KHTvirus~拡散する悪意
悪意は拡散する。
伝播する。
これは決して他人事ではない。
誰でもあり得るウイルスの話。
この世には誹謗中傷ウイルス「H.T.Virus」というものが存在している。
このウイルスは10歳ぐらいになるとほぼ全ての人が感染する。
ウイルスが発症するとたちまち他人に対して攻撃的になり誹謗中傷を繰り返すことになる。
主にネットでアンチと呼ばれる人たちは少なからずこのウイルスにかかっているとされている。
年間の感染者は日々増え続けており今後も右肩上がりということになっている。
そんな統計結果が流れる中でも人は変わらずにTwitterやInstagramを見てアンチコメントを書き込む。
自分の憂さ晴らしにコメントを書いて他人を傷つける。
所沢千秋もその一人だ。
彼は毎日親の締め付けに苦しんでいた。
門限から始まり、塾、友達関係などを親に何もかも決められていた。
イライラは募っていく。
しかし親に反抗するというのは自分には出来なかった。
親がどれだけ強大で歯向かったらどうなるかは散々学ばされてきた。
そんな無力を感じてる時に僕はTwitterでとある有名人のアカウントを見つけた。
その女性のアカウントはそこそこの人気が出てきた有名声優のアカウントだった。
その女性には何かツイートをするたびに沢山のいいねやリプが送られている。
ネットではそんな人気者が今日もたくさんいる。
そんな人たちはうらやましいと思っていた。
どうにかしてそんな人たちの仲間に入れないかと考えていた。
しかしそんな簡単な方法なんてものはなくて憂さ晴らしをするようにその女性のアカウントに悪口を送り付けるようになった。
最初はその人のツイートのリプに批判的なコメントを書いてみた。
周りのファンが俺をたたき出す。
しかしそれに比例するようにアカウントのフォロワーは増えていく。
有名声優のファンたち沢山のフォロワーは俺をたたくネタを探そうとツイートをどんどんさかのぼって投稿を拡散していく。
そして様々なフォロワーからアンチコメントが届き中にはもの好きなフォロワーが擁護してくる
「とんでもないことになってきたな」
画面を見ながら呟く。
毎日アンチとの言い合いが勃発してそれに比例してフォロワーも猛烈に伸びていった。
そこからさらにフォロワーを増やすように過激なツイートを沢山するようになった。
周りが集めてくる住所などをしっかりと裏を取った上で完全に必要ない高価なものを着払いで送ったりもした。
ここまでくると完全に犯罪だがそれを成功させてTwitterに拡散すると爆発的に増えていった。
しかしそこである問題が発生した。
過激なアンチが俺の住所を特定する様子を見せたのだ。
これをきっかけに家が路頭に迷うこともあるかもしれない。
それをさせることはできないと思いそのアンチを特定することにした。
親からそこそこの小遣いがあったこともあり金で依頼を頼むことにした。
少し金はかかったが無事にそいつを見つけることができた。
そのアンチは冴えないサラリーマンだった、その声優を守りたいといった正義感が主な目的だったようだ。
そのサラリーマンには妻子もいたがあまりうまくいっておらず、子供にも煙たがれていたようだ。
「このことがバレたら家族が路頭に迷ってしまう!」
何か悲痛なことを言っていたがこれは正当防衛だと思う。
叩く側の人間が反撃されてのうのうと暮らしていけると思うな。
このサラリーマンはたちまち燃えて仕事を失ったらしい。
これは後から聞いた噂だが。
しかしこの話は自分にも盛大なブーメランとして返ってくることになる。
そもそもこのアカウントはとある有名人の女性を叩くために開設したものだった。
その女性の名前は内田悪意は拡散する。
伝播する。
これは決して他人事ではない。
誰でもあり得るウイルスの話。
この世には誹謗中傷ウイルス「H.T.Virus」というものが存在している。
このウイルスは10歳ぐらいになるとほぼ全ての人が感染する。
ウイルスが発症するとたちまち他人に対して攻撃的になり誹謗中傷を繰り返すことになる。
主にネットでアンチと呼ばれる人たちは少なからずこのウイルスにかかっているとされている。
年間の感染者は日々増え続けており今後も右肩上がりということになっている。
そんな統計結果が流れる中でも人は変わらずにTwitterやInstagramを見てアンチコメントを書き込む。
自分の憂さ晴らしにコメントを書いて他人を傷つける。
所沢千秋もその一人だ。
彼は毎日親の締め付けに苦しんでいた。
