープランだけどね。
だってあっちもこっちも管理できないし。
シロネに任せるとしても限度があるし。
俺が管理とか無理だしね!
騙されて終わる。
そう考えるとキンバリーさんにはチョロい感じに転がされたな。
金だけ出せば物件1コで終わったのに食材やアイテムで交換とか今冷静に考えれば俺めっちゃカモられた自覚あるわ。
「なるほど……常識、ね」
「そうね、常識ね」
「常識は必要そうですね」
心で反省していると、従業員さんが常識常識とそれぞれブツブツ言いだした。
けどすぐに気を取り直したようで、というか、何かを諦めたようにもくもくと歩く。
店舗予定地に着いた。
ここは既に内見済みなので大丈夫。
商業ギルドできちんと管理されていたので傷みはないし、雑草も生えていない。
建物の中も掃除をきっちりしているっぽかった。
けどせっかく買ったんだから最初は一発かましておきたい。
「【クリーン】」
を。
もともと状態の良かった建物は、またしても見た目新築同様となった。
こちらの建物は寮より小さいものの、普通から考えればかなりの豪邸だ。
庭が広めの3階建て。
白亜の城をイメージして作られたのか、上品且つ可愛らしい建物だ。
早速皆で建物内に入り、間取りを見て、仕事に必要そうな物を考え、その考えを汲んで俺が【異世界ショップ】で買って行く。
皆からは【アイテムボックス】から色々出てくるように見えているらしく、俺の【アイテムボックス】の中身に興味津々な様子だった。
店舗の使い方としては、3階はとくに使い道がないので何かあった時の客間や、横になって休めるような部屋にする。
もともとこの建物の主人の部屋にしていたようで、広く間取られ、風呂もトイレも設置できるようになっているのであとでいろいろやっておこうと思う。
1階と2階で商売。
1階は受付と待合室みたいなサロンにする。
それでも広いので半分は何か商品でも置いて売る事にした。
2階は施術部屋だ。
客一人に一部屋。
これは昨日と一昨日、シロネが貴婦人方に施術した時に必要だと思ったそうだ。
貴婦人ひとりに対して付き人が少なくても2人、多くて5人くらい付いてくるらしい。
護衛とかも兼ねているのでそれくらいの人数になるそうだ。
なので部屋は分けた方がいいと。
護衛的な意味でも、他人への迷惑的な意味でも。
そこまでするんだったら貴族家へ派遣すればいいじゃんとか思うけど、それはそれで大変っぽい。
シロネから話を聞いてそう思ったので、店舗を構えることに決めて正解だったね!
女同士の牽制とか序列とかいろいろ見ちゃったらしいし。
店の方針は基本予約制。
予約してくれた人が優先。
店に来てくれれば、一日先着30名に施術可能だ。
自宅まで呼ぶのなら最低1週間前に予約を取らなくてはならない感じにする。派遣料も取る予定なので店に来るより割高だ。
店に来れば当日中の施術かつ比較的リーズナブルに施術出来る。
家に呼ぶのなら数日前に予約を取らなければならない上に派遣料まで支払わなければならない。
人を選ぶのならそこに指名料も上乗せだ。
たぶん貴族という生き物は高い金を出してまで呼び出すんだろうけど、店に来るメリットもきちんと出す。
自宅に呼べば施術員は1人しか来ないが、店に来れば施術者のサポートもいるので早いし、サロンで待っている間、ここでしか味わえないようなお茶やお菓子のサービスも受けられるようにする。
そうすれば金の無い貴族でも施術者を家に呼ぶよりもかなり割安な「店舗で施術」することに言い訳が出来て、店に足を運びやすくなるのではないかなと思う。
そういう感じで言い訳しやすくしておくことも大事らしいし。
「1階の待ち合いサロン以外のスペースは売店にするというお話でしたが、何を売るのですか?」
従業員のひとりが俺にたずねる。
ノープランなんだけど。
まさか俺が何の考えもないとは思っていないようなまっすぐな目でこちらを見ている。
「そうだな……宝石や貴金属ならいっぱいあるからそういう店――」
「――おやめ下さい。できれば明日来る指導員の方に聞いてからにしましょう。常識、大切にしていきましょう!」
シロネは既に俺に毒されているのか、それとも帝国の一般常識に当たる事なのでわかってないのか、何も言わなかったが、かわりに従業員全員に止められた。
「宝石だなんて護衛がいくら居ても足りないですよ」
「毎日強盗が来ます」
ということらしい。
店のレイアウトを整え、必要機材などを取り揃えたらその日は終わり。
一旦皆で寮に戻ることになった。
庭の草は綺麗に抜き取られていた。
これはとても良かったのだけれど、一つ問題が。
「あの……これはどうやって使ってどう調理し、食べるのでしょう?」
だった。
家電の使い方もそうだが、風呂もトイレもキッチンも食料品の使い方も、ただお湯を沸かすだけの事すら全て今までの常識外の様式で誰ひとりわからなかった。
なのでシロネと子供達を一晩寮において従業員へ色々教えてもらうことにした。
シロネはともかく、子供たちは俺から仕事がもらえたと喜んでいた。
シロネと子供らは海底にいる時、野営で俺と一緒に料理したり、道具の使い方を教えたり、風呂の入り方を教えたりしたので大体の事はわかるはずだ。
子供らは俺達が寮や店舗を整えている間、やることないから冒険者ギルドで依頼を受けて遊んでいたらしい。
……冒険者ギルドで遊べる依頼ってあったっけ?
