表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歌詞(こころ)から掬いあげる言葉(きもち)  作者: 暁紅桜
3章:春過ぎて、来たる夏は彼女とともに
42/146

3−21話:空 side

「はぁ……」


 家に帰ってご飯を食べて、そのままベットにダイブした。

 なんだか夢でも見ていたかのような感覚に襲われる……


「夢……じゃ、ないよね」


 スマホには、今日先輩と買ったお揃いの猫のキーホルダーがつけられている。それをみると、先輩とのお出かけのことを思い出して思わずニヤニヤしてしまう。


「今日の先輩かっこよかったなぁ。制服しか見たことなかったけど、私服かっこよすぎてやばかったぁ」


 自分とは違うすらっとした体。正直、声をかけるのに少し抵抗があった。だって、遠目からでもわかるぐらい、先輩は綺麗でかっこよかった。私じゃ、どう頑張ってもあんな風にはなれない。


「あー、隣一緒に歩けた。ご飯も一緒に食べたし、デートだよね。やっぱりあれデートだよね」


 思い出すだけで胸の奥がぎゅっと苦しくなる。

 ずっと、手紙でしかやり取りしてなくて、急に話すようになってどんどん先輩との交流が深まっていく感じが嬉しくて……息苦しく感じる。



コンコン



空色くしな、お風呂沸いてるよ」

「あ、はーい」


 今日のことを思い出していると、あっという間に時間が過ぎてた。

 勉強と作詞作業もあるから、パパッと入らないと



ピコンッ



「ん?」


 お風呂の準備をしている時、スマホにメッセージが届いて、慌てて内容を確認した。


「あっ、先輩からだ」


《ちゃんと帰れた?》

《はい。大丈夫ですよ》


 先輩、意外と心配性なんだな。別れるときも、家まで送るって言ってくれたし……私、子供って思われてるのかな?


《今日、すごく楽しかったです》

《私も、すごく楽しかったよ》


 あぁ好きだなぁって何度も思うほどの嬉しさ。胸がぎゅっと苦しくなって、その場でピュンピュン跳ねたくなってしまう。


「くーしーなー」

「あ、今いく!」


 お姉ちゃんの声に、私はスマホをベットに置いて慌てて部屋を出ていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