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歌詞(こころ)から掬いあげる言葉(きもち)  作者: 暁紅桜
2章:手にした水桜の彼女
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2−12話:雪side

時間はあっという間に過ぎて、夕方になってしまった。そろそろ帰らないとおばあちゃんが晩御飯の準備を全部やっちゃう。


「お邪魔しました」

「またねー」


 春歌はるかさんと桜和おうかさんは玄関先まで見送ってくれた。

 余ったお菓子はそのままお土産としていただき、氷華ひょうかは目をキラキラさせて今にも食べてしまいそうな勢いだった。


「お菓子美味しかった。こんなにもらっちゃってごめんね」

「い、いえ。喜んでもらえるなら……」

「くーちゃんのお菓子大好き!!」

「こら、ご飯前だから食べちゃダメだからね」


 私たちのやり取りを見て春歌さんがクスリと笑う。なんかすっごく恥ずかしい。

 でも、今日は本当に楽しかった。バンドの話は、学校ではあんまりしないし、またたくさんお話がしたい。気軽に連絡していいって言われたから、オススメの曲とか紹介しようかな。


「そういえば、空色くしな雪凪せつなは連絡先交換した?」

「「え?」」

「その様子じゃしてないな……あんだけ話してたのにあんた達は……」


 呆れたようにため息をつく春歌さん。確かに、あれだけ話したのに、私は桜和さんと連絡先の交換をしてない。春歌さんとはやったけど……


「曲のことでやり取りもするだろうし、ほらほら今やる」

「うぇ!?い、今やるの!?」

「当たり前でしょ。ほらほらやるやる」


 氷華と春歌さんに見守られながら、私たちは連絡先の交換をする。なんか視線のせいか、すっごく緊張する……


「はわわわ……」

「何かあったらいつでも連絡して」

「は、はい!!」


 元気よく返事してくれたけど、嫌だったかな……なんかすっごい震えてるけど……


「嫌だった?」

「い、いえ!あ、あとで連絡します!」

「うん、待ってるね」


 そう言われたらなんだか連絡くるのが楽しみになっちゃうな。なんてくるんだろう……。


「それじゃあお邪魔しました」

「気をつけて帰るんだよ」

「はい」

「くーちゃん、バイバイ」

「う、うん。バイバイ」


 軽く手を振ったり、頭を下げたりして、桜和家を後にした。

 駅までの帰り道は、二人並んで歩いた。

 私はスマホを操作しておばあちゃんにメッセージを送っていたけど、その隙をついて氷華がお菓子を食べようとしたので注意。

 むすっとした表情を浮かべるけど、なぜか氷華はニコッと笑みを浮かべた。


「よかったね」


 多分、私が笑っていたからそういったんだと思う。私は思わずスマホで口元を隠してしまった。


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