翌日。
遅めの朝食を終えた頃に城から派遣されたという淑女が来た。
「お初にお目にかかります。メージス侯爵家、前侯爵の妻、エストラにございます。以後よしなに」
丁寧にご挨拶下さったのは、エストラ・ストナ・メージスさんという人だった。
現メージス侯爵のお母さん。
といっても40代後半くらいの美熟女だ。
旦那が侯爵を引退して自由の身になったために、このご婦人も暇になったらしい。
そして暇を持て余していたところに昨日、王からお声がかかったとか言っている。
そこで色々聞いて、俺に常識を教えてやってほしいという依頼を快く受けたらしい。
エストラさんは自分の身の回りの世話をするメイドや従者を数人連れていた。
護衛3人、文官2人、側仕え4人という結構な所帯。
寮の部屋、まだ残っている事を祈ろう。
「ところで、セージ様の従者が見当たらないようですが」
「寮の使い方を説明させるために昨日の晩から寮に詰めさせました」
「そ、そうなのですね。(こういうところから教えないといけないのかしら。これは大変なお仕事だわ)」
後半三分の二ほど小声で呟いているようですが、こちとらレベル1000超え効果でばっちり聞こえてるんですよねー。
どうやら主をひとりにさせるというのはダメらしい。
でもね、俺、貴族とかじゃないんで全然大丈夫なんですよ。
ただ、代わりに偉い大人としゃべってくれる人がいないと不安だからシロネに居てもらっているんですよ。
「ちなみに使い方と言うのは? なにか商売をなさるそうで、その為の人材を雇ったとお聞きしましたが……家の使い方も分からないような、そんなに粗野な者をお雇いになったの?」
「粗野かどうかはわかりませんが、一応貴族家出身の者を雇いました。それに国からの要請で奴隷を買うことをすすめられたので、従業員達の身の回りの世話用に奴隷をひとりずつ付けたのと、寮や店の掃除や庭の整備に数人の奴隷がいますね」
「……まぁ」
痛ましそうな顔をする夫人。
だがしかし
「その寮の管理を夫人にお任せしますね。寮の三階を夫人のために整えましたので是非お使いください」
なるべく穏やかににっこりと、【聖女の微笑み】スキルを乗せてお願いする。
卑怯なんて言ってられない。
バイトすらした事ない俺に、人を管理するなんて出来ないんだぜ!
成り行きでこうなっちゃったけど、そろそろきついんだぜ!
早めにやることやってのんびりしたい。
なんでこんな事なったんだっけ?
たしかシロネが貴婦人方のネイル施術に取られて大変だよなってとこから始まったんだよなー。
昨日もホントは他の貴婦人の施術も頼まれていたみたいだけど、俺の名前を出してなんとか断ったらしいし。
俺もシロネがいないと大変なんだよ。
ここにきて何かと他人と関わるようになって、ひとりじゃ判断出来なくなってきて……。
ハルトとマモルは自分で出来る事をやり始め、俺は何も出来なくて商売に走ろうとしている最中。
ここに来て自分の周囲の人材不足問題が出てきてしまった。
もっと考えてからやるべきだったか?
俺とシロネとティムトとシィナで出来る事ってなんだろ?
そう考えると農業やって豪農になるとかよくもまぁ無謀な事をぬかせたな。
でも人を相手にするより植物相手にしていた方がいいかも。
せっかく【草木魔法】なんてものあるんだし。
「セージ様?」
「あぁ、すみません。なんでしたか?」
「ふふふ。女性を前に考え事にふけるのもあまりよくありませんよ?」
「すみません」
「まぁ、基本的な紳士としての対応は出来るようで何よりでございます」
「基本的な紳士、ですか?」
「えぇ、他の国ではあまり好しとはされませんが、この帝国の貴族社会では貴婦人をエスコートするものが是とされていますのよ。それを簡単にしてのけてしまうあたりさすがでございますね」
考え事をしていてよく覚えていないが、エストラさんが上機嫌ならそれでいいか。
「となると……他の常識が問題なのでしょうね。陛下から話をお聞きしましたところ、平気な顔で巨大な魔石を提供されたとか。もしかしてその価値わかってませんか?」
「価値、ですか?あれくらいであれば国から独立した土地を持てるかもと思って出したんですが」
「あら、意外にも金銭感覚は正しいのかしら? でも普通、あんなものをポンポン出すモノではないんですのよ? しかもどれも見たこともないレベルの魔石だったとか」
「そうですか。逆に一般的に出回っている魔石を持っていないので、わかりません。それに友人にはあのレベルの魔石は一般には出回らないと教えられていたので、ある意味現金代わりに押し付けることが出来てよかったかなと思っているくらいです」
「ふふふ、きちんと考えあってのことだったんですね。(規模が普通じゃないだけで……)」
だから後半ボソりと聞こえないように呟かないでくださいって。
聞こえてますから!
その後もしばらくお茶をしながら面談のような話をしていく。
話をするうちに、こちらも「お茶目な感じの貴婦人だな」という印象を持てるくらいだったので、あちらとしてもそれこそ歴戦の貴婦人だ、色々俺の人となりもわかったところだろう。
一時間と少し、夫人とお話をしたところで一旦シロネと連絡を取った。
その連絡手段のスマホを見ても夫人は驚かれていた。
さらに昨日の従業員さん同様に「常識常識」という呪文を唱えていた。
シロネに連絡を取り、婦人達を寮にご案内。
寮の庭は昨日の内にギルドから人が派遣されて綺麗に雑草が抜かれていた状態を、庭の手入れの為に買った奴隷の人達が今朝から綺麗に整えてくれたらしい。
そんな庭と建物の外観は、夫人に最低ラインの合格をもらえた。
建物内は「非常識!」というお言葉をいただいたが。