門限から始まり、塾、友達関係などを親に何度も決められていた。
イライラは募っていく。
しかし親に反抗するというのは自分には出来なかった。
親がどれだけ甚大で歯向かったらどうなるかは散々学ばされてきた。
そんな無力を感じてる時に僕はTwitterでとある有名人のアカウントを見つけた。
その女性のアカウントはそこそこの人気が出てきたアカウントだった。
その女性には何かツイートをするたびに沢山のいいねやリプが送られている。
ネットでの人気者が今日もたくさんいる。
そんな人たちはうらやましいと思っていた。
どうにかしてそんな人たちの仲間に入れないかと考えていた。
しかしそんな簡単な方法なんてものはなくて憂さ晴らしをするようにその女性のアカウントに悪口を送り付けるようになった。
最初はその人のツイートのリプに批判的なコメントを書いてみた。
周りのファンが俺をたたき出す。
しかしそれに比例するようにアカウントのフォロワーは増えていく。
完全なアンチからの沢山のフォロワーは俺をたたくネタを探そうとツイートをどんどんさかのぼって投稿を拡散していく。
そして様々なフォロワーからアンチコメントが届き中にはもの好きなフォロワーが擁護してくる
「とんでもないことになってきたな」
画面を見ながら呟く。
毎日アンチとの言い合いが勃発してそれに比例してフォロワーも猛烈に伸びていった。
そこからさらにフォロワーを増やすように過激なツイートを沢山するようになった。
周りが集めてくる住所などをしっかりと裏を取った状態でごみを着払いで送ったりもした。
ここまでくると完全に犯罪だがそれを成功させてTwitterに拡散すると爆発的に増えていった。
しかしそこである問題が発生した。
過激なアンチが俺の住所を特定する様子を見せたのだ。
これをきっかけに家が路頭に迷うこともあるかもしれない。
それをさせることはできないと思いそのアンチを特定することにした。
親からそこそこの小遣いがあったこともあり金で依頼を頼むことにした。
少し金はかかったが無事にそいつを見つけることができた。
そのアンチは冴えないサラリーマンだった、憂さ晴らしが主な目的だったようだ。
そのサラリーマンには妻子もいたがあまりうまくいっておらず、子供にも煙たがれていたようだ。
「このことがバレたら家族が路頭に迷ってしまう!」
何か悲痛なことを言っていたがこれは正当防衛だと思う。
叩く側の人間が反撃されてのうのうと暮らしていけると思うな。
このサラリーマンはたちまち燃えて仕事を失ったらしい。
これは後から聞いた噂だが。
しかしこの話は自分にも盛大なブーメランとして返ってくることになる。
そもそもこのアカウントはとある有名人の女性を叩くために開設したものだった。
その女性の名前は内田美冬だった。
最近、様々なメディアで露出し始め期待の新人として扱われていた。
見た目はアメリカ人の父と日本人の母を持つハーフでその髪は地毛で金髪だった。
そんな彼女に簡単にいえば嫉妬していた。
年齢も少し近くちやほやされるその姿が許せなかった。
そしてしばらくして内田冬美が謎の匿名アカウントから攻撃を受けています。という発表があった。
そのアカウントは散々拡散されていた俺のアカウントだった。
そこからは俺もあのサラリーマンと同じ道をたどることになった。
内田冬美はうつ病になり芸能活動を中止した。
そのことをTwitterで発表されてから数日がたったある時。
扉を開けたらそこには警察がいた。
「所沢千秋さんですね、警察まで同行お願いします。」
その時俺は終わったんだな、やってしまったんだと悟ったんだ。
その直後のことはよく覚えていない気づくとそこは警察署だった
そこで沢山のことを問いかけられた。
始めた経緯…そこから今に至るまでの流れ…
それを全て聞かれそして1度帰宅していいという命令が出た。
家に帰ってきた頃には完全に夜になっていてむしろ朝に近かった。
両親は起きていて何があったのかをもう一度説明させられた。
その度に親たちはヒステリックに叫び俺の心を潰しにかかってきた。
この光景は前にも見た事があった。
あのサラリーマンの姿にそっくりだった。
人を傷つけるそれは最終的にはもっと法律で規制されて誹謗中傷が無くなる世界になるだろう。
しかし誹謗中傷を引き起こすウイルスはずっと残って根を張っていく。
これがこの世界の最大の欠点だ。
これは誰も幸せにならない悲しい世界。
そんな世界に僕たちは生きている。
読んでいただきありがとうございました。