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歌詞(こころ)から掬いあげる言葉(きもち)  作者: 暁紅桜
4章:夏は溶け、秋空に歌う彼女の恋
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4−4話:空 side

午前中が通常授業で、午後は文化祭の準備。

お昼を食べ終えた生徒は、クラスの出し物の準備をバタバタとしていた。

私も氷華ひょうかちゃんもクラスのお手伝い中。当日は、部活の手伝いもあるからずっとお手伝いをすることができないから、いっぱい準備を手伝うことにした。


如月きさらぎさん、こんなのどう?」

「うん、可愛い。氷華も描いてみた」

「わぁー、さすが如月さん」

「うぐ、私の絵が霞む……」


クラスの出し物はカフェで、氷華ちゃんは教室の飾りとか装飾系の手伝い。私は、お店で出すお菓子のアイディア出しとレシピの製作を手伝っている。

それぞれ、自分の長所を生かせる作業をしているけど……私、氷華ちゃん以外の人とあんまり話したことないから緊張する……


「うん。これなら簡単に作れそう」

「でも何か一つインパクトがあるの作りたいよね」

「パ、パンケーキとかは?シンプルにすれば、ざ、材料費とか、抑えられると、思う」

「シンプルか……生クリームとアイス、メイプルをかけるだけでも美味しいよね」

「欲を言えばフルーツ乗ってて欲しいけど……流石に文化祭じゃね」


しどろもどろに話す私に対して、みんなちゃんと話を聞いてくれる。

人見知りだってことは、結構クラスのみんなが知ってくれているみたいで、ちゃんと頷いて聞いてくれる。


「じゃあ、お店で出すお菓子は、メインパンケーキにして、後はクッキーにカップケーキ、パウンドケーキ。クッキーにはジャム乗せて、カップケーキとパウンドケーキにはチョコやナッツ、クリームを乗せたりして少し種類を増やすってこと」

「試作会は、もちろん桜和おうかさんも参加してね」

「え、あ、うん。わかった」

「提供するのはやっぱり紙皿だよね」

「うん。だからサイズとか考えないとだね」


こういう場が無かったら、多分私は一生クラスの人とは話さなかったかもしれない。氷華ちゃんから離れて何かするっていうのも初め不安だったけど、なんだか楽しいな。


「そういえば、桜和さんって氷華のお姉さんと仲良いよね」

「へ?」

「うん。お昼とか一緒に食べてるし、一緒に下校したりしてるよね」


え、何で突然雪凪(せつな)先輩の話題になったんだろう。私は少しアワアワしてなんて話せばいいだろうかと言葉を探した。


「かっこいいよねぇ。氷華と正反対で」

「うんうん。クールだよねぇ」

「結構人気者だもんね、如月先輩って」


私が思っている以上に先輩は人気者のようだった。

でも、そうだよね……先輩かっこいいし、優しいし……みんな憧れるよね。


「ねぇ、桜和さんは、如月先輩のどんなところが好き?」

「へ!?す、好き!?え、えっと……その……」


先輩の好きなところ……どんなところだろう……いっぱいありすぎて迷っちゃうな……


「先輩は、見た目通りカッコよくて……そして優しくて……でも、実は可愛い一面もあって」

「え、可愛い一面って?」

「えっと、実は猫が好きなの」

「猫を愛でてる先輩かぁ。イメージだと、かっこいいけど……」

「でも、猫の話をしてる時の先輩は、無邪気な感じで、目がキラキラするの」

「ほぇー」

「ふふっ、桜和さんは如月先輩のことが好きなんだね」

「……うん、大好き」


あの日から、私はずっと先輩に恋をして、届けた気持ちが伝わって……今こんなにも、先輩が近くにいることが……私は何よりも幸せだった。


「はっ!あ、え……えっと……そ、そのえっと」


思わず大好きなんて言っちゃったけど、相手は何も知らないクラスメイトだし、へ、変に思われたよね。女の子が女の子に大好きなんて、へ、変だよね。

ど、どうしよう、みんな引いたかな……


(かわいいな)

(あぁ尊い……かわよ死しそう)

(守ってあげないと)


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