4−12話:雪 side
開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。
いつもこんな感じなのかな?なんて思いながら空色を見たけど、こっちも驚いていた。
「似合ってるぞー!!」
「梨沙かっこいい!!」
「あはは、ありがとう。私のクラス、仮装喫茶だから是非遊びにきてね。
ちなみに私のこれは吸血鬼衣装」
驚きはしたけど、客受けはいいみたいで、別の意味で盛り上がっているようにも感じた。
「それじゃあ、早速曲にいきたいと思います」
ライブハウスでの盛り上がりとはまた違う雰囲気。そういえば、スタッフとしてじゃなくて、純粋にお客としてライブを聴くのはいつぶりだろう……最近は忙しくてライブとかに行けていなかったから、この高まる期待は本当に久々だった。
「最初は二曲続けて演奏します。年に数度の貴重なお祭りだから、盛り上がって行こう!!」
震えるような歓声と共に演奏が始まる。
下から見るステージは、こんな感じだったのか……
「やっぱり、音楽はすごいね……」
思わず口から出た言葉。それに空色も聞こえていたみたいで、お互いに目が合い、彼女は笑顔で「ですね」と同意してくれた。
最初に演奏された二曲は、私が作曲したものじゃなかった。
それに気づいたのは二曲目が終わって、トークが始まった時だった。
「さて、メンバー紹介も一通り済んで、次で最後の曲になります」
観客席からの悲しさや寂しさの声が上がる。
単独ライブではないから、三曲は妥当な曲数ではあるが、それでもやっぱりもっと聴きたくなってしまう。
「次の曲は、新曲になります。この曲は、依頼をして作ってもらったものです。知ってる方は知ってるかもしれないけど、作曲を”雪さん”作詞を”水色の桜さん“にしていただきました。色々と迷惑をかけちゃって、本当に申し訳ない」
苦笑いを浮かべる梨沙さん。他のメンバーも同じように苦笑していた。
ちなみに“雪”は私のペンネーム。“水色の桜”は空色のペンネームだけど、元々私が勝手にそう呼んでいただけだったので、改めて空色にペンネームについて聞いたらそのままでいいと言われた。
最近では、私と空色のタッグは結構有名になってる。あ、もちろん氷華のイラストもふまえて。
ちなみに氷華は“アイス”という名前でイラストを描いてる。
「だからこそ、しっかりとこの曲の良さを私たちの演奏でお客さんに伝えたいと思う!!しっかり盛り上がってちょうだいね!!」
色々あった曲。これからこの場にいる人たちに聴かれると思うとちょっと気恥ずかしいし、喜んでもらえるだろうかと不安に感じてしまう。
「このバンドにとって、忘れられない思い出となった曲です」
「聴いてください”Reverie”」




