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歌詞(こころ)から掬いあげる言葉(きもち)  作者: 暁紅桜
4章:夏は溶け、秋空に歌う彼女の恋
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4−5話:雪 side

「「じゃーん、けーん、ぽんっ!」」

「げ……」

「はい、雪凪せつなの負けー」

「先輩、買い出しお願いします!!」

「私紅茶ね」

「私は、オレンジジュース」


放課後、午後の文化祭準備が終わった後、部活がある人は部活に。とはいうけど、生徒の大半が部活に所属しているから、午後の授業が終われば自然と文化祭の準備は終わりになる。けど、準備期間の間は部活の参加は自由になっているため、部活よりも文化祭の準備を優先する生徒が多い。

私は元々軽音楽部の練習があるからクラスメイトには午後の授業が終わったら抜けることを伝えている。


そして現在何が起きているのか。

練習の休憩をとっていたのだが、じゃんけんでジュースを買いに行く人を決めることに。そして、それに私が盛大に負けたというわけだ。


「お使いいってらっしゃーい」

「はいはい」


部室を出た後、深々とため息を零して、部員と自分の分のジュースを買いに自販機に向かった。

購買前の自販機は利用する人が多いため、混雑したり、売り切れが多々ある。

だから、私はいつも人の少ない体育館近くの渡り廊下に設置されてる自販機にジュースを買いに行く。


「はぁ、疲れた」


部室からここまで結構距離もあるし、ジュースを買う前にちょっとだけ一休み。

不意に、スマホに誰かからメッセージが送られてきた。

確認してみると、久しぶりの春歌はるかさんからだった。


《学祭、今週の土曜日なんだよね。で、あたしらの演奏は14時からだから、三人で遊びにおいでー》


「結構急だなぁ……事前に日時教えてて欲しかった」


けどまぁ、ちょうど練習も休みだし、バイトもその日は休み。なんというか、タイミングを見計らったのような感じ。とりあえず返信しておくか。氷華ひょうか空色くしなにも連絡しとかないと。


「って、噂をすれば……」


ちょうど春歌さんへの返信が終わった後、今度は氷華からメッセージが届く。


《準備中》


漢字三文字のメッセージの後、写真が添付されている。

写真には、全員ではないだろうけど、数人のクラスメイトが写っている。そこには氷華はもちろん、少し緊張した様子の空色の姿があった。

空色の強張った顔に、私は思わず笑ってしまった。


「遊んでないで、ちゃんと、やるんだよ……送信………って返信はやっ!」


私が返信してものの数秒で氷華から返信が来る。本当にちゃんと作業してるのか?


《遊んでないもん。氷華もくーちゃんも、すっごく頼られてるもん!》  

「ほんとかぁ?返信の早さに説得力ないんだけどなぁ……」


でもまぁ、クラスメイトに頼られてるならよかった。なんだかんだ仲良くしてるんだな。

出し物の内容に関しては氷華から直接聞いていて、空色からもメッセージで聞いていた。


「カフェなんて、空色が大活躍だろうな……楽しみだな」


とりあえず氷華には《楽しみにしてるから頑張りな》と返信した。すると、嬉しそうな顔をする兎のスタンプを送り返してきた。


「ふぅ……さて、練習に戻りますか」


もう一息ついてから、大きく背伸びをする。

もちろん、そのまま帰るわけもなく、軽音楽部に頼まれたジュースもちゃんと買って、そのまま部室へと戻った。


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